内視鏡用能動切除器具のモルセレータ、悪性腫瘍患者(疑い含む)には使用禁止―厚労省



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 厚生労働省は7月25日に、内視鏡使用下で体腔内に挿入し、組織を切除するために用いる内視鏡用能動切除器具の「モルセレータ」について、悪性腫瘍患者に使用した場合、組織片が飛散し腫瘍細胞が転移する可能性があるため、「悪性腫瘍患者(疑いを含む)には使用禁止とする」ことを決定しました。

米国FDAは「特に子宮肉腫を腹腔内に播種するリスクあり」と警告

 米国のFDA(食品医薬品局)では、「子宮筋腫のある女性の腹腔鏡下の子宮摘出術や子宮筋腫核出術にモルセレータを使用した細切除術を実施した場合、想定されていなかったがん組織、とくに子宮肉腫を腹腔内に播種させるリスクがある」と報告しており、これを重視した厚労省は、モルセレータについて次のように【禁忌・禁止】【重要な基本的注意】を追記する取り扱いとしました。

【禁忌・禁止】

▽悪性腫瘍またはその疑いがある場合は使用しないこと。[組織片が飛散することで、腫瘍細胞が転移する危険性がある]

【重要な基本的注意】

▽本製品の使用に際しては、診断不可能な悪性病変の可能性および予後を悪化させる可能性について、患者に十分な情報提供を行い、同意を得た上で使用すること

慢性白血病治療薬のグリベック錠などにB型肝炎ウイルス再活性化の副作用判明

 さらに厚労省は8月4日に、次の6医薬品に重大な副作用が発生したとして、製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。具体的には次のとおりです(関連記事はこちらこちらこちら)。

(1)統合失調症や双極性障害などの治療に用いる「オランザピン」(販売名:ジプレキサ錠2.5mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:薬剤性過敏症症候群(初期症状として発疹、発熱が見られ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現などを伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがある。こうした症状が出た場合には投与を中止し、適切な処置を行う。ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)などのウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害などの症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)

 

(2)心不全などによる浮腫の治療に用いる「アゾセミド」(販売名:ダイアート錠30mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:無顆粒球症、白血球減少

 

(3)慢性骨髄性白血病などの治療に用いる「イマチニブメシル酸塩」(販売名:グリベック錠100mg)、「ダサチニブ水和物」(販売名:スプリセル錠20mgほか)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、「B型肝炎ウイルスキャリアの患者または既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化が現れることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること」を追加。

  ▽新たな【重大な副作用】:B型肝炎ウイルスの再活性化

 

(4)慢性骨髄性白血病などの治療に用いる「ニロチニブ塩酸塩」(販売名:タシグナカプセル150mgほか)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、「B型肝炎ウイルスキャリアの患者または既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化が現れることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること」を追加。

  ▽新たな【重大な副作用】:B型肝炎ウイルスの再活性化

 

(5)慢性骨髄性白血病などの治療に用いる「ボスチニブ水和物」(販売名:ボシュリフ錠100mg)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、「B型肝炎ウイルスキャリアの患者または既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)において、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化が現れることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること」を追加。

 

(6)抗菌剤の「シタフロキサシン水和物」(販売名:グレースビット錠50mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:血小板減少、錯乱・せん妄・幻覚などの精神症状

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