後発品使用割合64.5%、毎月1ポイント上昇のペース続けば今夏にも70%に―協会けんぽ2016年2月



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 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が今年(2016年)2月時点で64.5%(数量ベース、新指標)となったことが、協会けんぽを運営する全国健康保険協会の調べで分かりました。

 昨年(2015年)暮れから、毎月1ポイント程度ずつジェネリック医薬品使用割合が伸びており、このペースが続くと今夏には、政府の掲げる「後発品割合を70%とする」との目標は期限(17年央)を待たずに達成できそうです。

協会けんぽ全体では、ジェネリック医薬品の使用割合は2016年2月に数量ベースで64.5%(調剤分、新指標)となった
協会けんぽ全体では、ジェネリック医薬品の使用割合は2016年2月に数量ベースで64.5%(調剤分、新指標)となった

15年暮れから、毎月1ポイントのペースで後発品割合が上昇

 社会保障費、とりわけ医療・介護費の膨張が財政を圧迫していることから、政府は「2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」という目標を掲げています。先発品と効能・効果が同じで安価な後発品の使用を促進することで、医療費の膨張や患者負担を減らせるからです。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、「後発品(ジェネリック)の使用促進」を重要施策に位置付け、「後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果通知」などの取り組みを進めているほか、毎月、後発品の使用割合を公表しています。

 それによると、今年(2016年)2月の後発品割合は数量ベースで64.5%(新指標、調剤分)となり、過去最高を記録しています。

 昨夏(2015年7―8月)を中心に、後発品割合は僅かな下落・横ばいとなっていましたが、10月には過去最高水準に回復(61.4%)。その後、毎月0.5ポイント程度の上昇ペースを掴み、さらに昨年12月に62.6%となった後は、毎月1ポイント程度の上昇を記録しています(関連記事はこちらこちらこちら)。

 仮に「毎月1ポイントの上昇」ペースが維持されれば、今夏(2016年8月)には70.5%となり、政府の定める「後発品割合70%」の目標値を、期限(17年央)を待たずに達成できる見込みです。さらに、2016年度の診療報酬改定でも後発品使用促進策が盛り込まれており(関連記事はこちらこちらこちら)、目標達成が濃厚と考えられます。

沖縄は76.6%、徳島は53.3%と都道府県間の格差

 もっとも都道府県別に見ると、若干の心配もあります。

 沖縄県では76.6%、次いで鹿児島県72.0%、岩手県69.9%、山形県68.8%などはすでに目標達成、あるいは達成確実な状況ですが、徳島県53.3%、山梨県55.4%、高知県57.9%、大分県60.6%などでは、徐々に後発品割合が上昇しているものの、「もう一頑張り」を期待したいところです。

後発品割合を都道府県別に見ると、沖縄や鹿児島、岩手などでは高いが、徳島、山梨、高知では低い
後発品割合を都道府県別に見ると、沖縄や鹿児島、岩手などでは高いが、徳島、山梨、高知では低い

血管拡張剤や去たん剤などで後発品割合が高い

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の72.1%、去たん剤の67.9%、消化性潰瘍用剤の62.6%などで、いずれも上昇傾向にあります。また金額ベースでは、血管拡張剤の60.1%、去たん剤の50.4%、ビタミン剤の38.4%などが高くなっています。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.7%、抗ウイルス剤の5.5%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の10.9%、金額ベースでは抗ウイルス剤の0.9%、代謝拮抗剤の1.5%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の2.9%などとなっています。

主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)
主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)
主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)
主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)

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