多様化する医療・介護ニーズに応えるため、大学での質の高い看護教育推進を―日看協が文科省に要望



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 地域包括ケアシステムの構築が進められる中で、医療・介護のニーズは多様化しており、これに応えられる看護職の育成に向け「大学での質の高い看護教育」を推進してほしい―。

 日本看護協会は18日、このような要望を文部科学省の常盤豊高等教育局長に行いました。

特定行為研修を大学院での教育に活用すべき

 日看協の要望は、次の4項目です。

(1)医療・介護提供体制を取り巻く状況の変化に対応する看護職育成のための教育の推進

(2)大学における質の高い看護学教育課程の推進

(3)保健師教育課程における質の高い教育の推進

(4)安全で安心な出産環境の整備に資する助産師教育課程の推進

 病院・病棟の機能分化が進められるとともに、医療機関同士の連携が重視されるなど、地域における医療提供体制の再編が進んでいます。また地域包括ケアシステムの構築が重要課題に位置付けられる中、2016年度の診療報酬改定では、退院支援の強化が打ち出されました。具体的には、病棟に退院支援・地域連携に専従する看護職員などを専任で配置するとともに、20医療の医療機関や介護施設・事業所との継続的な連携体制の整備などが施設基準に定められています。このように看護職の業務は、非常に幅広いものに変容してきています。

 そうした中で、一定の研修(特定行為研修)を受けた看護師には、医師・歯科医師の包括的指示の下で一部の医療行為(特定行為)を行うことが認められます(関連記事はこちらこちら)。早ければ今年(2016年)秋にも、特定行為研修を修了した看護師が誕生する見込みです(関連記事はこちらこちら)。

 こうした状況を踏まえて(1)では、▽大学院における「特定行為に係る看護師の研修制度」を活用した教育の推進▽地域での暮らしや看取りまでを見据えた看護師の育成に向けた財政措置の継続・拡充―を行うよう求めています。

看護系大学での学士編入推進に向け、課題の明確化と解決策の検討をすべき

 また(2)の大学教育については、▽学士仮定における看護基礎教育の質保障となるモデル・コア・カリキュラムの策定▽看護系大学における学士編入制度の推進▽看護学部・看護学科の設置と定員拡充―が必要と訴えています。

 少子・高齢化が進行する中では、看護職員のさらなる養成・確保が必要と見込まれています(関連記事はこちら)が、日看協は「看護系大学では学士編入制度を実施しているところが少ない」「社会人の学び直しとして看護職は高いニーズがある」ことを指摘した上で、上記の訴えを行っています。特に、「学士編入制度の疎外要因を明らかにし、その解決を図る」ことが重要と述べています。

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