美容整形など、「費用の安さ」を前面に出した説明や虚偽・誇大な説明はNG―厚労省



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 美容整形などの自由診療において、「治療内容でなく費用の安さなどを前面に押し出した説明」や「内容が虚偽である説明」などは認められない―。

 厚生労働省はこのほど、「美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取り扱い等に関する質疑応答集(Q&A)」の中でこのような点を改めて明確にしました。

2013年9月にインフォームド・コンセント留意事項を示す

 美容整形などを巡るトラブルは後を絶ちません。「当初の説明と請求額が大きく異なる」「傷跡が残った」など、さまざまです。

 厚労省もこうしたトラブルを放置してはおらず、2013年9月に通知「美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取扱い等について」を発出しました。そこでは、次の4つの柱が明確にされています。

(1)診療情報の提供に当たっては、品位を損ねる(おそれがある)情報・方法を用いて説明してはならない。公の秩序もしくは善良の風俗に反する情報、虚偽もしくは誇大な情報についても同様

(2)実施しようとする施術に要する費用など(当該費用で受けられる施術の回数や範囲、保険診療での実施の可否なども含む)や解約条件について、必ず当該施術前に、当該施術を受けようとする者に対して、丁寧に説明しなければならない

(3)施術の有効性・安全性に係る説明に当たっては、施術の効果の程度には個人差がある旨についても、必ず当該施術前に、当該施術を受けようとする者に対して、直接丁寧に説明しなければならない

(4)即日施術の必要性が医学上認められない場合には、即日施術を強要することなどの行為は厳に慎まれるべき。やむを得ず即日施術を受けることを希望する者については、十分に当該即日施術の説明を行うとともに、当該即日施術を受けるかどうか熟慮するために十分な時間を設けた上で、当該即日施術を実施しなければならない

「一番お得です」「今契約すれば割安です」などの説明は不可

 さらに今般、この通知内容を解釈したQ&Aを提示しています。

 まず(1)の「品位を損ねる情報・方法」などとしては、▽治療などの内容でなく費用を前面に押し出す▽内容が虚偽である▽事実を不当に誤張する▽人を誤認させる―ような説明などが該当する点を説明。さらに次のような具体例を挙げています。

▽普段は200万円ですが、今日治療すればキャンペーン適用で60万円です

▽施術による痛みや腫れから通常の生活に戻るまでの時間(ダウンタイム)はありません

▽400万円の手術ですが、モニターになれば140万円にします

▽一番お得な内容です

▽今日、●日後のキャンセルが出たので予約できます。この場で契約すれば料金が安くなります

施術の効果とリスク、「事前」かつ「丁寧」に説明する義務

(3)の有効性・安全性については、次の2項目を「事前」かつ「丁寧」に説明することが求められます。

▽効果とリスク

・施術の効果(個人差がある旨も含めて)

・施術に伴うリスク(副作用、合併症・後遺症の有無・程度・発症確率、術中の痛みや苦痛など)

・効果とリスクのバランス

▽類似の効果が期待できる複数の施術が存在する場合には、効果・リスク・費用・期間を比較した選択肢など

 「問題視される」ものとして、次のような事例も示されています。

▽「頬のリフトアップをすれば永久的に効果が持続する。痛みもダウンタイムもない」との説明があったが、手術後、効果がなく、こめかみや頬の強い痛みが続き、食事ができない

▽「腫れない」との説明で、二重瞼の埋没手術を受けたが、目が腫れて仕事にいけない

▽脂肪吸引・豊胸の手術を受け、痕が残り通院が必要となったが、施術前に通院の必要性は説明されていなかった

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