有床診の減少、依然続く、2015年10月には7927施設・10万7210床に―医療施設動態調査(15年10月)



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 有床診療所が2015年8月末に8000施設を割り込んだ後も、減少には歯止めがかからず、10月末には7927施設となった―。こういった状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。

有床診、前月から34施設・416床の減少

 医療施設動態調査は、全国の病院・診療所の増減を毎月調べるものです。

 15年10月末の医療施設総数は、全国で17万8356施設。前月に比べて144施設増加しました。主な原因は「無床の一般診療所の増加」で、無床診は前月に比べて157施設も増加しています。有床診の無床化、病院勤務医の開業などが続いている状況です。

 病院は8482施設で、前月から2施設増加しました。種類別に見ると、一般病院は7419施設で3施設増加、精神科病院は1063施設で前月から1施設減少しました(都合、2施設の増加)。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3846施設(前月から2施設増加)、地域医療支援病院は499施設(前月から増減なし)となっています。

 一方、有床診療所に目を移すと7927施設で、前月から34施設減少しました。8月末に、ついに8000施設を割り込み、その後も減少に歯止めはかかっていません。

有床診療所の減少に歯止めがかかっていない、一方で病院の療養病床数は前月に比べて増加している
有床診療所の減少に歯止めがかかっていない、一方で病院の療養病床数は前月に比べて増加している

 既にお伝えしましたが、2014年度の前回診療報酬改定では、有床診療所入院基本料の引き上げや、医師配置加算の要件緩和、介護補助配置加算の新設、栄養管理実施加算の復活などを行いましたが、その効果は現れていないと言わざるを得ないようです。

 2016年度の次期診療報酬改定に向けて、有床診のどのような機能を経済的に評価することが適切か、厚労省や中央社会保険医療協議会で検討されていますが、具体策は明らかになっておらず(年明けの中医協総会を待つ必要があります)、まだまだ先行きは不透明です(関連記事はこちら)。

病院の療養病床数は前月に比べて453床増加

 病床数に目を移すと、2015年10月末の全数は167万3483床で、前月から186床減少しました。

 このうち病院の病床数は156万6199床で、前月に比べて231床も増加しています。このうち一般病床については前月から84床減少して89万3886床に、療養病床は453床増加して32万8859床となっています。病院病床数の増加は、療養病床の増加に起因しています。

 ところで、「医療機能の分化・強化」の一環に位置付けられている地域医療構想では、療養病床の入院患者のうち、相当数(医療区分1の70%相当)を在宅へ移行するという前提に立って策定することになっています。この点を考慮すると、将来的には療養病床数も減少方向に圧力がかかると考えられます。

 さらに医療費の適正化や、患者のQOL向上、さらには医療安全確保に向けて、平均在院日数の短縮が進められおり、中長期的な傾向として「病床数の減少傾向」が続くため、病床数の一時的な増加は「大きな減少傾向の中のブレの範疇に過ぎない」との見方もあります。

 また有床診療所の病床数は前月から416床減少し、10万7210床となっています。このペース(1か月に300-400床減少)で進めば、2017年初め頃には10万床を切ることになります。

病院の病床数は、大きく見ると減少傾向にあるが、ここ2か月は増加している
病院の病床数は、大きく見ると減少傾向にあるが、ここ2か月は増加している
療養病床数も緩やかな減少傾向にあったが、ここ2か月は増加している
療養病床数も緩やかな減少傾向にあったが、ここ2か月は増加している

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