抗不安薬などの多剤投与で処方せん料など減額、対象薬剤を追加―厚労省



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 2014年度の前回診療報酬改定では、抗不安薬などを多剤処方した場合、処方料や処方せん料、薬剤料、精神科継続外来支援・指導料を減算する規定が設けられました。厚生労働省は17日、減算対象となる薬剤として睡眠薬の「フェノバルビタールナトリウム」、抗精神病薬の「ペルフェナジンマレイン酸塩」「レボメプロマジンマレイン酸塩」を追加する事務連絡を行いました。

【お詫び】
この事務連絡は、厚生労働省が昨年10月17日付で行ったものでした。お詫び致します。

3種類以上の抗不安薬投与などで、処方せん料など減額

 14年度改定で抗不安薬などの多剤投与にペナルティーを課したのは、精神科医療などの現場で「抗不安薬・睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬の適切な投薬を推進するため」と厚労省は説明しています。具体的には、臨時の投薬などを除き、「3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬または4種類以上の抗精神病薬の投薬を行った場合」に、次のような減算が行われます。

●処方料:通常42点 → 20点 (22点の減点)

●処方せん料:通常68点 → 30点 (38点の減点)

●薬剤料:所定点数の80%に減額 (20%の減点)

●精神科継続外来支援・指導料:所定点数の80%に減額 (20%の減点)

 厚労省は、ペナルティーの対象となる▽抗不安薬▽睡眠薬▽抗うつ薬▽抗精神病薬―のリストを14年3月5日の医療課長通知「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の中で明らかにしており、今般、次のように対象薬の一部追加を行ったものです。精神科以外でも、上記に該当する場合には処方料や処方せん料が減額となるので、ご留意ください。

▽睡眠薬のリストに「フェノバルビタールナトリウム」を追加する

▽抗精神病薬のリストに「ペルフェナジンマレイン酸塩」と「レボメプロマジンマレイン酸」を追加する

抗不安薬などを多剤投与をした際に処方料などが減算されるが、ペナルティの対象となる薬剤が追加された(赤字部分)
抗不安薬などを多剤投与をした際に処方料などが減算されるが、ペナルティの対象となる薬剤が追加された(赤字部分)

経口摂取回復促進加算、届出書類を一部訂正

 また、厚労省は同日の事務連絡の中で、「経口摂取回復促進加算」「胃瘻増設術」「胃瘻増設時嚥下機能評価加算」の施設基準を届け出る際の添付書類を一部訂正しています。

 経口摂取回復促進加算は、「H004 摂食機能療法」の加算で、鼻腔栄養を実施している患者、あるいは胃瘻を増設している患者に対して摂食機能療法を実施した場合に、6か月を限度として185点の加算が認められるものです。

 この加算を算定するためには、(1)専従の言語聴覚士を1名以上配置する(2)摂食機能療法を行うための十分な体制を敷いている(3)摂食機能のかかる療養についての相当の実績がある―ことが必要で、その旨を地方厚生局などに届け出なければいけません。

 このうち(3)の実績要件の1つに「経口摂取回復率が35%以上」がありますが、この計算方法が訂正されました。新たにこれら加算の施設基準を届け出る場合には、添付書類の様式が下記のように変更されているのでご留意ください。

経口摂取回復促進加算を届け出る際の、実績要件(経口摂取回復率)の計算式が訂正された
経口摂取回復促進加算を届け出る際の、実績要件(経口摂取回復率)の計算式が訂正された

 ちなみに、GHCが405病院82万3929症例(15年4月-6月退院データ)を分析したところ、摂食機能療法の算定は1万7472症例ありましたが、経口摂取回復促進加算の算定はわずか2症例にとどまっています。この加算の施設基準は非常に厳しく、次期改定でどのような動きがるのか注目する必要があるでしょう。

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