画期的な抗悪性腫瘍剤のニボルマブ、重症筋無力症や大腸炎の副作用―厚労省、PMDA



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 厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)は15日に、根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬の「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(商品名:オプジーボ点滴静注20ミリグラム、同100ミリグラム)について▽重症筋無力症、筋炎▽大腸炎、重度の下痢―などの重大な副作用があることが分かったとして、使用上の注意の改訂を要請しました。

因果関係を否定できない死亡症例も発生

 「ニボルマブ(遺伝子組換え)」は、免疫を制御してがんを治療する癌を治す新しいメカニズムの医薬品です。わが国では現在「根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)」治療について効能・効果が認められていますが、米国では幅広いがんに対し有効性を示唆する研究結果が出ており、有効ながん治療の選択肢として期待されています。

 2014年9月に保険適用され、オプジーボ点滴静注20ミリグラムについては15万200円、同100ミリグラムについては72万9849円の薬価が設定されました。1回の治療で120万円程度(体重1キログラム当たり2ミリグラムを投与)、年間1500万円程度の医療費がかかることになります。

 このニボルマブについて、今般、▽本剤との因果関係を否定できない重症筋無力症、筋炎が6症例(うち死亡1例)▽本剤との因果関係を否定できない大腸炎、重度の下痢が4症例(うち死亡1例、ただし因果関係が否定できない症例はゼロ)―といった副作用症例が集積されました。

 また、「過度の免疫反応」に起因する副作用も発生しており、さらに「本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因する様々な疾患や病態が発現する」と想定されるほか、CCDS(Company Core Data Sheet)や海外添付文書にも「過度の免疫反応に起因する副作用」の記載があります。

 こうした点に鑑み、厚労省とPMDAはメーカーに対して、次のように使用上の注意を改訂するよう要請したものです。

(1)「重要な基本的注意」の項に、「本剤投与後の過度の免疫反応に起因する副作用の発現に注意する」旨の記載を追記する

(2)「重大な副作用」の項に「重症筋無力症、筋炎」を追記する

(3)「重大な副作用」の項に「大腸炎、重度の下痢」を追記する

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