13年度の特定健診実施率は47.6%、特定保健指導実施率は17.7%で目標に遠く及ばず―厚労省



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 40歳以上の人を対象とした特定健診(いわゆるメタボ健診)の実施率は、2013年度に47.6%となり、前年度に比べて1.4ポイント上昇したものの、国の掲げる目標値である70%(12年度目標値)には届いていない―。このような状況が、厚生労働省が21日に発表した「特定健康診査・特定保健指導の実施状況」から明らかになりました。

特定健診は、男性の40-50歳代で実施率高い

 特定健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診で、▽服薬歴、喫煙歴の有無▽身長・体重・BMI(Body Mass Index)・腹囲▽血圧▽尿(尿糖・尿タンパク)▽血液(脂質・血糖・肝機能)―などを調べます。

 日本国民の生活習慣が変化する中で、糖尿病などの生活習慣病の有病者・予備群が増加していることを重くみて、08年4月から40歳以上74歳以下の人を対象に実施されています。

 13年度の実施状況をみると、対象者約5327万人に対して、受診者は約2537万人で、実施率は47.6%でした。前年度に比べて1.4ポイント、実施初年度(08年度)に比べて8.7ポイント増加していますが、国の掲げる目標値である70%にははるかに及びません。

2013年度(平成25年度)の特定健診実施率は47.6%で、前年に比べて1.4ポイント上昇した
2013年度(平成25年度)の特定健診実施率は47.6%で、前年に比べて1.4ポイント上昇した

 また実施率を性・年齢階級別に見ると、男性の40歳代・50歳代で高く、女性の60歳代以降で低くなっています。次に見るように、実施主体が保険者であることも実施率の工程に影響していると考えられます。

2013年度(平成25年度)の特定健診実施率を性・年齢階級別に見ると、40歳代、50歳代の男性で実施率が高く、女性で低い傾向にある
2013年度(平成25年度)の特定健診実施率を性・年齢階級別に見ると、40歳代、50歳代の男性で実施率が高く、女性で低い傾向にある

 特定健診の実施主体は健保組合や協会けんぽ、市町村国保などの医療保険者です。保険者別の実施率を見ると、もっとも高いのは公務員などの加入する共済組合で73.7%(前年度比1.0ポイント増)、次いで主に大企業の会社員が加入する健保組合(単一)の74.1%(同1.5ポイント増)となりました。逆に、市町村国保では実施率が低く34.2%(同0.5ポイント増)にとどまっています。

2013年度(平成25年度)の保険者別の特定健診実施率を見ると、共済組合や健保組合で高い
2013年度(平成25年度)の保険者別の特定健診実施率を見ると、共済組合や健保組合で高い

 このように特定健診実施率に保険者間で格差があることが大きな課題となっており、「実施率の高い保険者では後期高齢者支援金を減額(インセンティブ)し、逆に実施率の低い保険者では支援金を増額(ペナルティ)する」措置がとられます(15年度の支援金精算分から実施)。

 また、特定健診のもう一つの課題として「被扶養者の実施率が低い」という点があります。例えば企業で働くサラリーマンであれば、職場で受ける毎年受ける健診の中に特定健診が組み込まれますが、被扶養者の多くは自分で別途健診を受けなければいけません。このため保険者が被扶養者の特定健診について管理することが難しく、共済組合であっても被扶養者の特定健診実施率は38.9%にとどまっており、主に中小企業の会社員が加入する協会けんぽ(全国健康保険協会が運営)では、被扶養者の実施率はわずか17.6%にとどまっています。

一般に被扶養者では特定健診の実施率が低く、共済組合でも40%に届いていない
一般に被扶養者では特定健診の実施率が低く、共済組合でも40%に届いていない

特定保健指導は男女ともに65歳以上で実施率高い

 特定健診の結果、生活習慣の改善が必要であると判断された場合には、特定保健指導が行われます。これは、メタボリスクにより次の2つに分けられます。

(1)動機付け支援:腹囲が男性は85センチメートル以上、女性は90センチメートル以上で、▽空腹時血糖値100ミリグラム/デシリットル▽中性脂肪150ミリグラム/デシリットル▽最高血圧130ミリメートルエイチジーまたは最低血圧85ミリメートルエイチジー以上―のうちいずれか1つに該当する人などが対象

(2)積極的支援:腹囲が男性は85センチメートル以上、女性は90センチメートル以上で、▽空腹時血糖値100ミリグラム/デシリットル▽中性脂肪150ミリグラム/デシリットル▽最高血圧130ミリメートルエイチジーまたは最低血圧85ミリメートルエイチジー以上―のうちいずれか2つに該当する人などが対象

特定保健指導の対象者選別基準
特定保健指導の対象者選別基準

 (1)の動機付け支援は、医師や保健師などの指導のもとに行動計画を作成し、生活習慣改善に取り組めるように、専門家が原則1回の動機付けを行うものです。また、(2)の積極的支援は、3か月以上複数回にわたる継続的な支援を行うものです。

 13年度に特定健診を受けた人のうち、特定保健指導の対象になった人は16.9%で、このうち特定保健指導が終了した人は17.7%でした。特定保健指導の実施率は前年度に比べて1.3ポイント上昇していますが、国の掲げた目標値である45%(12年度目標値)には届いていません。

2013年度(平成25年度)の特定保健指導実施率は17.7%で、前年度に比べて1.3ポイント上昇した
2013年度(平成25年度)の特定保健指導実施率は17.7%で、前年度に比べて1.3ポイント上昇した

 実施率を性・年齢階級別にみると、男女ともに65歳以上で高く、40歳代前半で低いことが分かります。また、特定健診のように男女間での大きな差はありません。

2013年度(平成25年度)の特定保健指導実施率を性・年齢階級別にみると、男女とも65歳以上で高い傾向にある
2013年度(平成25年度)の特定保健指導実施率を性・年齢階級別にみると、男女とも65歳以上で高い傾向にある

 さらに実施率を保険者別にみると、もっとも高いのは、特定健診対象者数が5000人未満の小規模な市町村国保で36.0%、次いで、特定健診対象者が5000人以上10万人未満の中規模な市町村国保23.2%、単一の健保組合22.1%となっています。

非服薬者のメタボ減少率は12.6%、特定保健指導の効果か

 最後に特定健診・特定保健指導の目的である「メタボ該当者・予備軍の減少率」を見てみると、13年度は08年度に比べて3.47%とわずかに減少していることが分かりました。

 これを、生活習慣病治療薬を服用しているか否かに分けて見てみると、服薬者ではメタボ割合が1.71%とわずかに増加し、逆に服薬していない者では12.6%減少しています。特定保健指導の対象者は「服薬していない者」に限定されるので、12.6%の減少率は、特定保健指導に一定の効果があることを示していると厚労省は説明しています。

メタボリックシンドロームの判定基準
メタボリックシンドロームの判定基準

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