地域ごとに医療・介護の整備目標―医療・介護の総合確保方針、9月上旬取りまとめへ



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 「医療介護総合確保促進会議」の2回目の会合が29日開かれ、厚生労働省は、医療と介護を一体的に推進するための指針となる「医療介護総合確保方針」の素案を提示しました。質の高い医療・介護人材の確保などの基本的な方向性や、医療・介護の整備を促すために創設する基金制度の概要などが柱です。新たな基金の創設は、診療報酬や介護報酬では対応しにくい人材育成や医療・介護機能の整備事業を後押しするのが狙いで、厚労省は、都道府県や市町村に地域ごとの整備目標の設定を求めます。同省は9月上旬にも正式な方針を取りまとめたい考えです。

 医療と介護を整備するため、各都道府県と市町村は医療計画や介護保険事業支援計画とは別に、新たな事業計画をそれぞれ作ります。総合確保方針の策定は、これらの計画の中身に整合性を担保するのが狙いです。

 厚労省の素案によると、医療・介護の整備は都道府県と市町村がそれぞれ設定する「総合確保区域」ごとに進めます。都道府県は16年度までに、「高度急性期」や「回復期」といった医療機能の地域ごとの必要量を「地域医療構想」(地域医療ビジョン)に盛り込むことになっていて、医療機関・介護施設の整備事業を新たな基金で後押しします。16年度にかけて地域医療構想がまとまるまでは、地域内で「明らかに不足している」病床機能への転換に、集中的に基金を活用する方向性も示しました。

 医療や介護の確保を担保するため、都道府県と市町村の事業計画には区域ごとの「定量的な目標」を設定するほか基金を活用する事業の進行状況などを記載し、目標が未達なら改善策も書き込みます。素案ではまた、これらの事業計画の期間を「原則として1年」としました。

基金の使途、透明性担保を

 新たな基金の創設は、病床の機能分化や在宅医療・介護サービスの充実を促すための財政支援という位置付けです。6月に成立した医療介護総合確保推進法に基金の創設が盛り込まれ、14年度分には604億円規模の予算を確保しています。初年度の対象は医療に限定し、15年度以降は介護関連の事業などにも拡大していくという流れです。

 29日の会合では、厚労省の素案への反対意見は出ませんでした。ただ、「医療や介護と付けば、なんでもかんでも認められかねない」(白川修二・健康保険組合連合会専務理事)といった意見もあり、基金の使い道の透明性をどう担保するかが焦点になりそうです。

 次の会合は9月8日を予定していて、早ければここで方針の中身が固まる見通しです。

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