抗菌薬「タゾピペ」の供給困難に、早ければ今年(2019年)9月に在庫が尽きる製品も



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 抗菌薬である「タゾピペ配合静注用」について、原薬・中間体を製造するQiluTianhe社(中国)で事故が発生したため、今秋から供給に支障が生じかねない。早ければ今年(2019年)9月には在庫が尽きてしまう製品もあり、同種同効品への切り替えなども検討してほしい―。

「タゾピペ配合静注用」を製造販売する製薬メーカー(第一三共エスファ社、ニプロ社、マイラン製薬社・ファイザー社)から日本感染症学会等にこういった連絡が7月末になされました(日本感染症学会のサイトはこちら(第一三共エスファ社からの連絡)こちら(ニプロ社からの連絡)こちら(マイラン製薬社・ファイザー社からの連絡))。

 
 「タゾピペ配合静注用」(一般名:タゾバクタム, ピペラシリン水和物)は、次の感染症治療に広く用いられる抗菌剤(後発品)です。

▽一般感染症(本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属(クロストリジウム・ディフィシルを除く)、バクテロイデス属、プレボテラ属による▼敗血症▼深在性皮膚感染症▼びらん・潰瘍の二次感染▼肺炎▼腎盂腎炎▼複雑性膀胱炎▼腹膜炎▼腹腔内膿瘍▼胆嚢炎▼胆管炎―)

▽発熱性好中球減少症

 
 このうち、次の製品について、原薬・中間体を製造する中国の会社で事故が生じ、原薬等の供給に支障が出たことから今年(2019年)6月頃から出荷調整が行われていました。この点、中国当局より原薬等の製造再開等に関する情報がいまだないことから、製薬メーカーでは「現状を考慮すると、今秋(2019年9月-11月頃)から、順次供給に支障が出る(端的に言えば「在庫がなくなり、欠品となる」)」ことを医療現場に連絡。

併せて、「在庫が尽きるまでは既存医療機関へ出荷するが、処方ベースの入用買い(都度、購入すること)、あるいは同種同効薬への切り替え検討してほしい」と要望しています。

【今秋から供給に支障が出ると見込まれる製品】

●第一三共エスファ社製品
▽タゾピペ配合静注用2.25「DSEP」(今年(2019年)12月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合静注用4.5「DSEP」(今年(2019年)10月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ2.25「DSEP」(来年(2020年3月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ4.5「DSEP」(今年(2019年)10月末に在庫が尽きる見込み)

●ニプロ社製品
▽タゾピペ配合静注用2.25「ニプロ」(今年(2019年)10月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合静注用4.5「ニプロ」(今年(2019年)10月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ2.25「ニプロ」(来年(2020年)5月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ4.5「ニプロ」(今年(2019年)11月末に在庫が尽きる見込み)

●マイラン製薬社・ファイザー社製品
▽タゾピペ配合静注用2.25「ファイザー」(今年(2019年)11月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合静注用4.5「ファイザー」(今年(2019年)9月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ2.25「ファイザー」(来年(2020年)3月末に在庫が尽きる見込み)
▽タゾピペ配合点滴静注用バッグ4.5「ファイザー」(今年(2019年)11月末に在庫が尽きる見込み)
タゾピペの供給について 190731の図表

 
 医療現場で広く使用されている抗菌剤であり、同種同効品への切り替えなどをできるだけ速やかに検討し、その情報を院内に広く共有することが重要です。

   
 

 

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