ガーゼカウント合致にも関わらず、手術時にガーゼが患者体内に残存する医療事故が頻発―医療機能評価機構



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 手術時にガーゼが患者の体内に残存する医療事故が頻発しています。2016年1月から今年(2019年)3月末までに実に57件も「ガーゼ残存事故」が報告されており、うち48件では、驚いたことに「目視ではガーゼのカウントは合っていた」事例です。

 日本医療機能評価機構は7月16日に「医療安全情報 No.152」を公表して、こうした事態を明らかするとともに、▼ガーゼを数える際は「1枚ずつ広げて」確認する▼手術中はカウント対象外のガーゼを使用しない▼手術終了後、ガーゼカウントを再度行う―ことなどの徹底を求めています(機構のサイトはこちら)。

ガーゼカウントが合っていないにもかかわらず手術を終了した杜撰な事故も発生

 日本医療機能評価機構は、全国の医療機関(国立病院や特定機能病院等では義務)から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故に至る前に防いだもののヒヤリとした、ハッとした事例)の報告を受け付け、その内容や背景を詳しく分析したうえで、事故等の再発防止に向けた提言等を行っています(医療事故情報収集等事業、医療事故情報収集等事業、関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

さらに事故事例などの中から、とくに留意すべき事例を毎月ピックアップし、内容を簡潔に整理して「医療安全情報」として公表。医療現場に特段の注意喚起を促しています(最近の情報はこちらこちらこちら)。7月16日に公表された「No.152」では「手術時のガーゼの残存」((1)ガーゼカウント)がテーマとなりました。

 上述のように、「ガーゼ残存」事故は2016年1月から今年(2019年)3月までに57件も発生しており、うち48件は「ガーゼカウントが合っていた」ものです。
医療安全情報152 190716の図表
 
 まず「ガーゼカウントが合っていなかった」9事例について機構が分析したところ、▼医師が「ガーゼが術野以外にある」と思い、術野を探さなかった▼医師が「術野が狭いためガーゼが残存しない」と考えた▼術野や手術室内を探したが見つからなかった―という背景があることが分かりました。これらは「あまりに杜撰」と言わざるを得ず、まず「ガーゼカウントの合致」という基本的事項の徹底を図ることが喫緊の課題です。

 
 一方、事故の84%にあたる48件では「ガーゼカウントが合っていた」ものです。

 ある病院では、帝王切開術において、▼子宮閉創前▼閉腹前―にガーゼカウントを行いました。その際、看護師は「丸まったガーゼ」を目視で数え、合っていることを確認したといいます。しかし、手術終了時に撮影したX線画像で、医師は腹腔内にガーゼが残存していることに気付き、再開腹してガーゼを取り出すことになりました。カウント済のガーゼの数を再度確認したところ「1枚少ない」ことが判明しています。ガーゼを1枚1枚広げてカウントすれば防げた事例です。

 
 また別の病院では、開腹での右半結腸切除術の際、手術器具をまとめるために使用していた「X線造影材なしのガーゼ」(カウント対象外)を術野外に破棄してしまい、「X線造影材ありのガーゼ」(カウント対象)と一緒にカウントしてしまいました。たまたまガーゼカウントが合ったため、閉腹して手術を終了しましたが、後に「腹腔内にガーゼが残存している」ことに気付いたといいます。器具等の管理体制の見直しが必要な事例と言えます。

 このほか「ガーゼカウントが合っていた」事例の背景を探ると、▼ガーゼをカウントする機械の使用時に「ガーゼ以外の血餅など」をカウントしてしまっていた▼ガーゼを半分に切って使用していた▼カウント後、閉創している途中でガーゼが混入してしまった―などの点が明らかになっています。

 
 機構では、例えば▼ガーゼを数える際は1枚ずつ広げて確認する▼手術中はカウント対象外のガーゼを使用しない▼手術終了後、ガーゼカウントを再度行う―ことの徹底などを強く求めています。

 
 

 

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