骨太方針2019を閣議決定、給付と負担の見直し論議を先送りするなど「形骸化」著しい



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 安倍晋三内閣は6月21日、▼経済財政運営と改革の基本方針2019(いわゆる骨太方針2019)▼成長戦略実行計画▼規制改革実行計画―など4計画を閣議決定しました(内閣府のサイトはこちら(骨太方針2019))。

 社会保障改革に関しては、医療提供体制の効率化などには言及するものの、制度の持続可能性に向けた「給付と負担の見直し」について「骨太方針2020において政策を取りまとめる」と議論を先送り。著しい「形骸化」が浮き彫りとなっています。

がんの克服に向け、全ゲノム解析を進めよ

 ここでは骨太方針2019について、社会保障に関する改革提言を眺めてみましょう。大きく、▼予防・重症化予防・健康づくりの推進▼医療・介護制度改革▼―に言及しています。

 まず前者の「予防・重症化予防・健康づくりの推進」に関しては、▼健康寿命延伸プランを推進し、2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し75歳以上とする▼特定健診・特定保健指導について、医療保険者と地域医師会等とが連携するモデルを全国展開しつつ、2023年度までに特定健診の実施率70%、特定保健指導の実施率45%を実現する▼がんの克服を目指した「全ゲノム解析」等を活用した研究を推進するために、2019年中に数値目標(英国では10万人の全ゲノム検査を実施し、さらに今後100万人の検査を目指している)や人材育成・体制整備を含めた具体的な実行計画を策定する▼「認知症施策推進大綱」に基づく取り組みを進める▼アレルギー疾患の重症化予防と症状の軽減に向けた対策を推進する―ことなどを明確にしています。

 がんゲノム医療については、複数の遺伝子変異を一括して検出できる検査手法「がん遺伝子パネル検査」が既に保険収載されていますが(関連記事はこちら)、さらにすべての遺伝子を検査する「全ゲノム解析」を進める方針が示されており、期待が集まります(関連記事はこちら)。

 
 後者の「医療・介護制度改革」に関しては、(1)医療・福祉サービス改革プランの推進(2)医療提供体制の効率化(3)保険者機能の強化(4)診療報酬・医薬品等に係る改革―の4点に言及しています。なお、「給付と負担の見直し」については、冒頭に述べたとおり、議論を「先送り」しています。

 まず(1)は、▼生産性の向上(2040年に、医師では7%向上)▼データヘルス▼電子カルテ標準化などを盛り込んだ「医療・福祉サービス改革プラン」を推進するよう要請(関連記事はこちら)。

また(2)の医療提供体制については、▼地域医療構想の実現▼医師偏在対策▼医療従事者の働き方改革―を三位一体で推進することを求め、特に地域医療構想に関しては、その実現に向けて「全ての公立・公的医療機関等の機能が民間医療機関では担えない機能に重点化され、2025年において達成すべき医療機能の再編、病床数等の適正化に沿ったものとなるよう、『重点対象区域』の設定を通じて国による助言や集中的な支援を行う」ことや、「民間医療機関についても、2025年における地域医療構想の実現に沿ったものとなるよう対応方針の策定を改めて求める」ことを明確にしています。さらに、こうした改革が進まない場合には、「2020年度に実効性のある新たな都道府県知事の権限の在り方について検討し、できる限り早期に所要の措置を講ずる」ことにも言及しています。

さらに(4)の診療報酬等では、主に薬価制度・調剤報酬に言及。例えば、▼「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に関する2018年度の薬価制度改革で「引き続き検討する」とされた課題の結論を得て、着実に改革を推進する▼2018年度の調剤報酬改定の影響や、かかりつけ薬剤師・薬局機能の適切な評価▼薬局における対物業務から対人業務への構造的な転換の推進と適正化―▼高齢者への多剤投与対策、生活習慣病治療薬の費用面も含めた適正な処方の在り方の検討▼後発医薬品の使用促進―などに取り組むよう求めていますが、診療報酬本体への明確な言及はなされていません。

 
 
これらの改革が重要なことは述べるまでもありませんが、「2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者となり、医療・介護ニーズが今後、急速に増大する」「その後、2040年にかけて社会保障の主な支え手となる現役世代が急速に減少していく」ことを踏まえれば、「給付と負担の見直し」(例えば、後期高齢者医療制度における自己負担の在り方、医療・介護における保険給付範囲の在り方など)に関する議論もこれに劣らず重要です。

参院選を目前に控えたための「議論の先送り」と言えますが、これでは「骨太方針、経済財政諮問会議が形骸化し、その役割を終えた」と批判されてもやむを得ないでしょう。

 

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2018年度からの在宅医療、「療養病床の医療区分1患者」の7割など見込んで整備—医療計画見直し検討会(1)

医師・看護師確保策や在宅医療・訪問看護の整備目標など、医療計画に具体的に記載を—厚労省
2018年度からの医療計画、5疾病・5事業などの政策循環を強化し、介護保険計画との整合性確保を—厚労省

医療連携の推進、介護施策との整合性確保などを柱とする第7次医療計画の方向性固まる―医療計画見直し検討会
第7次医療計画の作成指針の議論が大詰め、厚労省が叩き台示す―医療計画見直し検討会
5疾病・5事業、2018年度からの第7次医療計画で「指標」も含めて見直し―厚労省・医療計画検討会(2)
医療資源投入量の少ない患者、基準病床数の「平均在院日数短縮」で勘案―厚労省・医療計画検討会(1)
都道府県の脳卒中・急性心筋梗塞対策、予防や回復期・慢性期のリハビリなども重視―厚労省・医療計画検討会
救急搬送患者の受け入れ実績が芳しくない3次・2次救急には何らかの対応も―厚労省・医療計画検討会
2018年度からの医療計画、CT・MRIの配置状況や安全確保状況なども考慮―厚労省・医療計画検討会(2)
次期医療計画での基準病床数の算定式、平均在院日数の動向は地域別に考えるべきか―厚労省・医療計画検討会(1)
5疾病・5事業は第7次医療計画でも維持、肺炎は脳卒中対策などの中で勘案―厚労省・医療計画検討会(2)
2次医療圏、5疾病・5事業それぞれの特性も踏まえた設定を―厚労省・医療計画検討会(1)
疾病ごと・事業ごとの医療圏設定推進など、2018年度からの第7次医療計画に向けて検討―厚労省・医療計画検討会

 
病床機能報告の病床数と地域医療構想の必要病床数、「一致する性質のものでない」ことを確認―地域医療構想GL検討会
「救命救急やICUは高度急性期」など、特定入院料と病棟機能との関係を一部整理―地域医療構想GL検討会

高度急性期や急性期の患者数推計の計算式示される、リハの扱いに注意を―地域医療構想策定の関係省令
地域医療構想策定ガイドライン固まる、回復期は175点以上に設定
高度急性期は3000点、急性期は600点、回復期は225点以上と厚労省が提案-地域医療構想GL検討会(速報)

高度急性期15.5%、急性期47.1%、回復期8.8%、慢性期28.6%―病床機能報告の14年度末まとめ
特定機能病院は95.6%の病床を高度急性期と報告―病床機能報告の速報値(第3報)
病床機能報告、14年度結果を踏まえ今年度分から見直し―地域医療構想GL検討会

地域医療構想策定後はもちろん、策定前から地域医療の課題抽出をすべき―地域医療構想策定GL検討会
「病棟の機能」の再議論望む声相次ぐ―地域医療構想GL検討会
ICUやHCUが慢性期機能と報告した場合など、厚労省から「修正」依頼も―地域医療構想策定GL検討会
病院・病床の機能分化はペースも重要、短期間での達成は好ましくない―厚労省・佐々木室長

地域医療構想策定に向け、「地域で欠けている医療機能」や「医療提供体制の評価」が必要―厚労省・神田医政局長

新公立病院改革プラン、92.7%で策定完了だが、一部病院では2018年度にずれ込む―総務省
地域医療構想踏まえ、9月または12月までに「公的病院改革プラン」を策定せよ—厚労省

2018年度改定、医療費の伸び、国民負担など考慮せよ—骨太方針2017を閣議決定、ここでもプラス改定を牽制

骨太方針2018を閣議決定、公的・公立病院の再編統合、病床のダウンサイジング進めよ

 
医師偏在対策まとまる、2019年度に各都道府県で「医師確保計画」定め、2020年度から稼働―医師需給分科会(2)
産科医が最少の医療圏は北海道の北空知(深川市等)と留萌、小児科では埼玉県の児玉(本庄市等)―医師需給分科会(1)
2036年の医療ニーズ充足には、毎年、内科2946名、外科1217名等の医師養成が必要―医師需給分科会(3)
2036年には、各都道府県・2次医療圏でどの程度の医師不足となるのか、厚労省が試算―医師需給分科会(2)
最も医師少数の2次医療圏は「北秋田」、最多数は「東京都区中央部」で格差は10.9倍―医師需給分科会(1)

「将来においても医師少数の都道府県」、臨時定員も活用した地域枠等の設置要請が可能―医師需給分科会(3)
医師数順位が下位3分の1の地域を「医師少数区域」とし、集中的に医師派遣等進める―医師需給分科会(2)
「医師少数区域等での勤務」認定制度、若手医師は連続6か月以上、ベテランは断続勤務も可―医師需給分科会(1)
外来医師が多い地域で新規開業するクリニック、「在宅医療」「初期救急」提供など求める―医師需給分科会
将来、地域医療支援病院の院長となるには「医師少数地域等での6-12か月の勤務」経験が必要に―医師需給分科会
入試要項に明記してあれば、地域枠における地元の「僻地出身者優遇」などは望ましい―医師需給分科会(2)
医師多数の3次・2次医療圏では、「他地域からの医師確保」計画を立ててはならない―医師需給分科会(1)
「必要な医師数確保」の目標値達成に向け、地域ごとに3年サイクルでPDCAを回す―医師需給分科会(2)
2036年に医師偏在が是正されるよう、地域枠・地元枠など設定し医師確保を進める―医師需給分科会
新たな指標用いて「真に医師が少ない」地域を把握し、医師派遣等を推進―医師需給分科会

 
医師働き方の改革内容まとまる、ただちに全医療機関で労務管理・労働時間短縮進めよ―医師働き方改革検討会
医師の時間外労働上限、医療現場が「遵守できる」と感じる基準でなければ実効性なし―医師働き方改革検討会
研修医等の労働上限特例(C水準)、根拠に基づき見直すが、A水準(960時間)目指すわけではない―医師働き方改革検討会(2)
「特定医師の長時間労働が常態化」している過疎地の救急病院など、優先的に医師派遣―医師働き方改革検討会(1)

研修医や専攻医、高度技能の取得希望医師、最長1860時間までの時間外労働を認めてはどうか―医師働き方改革検討会(2)
救急病院などの時間外労働上限、厚労省が「年間1860時間以内」の新提案―医師働き方改革検討会(1)
勤務員の健康確保に向け、勤務間インターバルや代償休息、産業医等による面接指導など実施―医師働き方改革検討会(2)
全医療機関で36協定・労働時間短縮を、例外的に救急病院等で別途の上限設定可能―医師働き方改革検討会(1)
勤務医の時間外労働上限「2000時間」案、基礎データを精査し「より短時間の再提案」可能性も―医師働き方改革検討会
地域医療構想・医師偏在対策・医師働き方改革は相互に「連環」している―厚労省・吉田医政局長
勤務医の年間時間外労働上限、一般病院では960時間、救急病院等では2000時間としてはどうか―医師働き方改革検討会
医師働き方改革論議が骨子案に向けて白熱、近く時間外労働上限の具体案も提示―医師働き方改革検討会
勤務医の働き方、連続28時間以内、インターバル9時間以上は現実的か―医師働き方改革検討会
勤務医の時間外労働の上限、健康確保策を講じた上で「一般則の特例」を設けてはどうか―医師働き方改革検討会
勤務医の時間外行為、「研鑽か、労働か」切り分け、外形的に判断できるようにしてはどうか―医師働き方改革検討会
医師の健康確保、「労働時間」よりも「6時間以上の睡眠時間」が重要―医師働き方改革検討会
「医師の自己研鑽が労働に該当するか」の基準案をどう作成し、運用するかが重要課題―医師働き方改革検討会(2)
医師は応召義務を厳しく捉え過ぎている、場面に応じた応召義務の在り方を整理―医師働き方改革検討会(1)
「時間外労働の上限」の超過は、応召義務を免れる「正当な理由」になるのか―医師働き方改革検討会(2)
勤務医の宿日直・自己研鑽の在り方、タスクシフトなども併せて検討を―医師働き方改革検討会(1)
民間生保の診断書様式、統一化・簡素化に向けて厚労省と金融庁が協議―医師働き方改革検討会(2)
医師の労働時間上限、過労死ライン等参考に「一般労働者と異なる特別条項」等設けよ―医師働き方改革検討会(1)

 
地域医療構想・医師偏在対策・医師働き方改革は相互に「連環」している―厚労省・吉田医政局長

 
高度急性期は13万、急性期は40万、回復期は37.5万床―社会保障制度改革推進本部

 
医療・福祉の生産性向上に向け、特定行為研修修了看護師の増員、民間病院の再編・統合など進める―厚労省

 
2019年度から、がんゲノム医療や科学的根拠に基づく免疫療法の研究も重点的に進めよ―がん研究あり方有識者会議

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