2019年度機能評価係数IIの内訳を公表、自院の係数と他院の状況(分布)との比較が重要―厚労省



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6月19日に開催された診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(以下、入院医療分科会)では、2019年度のDPC機能評価係数IIの内訳も報告されました(厚労省のサイトはこちら(機能評価係数IIの内訳、PDF)こちら(入院医療分科会の資料一覧、下方の参考資料からExcellファイルをダウンロードできる))。

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保険診療係数、DPC標準病院群(III)群では「減算のみ」の病院が一部ある

 DPC制度では、全病院に共通する「DPC点数表に基づく点数」(日当点)に、医療機関ごとの係数(医療機関別係数)と入院日数を乗じて、包括範囲の収益を計算します(DPC点数×医療機関別係数×在院日数)。

 このうち医療機関別係数は、(1)基礎係数(2)機能評価係数I(3)機能評価係数II(4)激変緩和係数(診療報酬改定年度のみ、2019年度は全病院で0.0)—の和で計算され、(3)の機能評価係数IIは、いわば「各DPC病院の努力をさまざまな角度から評価する」もので、前々年の10月から前年の9月までの診療実績などをもとに、毎年度見直されます。

2019年度の医療機関別係数はすでに告示されており(関連記事はこちら)、今般「機能評価係数IIの内訳」が明らかにされました。

DPCの機能評価係数IIは、2018年度から(A)保険診療係数(B)効率性係数(C)複雑性係数(D)カバー率係数(E)救急医療係数(F)地域医療係数―の6項目となっています(これらの和が機能評価係数IIとなる)。

 
まず(A)の保険診療係数は、提出データの質や医療の透明化、保険診療の質的向上など「医療の質的な向上を目指す取り組み」を評価するものです。「部位不明・詳細不明コード」の使用割合が多かったり(10%以上)、の未コード化傷病名の割合が多かったり(2パーセント以上)する場合などには減算が、逆に自院のホームページで自院の診療実績等を公表した場合には加算が行われます。
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 ほとんどの病院は、「減算なし(つまりデータの精度が十分である)」「加算あり(つまり診療実績等を公表している)」となっていますが、DPC標準群(旧III群)病院の中には「加算されず、減算されている」(つまり診療実績等を公表せず、データの精度が不十分)ところもあります。

DPC制度では、点数や係数を各病院から提出されるデータをもとに設定することから、精度の不十分なデータがあれば、全DPC病院に悪影響があります。すべての病院が、データの精度向上にさらに努める必要があります。

 
 また(B)の効率性係数は、在院日数短縮の努力を評価するもので、最低は0.00000、最高は0.03237で、「0.014以上0.016未満」に多くの病院が位置しています。
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 効率性係数は、「大規模で診療科の多い総合病院では低く、小規模な専門病院では高く」なる傾向があります。多くの診療科を抱えれば、入院期間が長くなりがちな傷病(例えば白血病など)に罹患する患者の受け入れも多くなるためです。この点、「総合病院が不利ではないか」とも思われますが、(D)のカバー率指数などは「多くの診療を保有する病院」で有利になっており、機能評価係数II全体で「病院ごとの特性を踏まえた評価」を行う仕組みとなっています。

 また病院によって疾患構成には大きな違いがあることから、効率性係数・指数を計算する際には「患者構成が全DPC/PDPS対象病院と同じ」と仮定する「補正」が行われます。このため闇雲に「在院日数の短縮に取り組め」と動くことは「労多くして功少なし」という状況になりかねず、係数・指数のロジックを踏まえた対策をとることが重要となります。

 
(C)の複雑性係数は、1入院当たり医療資源投入の観点から見た患者構成を評価するもので、誤解を恐れずに言えば、「DPC点数の高い傷病」患者(重篤な疾患であり、一般的に医療資源投入量が多くなる)を積極的に受け入れる病院が高く評価されます。

 大学病院本院群(旧I群)では最低0.00000・最高0.030490、DPC特定病院群(旧II群)では最低0.00000・最高0.03869、DPC標準病院群(旧III群)では最低0.00000・最高0.03858となっており、いずれの群でも「0.016以上0.018未満」に多くの病院が位置しています。
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 (D)のカバー率係数は「様々な疾患に対応できる総合的な体制」を評価するもので、多くの診療科を保有する総合病院で高くなる傾向があります。

 大学病院本院群(旧I群)では最低0.00830・最高0.02167で、「0.014以上0.016未満」に多くの病院が分布。DPC特定病院群(旧II群)では最低0.00612・最高0.02804で、「0.016以上0.018未満」に多くの病院が分布。DPC標準病院群(旧III群)では最低0.00050・最高0.03855で、「0.004以上0.006未満」に多くの病院が分布しています。
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 大学病院本院やこれに準ずるDPC特定病院では当然多くの診療科を保有している一方で、DPC標準病院群には総合病院から専門病院まで多様な病院が含まれることなどが、カバー率係数からも確認することができます。

 
 また(E)の救急医療係数は、救急医療(緊急入院)患者の治療に要する資源投入量の乖離を評価するものです。DPCでは検査等が包括評価されますが、救急患者では「どのような傷病を抱えているのか」が必ずしも明らかでなく、入院初期に数多くの検査をしなければならないため、DPC点数(平均的な検査等が包括評価)と実際の医療資源投入量(その患者に提供した検査等)との間に大きな乖離が生じます。これを放置すれば、病院が「救急患者の受け入れ」を躊躇することにつながるため、機能評価係数IIとして評価しているのです。

 最低は0.00000、最高は0.04770で、「0.012以上0.016未満」に多くの病院が位置しています。
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 また(F)の地域医療係数は、▼医療計画の「5疾病5事業等」における急性期入院医療の評価【体制評価指数】▼地域の患者をどれだけ診ているかの評価【定量評価指数】―を組み合わせるものです。

 5疾病5事業等を積極的に担い、地域患者に支持されている病院とは、つまり「地域医療への貢献度合いが高い」と考えることができます。

 体制評価指数については、大学病院本院群(旧I群)で最低0.00244・最高0.01021で、「0.008以上0.009未満」に多くの病院が分布。DPC特定病院群(旧II群)では最低0.00160・最高0.01280で、「0.008以上0.009未満」に多くの病院が分布。DPC標準病院群(旧III群)では最低0.00000・最高0.01451で、「0.003以上0.004未満」に多くの病院が分布しています。大学病院本院・DPC特定病院では、地域の基幹病院として「5疾病5事業」に位置付けられるところが多いことから、DPC標準病院群に比べて、高い係数に分布する傾向があります。
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 定量評価指数のうち「小児(15歳未満)」については、大学病院本院群(旧I群)で最低0.00033・最高0.01278、DPC特定病院群(旧II群)では最低0.00001・最高0.02578、DPC標準病院群(旧III群)では最低0.00000・最高0.02230で、いずれの群でも「0.000以上0.004未満」に多くの病院が分布しています。

また定量評価指数のうち「小児以外(15歳以上)」については、大学病院本院群(旧I群)で最低0.00072・最高0.01257、DPC特定病院群(旧II群)では最低0.00051・最高0.02653、DPC標準病院群(旧III群)では最低0.00000・最高0.02964で、いずれの群でも「0.000以上0.004未満」に多くの病院が分布しています。
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病院ダッシュボードχ、機能評価係数II内訳データを迅速に反映

グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は、DPC病院の急性期医療への取り組みを評価する「機能評価係数II」の最新データを、多機能型経営分析ツール「病院ダッシュボードχ(カイ)」に早速反映させました。是非、ご活用ください。

機能評価係数IIは、DPCデータをもとに相対評価で決定されるため、病院の取り組み改善を行うためには他病院との「ベンチマーク分析」が欠かせません。自病院の立ち位置を正しく理解し、今後の取り組みに活かしましょう。

 

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