20-40歳代への麻しん(はしか)予防接種、国が主導して定期接種化を進めよ―九都県市首脳会議



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 2020年度の東京オリンピック・パラリンピック開催などで海外からの旅行者等が増加する中で、我が国で「麻しん(はしか)」感染拡大の可能性も高まる。国は20歳代から40歳代に対する予防接種の定期接種化などを進めるとともに、ワクチンの確保・流通体制を確保すべきである―。

 東京都知事・埼玉県知事・千葉県知事・神奈川県知事・横浜市長・川崎市長・千葉市長・さいたま市長・相模原市長で構成される「九都県市首脳会議」が5月23日に、根本匠厚生労働大臣に宛ててこういった要望を行いました(東京都のサイトはこちら)。

海外への旅行者、海外からの旅行者が増える中、麻しん感染拡大の可能性も高まる

 麻しん(はしか)対策について、我が国は2007年に「麻しんに関する特定感染症予防指針」を定め、▼原因究明(発生動向の調査や医療機関による届け出など)▼発生予防・蔓延防止(定期および不定期の予防接種実施など)▼医療提供▼研究開発の推進▼国際的な連携▼評価および推進体制と普及啓発の充実―を実施。結果、2015年にWHO(World Health Organization、世界保健機関)から「麻しんの排除状態にある」と認定されました。

 しかし、ここ数年、またごく最近でも、我が国の各所で麻しん感染の拡大事例が発生しています。麻しんは、極めて感染力が強く(空気感染する)、感染者と同じ空間、場所にいるだけで感染する可能性があります。またマスク等は「感染防御には役に立たない」とされています。

最近の感染事例は、「海外で麻しんに感染した患者」が契機となっています。出張や旅行などで海外に行く邦人も数多く、また今後、外国人が我が国を訪れる機会が増加すると見込まれます(今年(2019年)9月にはラグビーワールドカップや、来年(2020年)夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、また入国管理法改正等により訪日外国人旅行者や外国人労働者が増加する)。

こうした状況に鑑みれば、我が国において麻しんの感染事例が発生する可能性はさらに高まると考えられ、九都県市首脳会議は「最も有効な麻しん発生予防策である定期接種(予防接種)の充実」を進める必要があるとし、根本厚労相に対し次の点を要望したものです。

▽麻しん感染の中心となっている年代(20歳代から40歳代、2回の予防接種が望ましいが、この年代の人は定期接種歴1回が多い)について、確実かつ速やかに予防接種を受けられるよう、予防接種を定期接種化(市町村が実施し、利用者負担を減免できる)し、国が責任をもって財源を確保すること

▽海外からの輸入症例を契機とする麻しんの感染拡大を防止し、「麻しん排除」状態(2015年に我が国をWHOが認定)を維持するため、「海外渡航予定者に対して予防接種の実施」をより強く促し、国が責任をもって財源を確保すること

▽定期接種を含む対策の実施に必要となる麻しんワクチンについて、国が主導し、安定的な供給体制と、地域で在庫偏在が生じないような流通体制を整備し、滞りなく予防接種を実施できるようにすること

 
 

 

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