「1月」分データからも、2012年以降、在院日数短縮と新規患者獲得を一定程度両立―病院報告、2019年1月分



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 「1月分」のデータを追いかけると、病院の一般病床では2012年以降、「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」とを一定程度両立できているようだ―。

 こうした状況が、厚生労働省が5月9日に公表した今年(2019年)1月分の病院報告から分かりました(厚労省のサイトはこちら)。

2018年12月から2019年1月にかけて、入院患者は増加、外来患者は減少

 厚労省は、日本全国の病院における(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を「病院報告」として、毎月、公表しています(2018年12月末の状況はこちら、2018年11月末の状況はこちら、2018年10月末の状況はこちら)。

 今年(2018年)1月における(1)の「1日平均患者数」は、病院全体で▼入院:124万3316人(前月に比べて1万7277人・1.4%増)▼外来:128万5409人(同2万1788人・1.7%減)―となりました。

 医療法上の病床種別に入院患者数を見てみると、▼一般病床:68万4588人(前月比1万8047人・2.7%増)▼療養病床:27万5814人(同109人・0.0%減)▼精神病床:28万1338人(同629人・0.2%減)▼結核病床:1516人(同54人・3.4%減)―などという状況です。
病院報告(2019年1月)1 190509
  
 次に(2)の「平均在院日数」を見てみると、病院全体では29.0日で、前月から1.6日延伸してしまっています。病床種別に見ると、▼一般病床:17.0日(前月から1.1日延伸)▼療養病床:143.4日(同5.4日延伸)▼介護療養病床:336.8日(同17.9日延伸)▼精神病床:287.4日(同15.3日延伸)▼結核病床:64.9日(同2.7日延伸)―となり、すべての病床種別で延伸してしまいました。
病院報告(2019年1月)3 190509
  
 さらに(3)の「月末病床利用率」に目を移すと、病院全体では82.3%で、前月から10.4ポイント上昇しています。病床種別に見ると、▼一般病床:79.8%(前月比17.8ポイント上昇)▼療養病床:87.4%(同0.6ポイント上昇)▼介護療養病床:90.3%(同0.2ポイント低下)▼精神病床:85.4%(同0.0ポイント低下)▼結核病床31.8%(同0.8ポイント低下)―という状況です。一般病床で大きな変動(2018年11月末から12月末にかけて13.2ポイント低下し、2019年1月末にかけて17.8ポイント上昇)がありますが、例年「年末年始はなんとか自宅に戻りたい」という患者の要請に応えている面が大きく、さほど驚く必要はありません。
病院報告(2019年1月)2 190509
 

1月分のデータ、2012年以降、非常に緩やかだが理想的な動き

 このような「暦月の変動」を除外するために、一般病床における「1月分」の平均在院日数の動向を見てみましょう。2012年から15年にかけて短縮が続き、その後、延伸してしまいましたが、2017年から再び短縮が実現できています。

▼2012年:18.8日(厚労省のサイトはこちら

(0.3日短縮)

▼2013年:18.5日(厚労省のサイトはこちら

(0.3日短縮)

▼2014年:18.2日(厚労省のサイトはこちら

(0.5日短縮)

▼2015年:17.7日(厚労省のサイトはこちら

(0.4日延伸)

▼2016年:17.3日(厚労省のサイトはこちら

(増減なし)

▼2017年:17.3日(厚労省のサイトはこちら

(0.1日短縮)

▼2018年:17.2日(厚労省のサイトはこちら

(0.2日短縮)

▼2019年:17.0日(厚労省のサイトはこちら

  
 一方、月末病床利用率は、次のように低下と上昇を繰り返しながら、緩やかな上昇傾向を見出すこともできそうです。

▼2012年:79.1%(厚労省のサイトはこちら

(0.2ポイント上昇)

▼2013年:79.3%(厚労省のサイトはこちら

(1.8ポイント低下)

▼2014:77.5%(厚労省のサイトはこちら

(3.0ポイント低下)

▼2015年:74.5%(厚労省のサイトはこちら

(0.1ポイント上昇)

▼2016年:74.6%(厚労省のサイトはこちら

(4.3ポイント上昇)

▼2017年:78.9%(厚労省のサイトはこちら

(1.6ポイント上昇)

▼2018年:80.5%(厚労省のサイトはこちら

(0.7ポイント低下)

▼2019年:79.8%(厚労省のサイトはこちら

 
 1月分全体として、緩やかに「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の上昇」とを一定程度実現できていると考えることもできるでしょう。

 
 繰り返しお伝えしているとおり、平均在院日数の短縮は▼急性期病院においては「重症患者割合」(重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者の割合)の向上▼DPC特定病院群(旧II群)要件の1つである「診療密度」の向上▼「院内感染」や「ADL低下」などのリスク軽減▼患者のQOL向上(例えば職場への早期復帰を果たし、生活の安定を取り戻す)—といった経営の質・診療の質の向上に直結します。

 ただし、「在院日数の短縮」は「空床」発生・増加にもつながり、経営悪化をもたらしかねません(出来高・DPCのいずれにおいても入院料が「1日当たり」で設定されているため)。そこで、▼かかりつけ医等と連携した重症な紹介患者の確保▼救急搬送患者の積極的な受け入れ―といった新規入院患者の獲得策を同時に採らなければならないのです。

 「1月分」の状況を見ると、2012年以降、この難しい両立を一定程度実現できていると考えることができそうです。

 
 もっとも、地方によってはすでに人口減少によって「患者数そのもの」が減少し始め、また都市部でも人口減少(=患者数減少)が始まることから、新規患者の獲得が難しく(病院間で患者の奪い合いが激化する)なってきます。各病院におかれては、「ダウンサイジング」(病床の削減)や共倒れを防ぐための「近隣病院との再編・統合」なども視野に入れた検討を早急に進める必要があるでしょう。

 
 

 

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