膠様滴状角膜ジストロフィーとハッチンソン・ギルフォード症候群を2019年度から指定難病に追加—指定難病検討委員会



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 来年度(2019年度)から、▼膠様滴状角膜ジストロフィー▼ハッチンソン・ギルフォード症候群―の2疾患を指定難病に追加し、一定の重症度基準を満たした患者について医療費助成を行う―。

 3月20日に開催された厚生科学審議会・疾病対策部会の「指定難病検討委員会」で、こうした点が了承されました。近く親会議(疾病対策部会)の了承を経て、5月に告示を行い、7月上旬にも医療費助成が開始される見込みです。

3月20日に開催された、 「第32回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」
3月20日に開催された、
「第32回 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会」
 

早ければ7月から新2疾患への医療費助成を開始、指定難病は333疾患に

▼発症の機構が明らかでない▼治療方法が確立していない▼希少な疾病である▼長期の療養が必要である—という要件を満たす「難病」のうち、▼患者数が我が国で一定数(現在は18万人、人口の0.142%未満)に達していない▼客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している—という要件を満たした【指定難病】は、患者の置かれている状況に鑑みて、重症の場合には医療費助成が行われます。

医療費助成対象となる指定難病の要件
医療費助成対象となる指定難病の要件
 
これまでに331疾患(2015年1月実施分:110疾患、2015年7月実施分:196疾患、2017年4月実施分:24疾患、2018年4月実施分:1疾患(あわせて5疾患を他の指定難病と統合))が指定難病に該当すると判断され、一定の重症度基準を満たす患者については医療費助成が行われています。

今般、指定難病検討委員会には「2019年度実施分」の候補として38疾患が研究班や関係学会から情報提供されました。(関連記事はこちら)。詳細な検討の結果、これらのうち次の2疾患が上記の指定難病の要件を満たすと判断されました(指定難病は2019年度から合計333疾患となる)。

【膠様滴状角膜ジストロフィー】
 角膜実質にアミロイドが沈着することにより、眼痛などの不快感とともに著明な視力低下を来たす遺伝性の眼疾患。視力維持のために若年から生涯にわたり角膜移植を繰り返す必要があり、角膜移植の合併症や移植後の緑内障の発症により失明に至るケースも多い。我が国の推定患者数は400名程度。

 
【ハッチンソン・ギルフォード症候群】
 遺伝性の早老症の1つ。生後半年から2年で、▼水頭症様顔貌▼禿頭▼脱毛▼小顎▼強皮症―を呈するが、精神運動機能や知能は正常である。▼脳梗塞▼冠動脈疾患▼心臓弁膜症▼高血圧▼耐糖能障害▼性腺機能障害―を合併し、対症療法のみ。平均寿命は14.6歳と報告されるが、国内では20歳を超えた生存例も報告されている。我が国の推定患者数は100人未満。

 
 この2疾患を指定難病に追加する点について、厚労省はパブリックコメントを実施(2019年2-3月)しましたが、本事例に直接する意見はなく、指定難病検討委員会として「追加」を正式に決定しました。

 近く(4月上旬予定)、親会議(疾病対策部会)での審議・了承を経て、5月上旬にも2疾患追加を告示。7月上旬には医療費助成が開始される見込みです。

 
 なお、3月20日の指定難病検討委員会では、今後の「指定難病追加の検討」などに向けて次のような整理も行っています。

▼指定難病の追加検討の対象疾患は、診断基準や重症度分類について関係学会が承認しているもののみとする

▼過去に指定難病検討委員会で「要件を満たさない」と判断された疾患を、追加検討対象とする場合には、研究班からの新たな知見報告を求め、それを厚労省で整理する

▼これまでに指定難病として指定された疾患の中でも、調査技術や医療技術の進展などにより「治療効果が大幅に改善」したものもあるため、指定難病に指定されている全疾患について、指定後の調査研究の進捗状況などを各研究班に定期的に報告してもらい、指定難病検討委員会でフォローする

▼実際に医療費助成の支給認定を受けた患者がいない疾患や、当初予測に比べて大幅に患者が少ない疾患については、研究班に理由の報告を求める

 要件を満たさないまま何度も「指定難病に追加してほしい」と要望される疾患もありますが、これは指定難病検討委員会の負担を重くし、「要件を満たし、真に指定難病に検討されるべき疾患」の検討を妨げることにもつながります。このため、上記のような改善を行うことになったものです。

 
 

 

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