風疹追加対策、まず2019年度にS47-54年生まれの男性を対象に抗体価検査―厚科審・感染症部会



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 昨年(2018年)から風疹が流行しています(2013年・2012年に次ぐ)。風疹に罹患しても、▼発熱▼発疹▼リンパ節腫脹—といった比較的軽い症状の発症で終わるケースが大多数ですが、妊婦が風疹に感染した場合、児に先天性風疹症候群(白内障、難聴、心疾患など)が出現する恐れがあります。

米国CDC(アメリカ疾病管理予防センター)でも「予防接種や過去の感染歴がない妊婦は、日本への渡航を控える」よう警告し、関係学会等も予防接種を勧奨しています(関連記事はこちらこちら)。

こうした状況を受け根本匠厚生労働大臣は、これまでの予防接種(定期接種)等の機会がなく、抗体価が低い(風疹に罹患しやすい)39-56歳の男性について、風疹の抗体検査を無料で実施するとともに、風疹予防の定期接種(無料で予防接種を受けられる)対象とする考えを提示(関連記事はこちら)。今般、専門家で構成される厚生科学審議会の感染症部会と予防接種基本方針部会で、追加的な対策のガイドライン等が作成されたものです(1月18日の感染症部会で追加的な対策を、28日の感染症部会・予防接種基本方針部会でガイドラインを固めた)。

追加的な対策の大枠は、次のような内容です。

▼1962年(昭和37年)4月2日―1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性(定期接種の機会がなく、風疹への抗体保有率が他の世代に比べて約80%と低い)を定期接種の対象とし、まず、抗体検査を実施し、今後3年間(2021年度末まで)、全国で定期接種を実施する

▼対象世代の男性の抗体保有率を、(1)2020年7月までに85%以上に(2)2021年度末までに90%以上に―引き上げるとの3か年計画の目標を立てる

▼目標達成のため、(A)2020年7月までに抗体検査を約480万人・定期接種を約100万人に(B)2021年度末までに抗体検査を約920万人・定期接種を約190万人に―実施する(市町村から対象者へ「抗体検査受検」を積極的に案内する)

ただし、希望者が実施当初に集中すれば、短期的に「抗体検査の供給量が追いつかない」事態が生じかねないため、第1段階として、来年度(2019年4月-2020年3月)には「1972年(昭和47年)4月2日―1979年(昭和54年)4月1日生まれの世代の男性」に受診券を送付することになります。受診券が未送付であっても、市町村に希望すれば、受診券が発行され、抗体検査を受検できます。

抗体検査・予防接種は、基本的には「居住する市町村内の医療機関」で受けることになりますが、より効果的な実施を目指し、国民健康保険加入者(自営業など)では「特定健康診査」の機会、健康保険の被保険者(サラリーマン等)では「事業所の健康診査」の機会も活用されます。
風疹追加対策 190128・18の図表
 
ガイドラインでは、こうした追加的対策の対象者について、抗体価検査(上記)が無料で行われることや、自治体の手続きなどが明示されます。
 
   
 

 

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