2017年の救急搬送患者、軽症者割合が若干減少―総務省消防庁



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 2017年中の救急自動車による急病の搬送人員数は368万6438人で、疾病分類別に見ると▼消化器系:9.3%▼呼吸器系:9.2%▼心疾患等:8.6%▼脳疾患7.6%—などが多いが、「症状・徴候・診断名不明確の状態」が3分の1超(34.3%)を占めている。また、傷病程度別に見ると、「軽症(外来診療)」と「中等症(入院診療)」とで9割を占めている状況は変わらないが、「軽症」割合が減少(前年から0.7ポイント減)しており、国民の意識が変わってきている可能性がある—。

 総務省消防庁が1月17日に発表した2018年版の「救急・救助の現況」から、こういった状況が明らかになりました(総務省消防庁のサイトはこちら(概況)こちら(本編・救急))(前年の記事はこちら)。

救急出動の64%が急病、交通事故はさらに減少

 総務省消防庁では毎年、消防機関が前年に行った▼救急業務▼救助業務—と、都道府県が前年に行った消防防災ヘリコプターによる消防活動の状況とをまとめ「救急・救助の現況」として公表しています。(1)救急編(2)救助編(救助隊の活動状況など)(3)航空編(消防防災ヘリコプターの活動状況など)—の3編構成となっていますが、ここでは(1)「救急編」のうち「医療に関連する事項」に焦点を合わせて眺めてみます。

 まず2017年中の救急出動件数は634万5517件(前年に比べて2.1%増加)で、搬送人員数は573万8664人(同2.0%増)となりました。このうち救急自動車による搬送人員数は573万6086人(搬送人員数の99.96%)、消防防災ヘリによる搬送は2578人(同0.04%)です。救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となっています。
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救急自動車出動の内訳をみると、▼急病:64.0%(前年と変わらず)▼交通事故:7.6%(同0.3ポイント減少)▼一般負傷:15.2%(同0.3ポイント増加)▼その他:13.1%(同変わらず)—となっており、「交通事故の減少」状況が伺えます。
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「軽症」ながら急病として救急搬送された患者の割合、前年から0.7ポイント減少

 2017年中に急病で救急搬送された人は368万6438人います。これを疾病分類、年齢区分、傷病程度で分類すると次のようになります。

【疾病分類別】
▼消化器系:9.3%(前年から0.6ポイント減少)▼呼吸器系:9.2%(同0.1ポイント増加)▼心疾患等:8.6%(同変わらず)▼脳疾患7.6%:(同0.1ポイント減少)—などが多いが、「症状・徴候・診断名不明確の状態」が3分の1超(34.3%、前年から0.3ポイント増加)を占めている
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【年齢区分別】
▼65歳以上の高齢者:61.8%(前年から1.5ポイント増加)▼18-64歳の成人:31.2%(同1.2ポイント減少)▼7-17歳の少年:2.4%(同0.1ポイント減少)▼生後28日から7歳の乳幼児:4.6%(同0.2ポイント増加)▼生後28日未満の新生児:0.05%(同微減)—

【傷病程度別】
▼軽症(外来診療):48.1%(同0.7ポイント減少)▼中等症(入院診療):42.4%(同0.6ポイント増加)▼重症(長期入院):7.8%(同0.1ポイント増加)▼死亡:1.7%(同変わらず)―
 
 「軽症」搬送割合が減少しており、国民の意識が「救急搬送を要請をクリティカルなケースに限定しよう、すべき」という方向にシフトしていると見ることもでき、今後の動向に注目が集まります。また、高齢者の割合が増加していますが、人口の高齢者シェアそのものが増加している点に鑑みれば「当然」と言えるでしょう。

  
 これらをクロスして、「疾病分類別×傷病程度別」で見ると、▼死亡者では「心疾患等」と「症状・徴候・診断名不明確の状態」とがともに4割弱▼重症者では「脳疾患」と「心疾患等」がともに2割強▼中等症者では「症状・徴候・診断名不明確の状態」が3割弱▼軽症者では「症状・徴候・診断名不明確の状態」が4割強―という状況は、前年から変わっていません。
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 また「年齢区分別×傷病程度別」では、いずれの年齢区分でも「中等症」と「軽症」で9割程度を占めていますが、▼新生児では両者(中等症と軽症)が同程度▼乳幼児・少年・成人では軽症が圧倒的に多い▼高齢者では中等症がやや多い—という違いがあり、この状況も前年から変わっていません。
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119番から病院収容までの平均時間は39.3分で前年と変わらず

「119番通報から救急自動車が現場に到着するまでの時間」は全国平均で8.6分(前年から0.1分延伸)、「119番通報から病院に収容されるまでの時間」は同じく39.3分(前年から変わらず)となりました。
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また病院収容までの時間(救急出動要請を覚知してから医師に引き継ぐまでの時間)を疾病分類別に見ると、精神系の疾患では若干長く、依然として「精神疾患患者を受け入れてくれる病院」の探索に時間がかかる状況があるようです。
 
 なお、救急隊の行った応急処理件数は1523万2969件(前年から3.5%増加)で、うち除細動や気管挿管、薬剤(エピネフリン)投与などの特定行為等の件数は21万5821件・1.4%(前年から14.5%・0.1ポイント増加)です。

さらに、医師が現場に赴いた件数は3万9418件(前年から10.4%増加、全救急出動の0.6%)、うち急病によるものが2万2290件(前年から11.6%増加)という状況です。医師の現場出動が広まっている状況が伺えます。

医療機関への受け入れ照会「1回」の割合が、前年から0.9ポイント増加

 最後に、医療機関などへの搬送状況をみると、受け入れ照会回数は「1回」がもっとも多く急病では84.1%(前年から0.9ポイント増加)、次いで「2回」10.2%(同0.4ポイント減少)、「3回」3.3%(同0.2ポイント減少)と続きます。ただし「11回以上」の照会が必要であったケースも2578件ありました。
 
 また搬送先医療機関の種別にみると、救急告示病院に93.5%(前年から0.4ポイント増加)、非告示病院に6.5%(同0.3ポイント減少)の患者が搬送されています。2018年4月1日時点で、救急告示病院等は4191施設あり、内訳は▼民間:2922施設▼公立:748施設▼公的等:327施設▼国立:194施設―となっています。
 
 さらに救急自動車による「転送」は、2017年中に2万4027件(前年から2.8%減少)あり、その理由は、▼処置困難:56.4%(同0.3ポイント減少)▼専門外:13.5%(同0.3ポイント減少)▼満床:5.1%(同0.5ポイント増加)▼手術中:0.7%(同変わらず)▼医師不在:0.4%(同変わらず)―などです。
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