消費税対応改定、医師働き方改革論議本格化など、「2018年下半期」の10大医療・介護ニュースをチョイス!【メディ・ウォッチ編集部】



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 あけましておめでとうございます。日頃より、メディ・ウォッチをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 昨日に続き、新年にあたって「2018年の動き」を振り返っておきましょう。本日は、「メディ・ウォッチ編集部の視点」で選んだ2018年下半期(7月-12月)の重大ニュース10本です(順番は掲載順です)(2018年上半期のメディ・ウォッチ編集部が選んだ10大ニュースはこちら)。

(1)「電子カルテの標準仕様」、国を挙げて制定せよ―社保審・医療部会の永井部会長が強く要請

→(編集部の視点)電子カルテが多くの医療機関に導入されて久しいですが、その仕様はベンダー(メーカー)間で区々で、かねてから「国による標準仕様の策定」が求められています。異なる仕様が、「ベンダーによる囲い込み」「地域連携の阻害」の原因になっているとも指摘されており、ついに社会保障審議会・医療部会で数回にわたり正面から議論されるに至りました。この議論が、(10)の来年度(2019年度)に創設される「医療ICT化促進基金(仮称)」につながっています。

 
(2)控除対象外消費税問題、「診療報酬で補填の上、個別に過不足を申告する」仕組みを提言―三師会・四病協

→(編集部の視点)日本医師会や病院団体など、医療界が一致した「控除対象外消費税問題の解決策」を提案しました。しかし、年末の税制改正論議の中では「非課税制度を維持しながら、還付を認めよ」との仕組みは検討にすら値しない、と事実上、無視されてしまった格好です。診療報酬による補填では、「個別医療機関の補填の過不足」を是正することはできず、今後も、抜本的な解決策が検討されていきます。その際には、「税制の専門家」や「財務省関係者」なども交えることも必要でしょう。

 
(3)NDB・介護DBの連結方針固まる、「公益目的研究」に限定の上、将来は民間にもデータ提供―厚労省・医療介護データ有識者会議

→(編集部の視点)保健・医療・介護のデータを個人単位で連結することで、「どういった生活習慣が傷病に、さらには要介護状態に結びつき、それらにどういった医療・ケアが効果的なのか」というエビデンスが構築されれば、医療・介護の質は飛躍的に向上します。そのための大きな一歩が、この「NDBと介護DBの連結」です。データが10年、20年と蓄積され、現在の壮年期の方が、高齢期を迎えたときに、データベースの本領が発揮されると期待されます。

 
(4)市町村が▼後期高齢者の保健事業▼介護の地域支援事業▼国保の保健事業—を一体的に実施―保健事業・介護予防一体的実施有識者会議

→(編集部の視点)健康寿命の延伸に向けて、「後期高齢者の保健事業」と「介護の地域支援事業」(介護予防など)と「国民健康保険の保健事業」を一体的に推進していく方針が固められました。実施主体となる市町村には大きな負担が課せられることになり、国と都道府県が重症的に支援していくことになりますが、すでに成果を上げている先行自治体をお手本に、効果的な事業を進めていくことが求められます。

 
(5)遺伝子パネル検査で「適応外の抗がん剤治療」の可能性ある場合、迅速に治療開始できる準備進める―患者申出療養評価会議

→(編集部の視点)2018年上半期の10大ニュース(9)でお伝えしたように、複数の遺伝子変異を検査する「遺伝子パネル検査」が先進医療として導入されました。検査の結果、「●●抗がん剤が効果的と考えられる」と判明した際、迅速に●●抗がん剤が使用できるような準備が進められます。患者申出療養以外にも、例えば「キイトルーダ」においてがん種を問わず使用できるような環境が整備されるなど(関連記事はこちら)、「がんゲノム医療」の推進に向けて着々と準備が進んでいます。

 
(6)特定行為研修を包含した新認定看護師を2020年度から養成、「特定認定看護師」を名乗ることも可能―日看協

→(編集部の視点)日本看護協会が、「認定看護師」と「特定行為研修制度」とをリンクさせる考えを明示しました。これにより、「特定行為研修」の受講者が大幅に増加するのではないかと見込まれ、医療現場での活躍にも期待が集まります。特定行為研修制度については、カリキュラムの見直し(時間短縮)を行うとともに、▼在宅・慢性期▼外科術後病棟管理▼術中麻酔―の3領域でパッケージ化が行われます(関連記事はこちら)。「特定行為研修を修了した看護師」への期待がさらに高まっていると言えます。

 
(7)初再診料等の【妊婦加算】、2019年1月1日より当面の間、「凍結」―中医協総会(1)

→(編集部の視点)2018年度診療報酬改定で新設された「初診料や再診料などの【妊婦加算】」が、十分な議論なく凍結されることになりました。おそらく「完璧な診療報酬制度」は存在せず、2年に一度の改定論議の中で「問題点」を探り、改善が続けられるのです。【妊婦加算】も同様に、問題点を詳細な調査で探り出し、診療側・支払側・公益代表の3者で構成される中央社会保険医療協議会で、エビデンスに基づいて見直し論議をすべきでした。

 
(8)2019年10月に消費税対応改定と新処遇改善加算創設を実施―介護給付費分科会

→(編集部の視点)来年(2019年)10月には消費税率が引き上げられ、診療報酬・介護報酬では基本料への上乗せが行われます(診療報酬の関連記事はこちら)。介護では、さらに「経験・技能のある介護職員」を中心とした「さらなる処遇改善」が行われます。介護給付費分科会では「個別事業所における経験・技能のある介護職員の配置状況」を踏まえた加算創設論議がなされ、将来的にも検討を行っていくことが確認されています。

 
(9)外来医師が多い地域で新規開業するクリニック、「在宅医療」「初期救急」提供など求める―医師需給分科会

→(編集部の視点)医師偏在の是正に向けた議論が「医師需給分科会」で精力的に続けられており、「外来医師多数地域での新規開業において、地域貢献を求める」方針もその1つです。昨今、地域医療構想の実現に向けた「病院・病床の再編・統合」が進められる中で、「病院への規制は強化されるが、診療所開設はまったくの野放しで、極めてアンバランスである」との声が有識者からもあがっています。「診療所開設への制限」は憲法問題にもなり、そう容易に実行することはできません。新たな仕組みの効果をまず注視していくことが重要でしょう。

 
(10)2019年度予算案を閣議決定、医師働き方改革・地域医療構想・電子カルテ標準化などの経費を計上

→(編集部の視点)電子カルテの標準化に向けて、2019年度予算でまず「異なるベンダー間のデータを連携するコンバータシステム」の導入経費を補助することが決まりました。これにより、「ベンダーによる異仕様問題」が解決するのか、それとも抜本的な解決をするために「標準仕様策定」が必要なのか、医療現場の状況を詳しく見ていく必要があります。目的が「円滑な地域医療連携の推進」にあることを忘れてはいけません。

 
 

 

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