不正請求などで28件・18人の医師等が保険指定取り消し、診療報酬72億円返還―2017年度指導・監査実施状況



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 2017年度に個別指導を受けた保険医療機関等は医科1628件・歯科1314件・薬局1675件の合計4617件、監査を受けた保険医療機関等は医科25件・歯科33件・薬局8件の合計66件で、保険指定取り消し処分などを受けた医療機関等は医科8件・歯科19件・薬局1件の合計28件だった―。

 こうした状況が、12月18日に厚生労働省が発表した2017年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら(2017年度))(関連記事はこちら(16年度)こちら(15年度)こちら(14年度)こちら(13年度))。

 指導・監査などにより返還された診療報酬は、合計で71億9888万円となっています。

2017年度には4617件の個別指導、1万3224件の集団的個別指導

 ▼公費(税金)▼保険料▼患者の一部負担―で賄われる保険診療では、医療機関が支払いを受ける(診療 → レセプト請求 → 支払い)に当たっての厳格なルール(健康保険法、療養担当規則、診療報酬点数表など)が定められています。このルールに従わない保険医療機関や保険医にはペナルティが科され、保険診療からの「退場」を命じられることもあります(保険指定の取り消し)。

 厚労省は、保険医療機関がルールを遵守しているかどうかを定期的に調査し、違反などが疑われる場合には、指導や監査を行い、是正を行っています。「指導」には、次の3種類があります。

(1)集団指導:新規に保険指定を受けた医療機関や医師などを対象に、保険ルールを説明する講習会

(2)個別指導:違反などが疑われる医療機関を呼び出し、面接懇談方式で、保険ルールを遵守するよう指導する(新規に保険指定を受けた医療機関を対象とする「新規個別指導」もある)

(3)集団的個別指導:保険請求金額が高額な医療機関を一定の場所に集め、簡便な面接懇談方式で、保険ルールを遵守するよう指導する

 
 昨年度(2017年度)に(1)の個別指導(新規個別指導を除く、以下同)を受けた保険医療機関等は4617件(前年度比94件増)で、内訳は、▼医科1628件(同27件増)▼歯科1314件(同10件減)▼薬局1675件(同77件増)―となっています。

 個別指導を受けた保険医等は1万854人(同1563人増)で、内訳は、▼医師6611人(同1625人増)▼歯科医師1803人(同176人減)▼薬剤師2440人(同114人増)―となりました。

 一方、集団的個別指導は1万3224件(同456件減)で、内訳は、▼医科4426件(同204件減)▼歯科4971件(同51件増)▼薬局3827件(同303件減)―となりました。全体では2015年度の水準に戻った格好です。

66医療機関等・保険医等167人に監査を実施、保険指定取り消しは28件・18人

 著しいルール違反が疑われる場合には、「監査」によって事実関係が調査されます。その中でルール違反が確認されれば、違反の程度に応じて「保険指定取消」「戒告」「注意」のいずれかの処分が行われます。

 昨年度(2017年度)に監査を受けた保険医療機関等は66件(同8件減)あり、内訳は、▼医科25件(同3件減)▼歯科33件(同6件減)▼薬局8件(同1件増)―となりました。一方、監査を受けた保険医等は167人(同96人減)となり、その内訳は、▼医師68人(同35人減)▼歯科医師59人(同61人減)▼薬剤師40人(同増減なし)―でした。医科・歯科で監査件数が減っていることそのものは、「目立ったルール違反が減少している」ことを意味し、好ましいと言えそうです。

 ただし監査の結果、ルール違反が確認され「保険指定取消」となった保険医療機関等13件、取消処分が決定する前に自ら保険指定を辞退した分(指定取消相当)15件を合計した「保険指定の資格喪失」件数は28件で、前年度から1件増加しています。内訳は、指定取り消しが、▼医科4件▼歯科9件▼薬局0件―、指定取り消し相当が、▼医科4件▼歯科10件▼薬局1件―という状況です。

 また保険指定取消(指定取消相当を含む)となった保険医等は18人(前年度比3人減)で、内訳は、▼医師5人(同1人減)▼歯科医師13人(同1人減)▼薬剤師0人(同1人減)―という状況です。

 
 保険指定取り消しとなった医療機関の事例を見ると、「行っていない診療行為を請求していた」(いわゆる架空請求)、「実際に行った保険診療に、行っていない診療行為を追加して請求した」(いわゆる付増請求)、「保険診療で認められない診療行為を、保険診療を装って請求していた」ものなどがあります。

 こうした不正請求については診療報酬の返還請求がなされ、2017年度の返還金総額は71億9888万円(前年度比16億9647万円減)となっています。

 このうち、監査による返還金額が3億9709万円(同4996万円減)、適時調査(医療機関等が施設基準等を守っているか確認する調査)による返還金額が36億7539万円(同6億8392億円減)、指導による返還金額が31億2641万円(同9億6257万円減)という内訳です。
 
 

 

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