画期的な新医療機器の保険収載に伴い、コンピューター断層診断等の解釈を見直し―厚労省



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 厚生労働省は11月30日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出しました。画期的な新医療機器の保険収載に伴い、診療報酬点数の算定要件などを見直すもので、12月1日から適用されています(関連記事はこちら)(厚労省のサイトはこちら(通知)こちら(中医協資料))。

冠動脈疾患患者の状態を把握し、より的確な診断を可能に

 11月14日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、新たな医療機器として「ハートフローFFR」の保険収載が承認されました。冠動脈疾患が疑われる患者について、心臓CTデータをもとにした数値流体力学解析を行い、冠動脈造影検査や治療の必要性を判断する診断支援プログラムで、PET検査などに比べ、より的確な診断が可能になると期待されています。

これに伴い、厚労省は、E203【コンピューター断層診断】について、次のような診療報酬点数表の解釈を追加したものです。

▽FFRCT解析を行うものとして薬事承認を取得したプログラムを用いた解析結果を参照してコンピューター断層撮影による診断を行った場合には、▼画像診断管理加算▼コンピューター断層撮影診断料通則「3」▼E101-2【ポジトロン断層撮影】の「2」▼E200【コンピューター断層撮影(CT撮影)(一連につき)】の「1 イ(2)」▼E200【コンピューター断層撮影(CT撮影)(一連につき)】の「注4」▼E203【コンピューター断層診断】—の所定点数を合算した点数を準用して算定できる

▽本検査の結果で「FFRCT陰性」であったにも関わらず、本検査実施後90日以内に冠動脈造影検査(D206【心臓カテーテル法】による諸検査)を行った場合は、主たる技術の所定点数のみを算定する

▽本検査の算定にあっては、▼E200のうち準用点数に掲げるもの▼D206の「注4」▼D215の「3 ホ」▼E101▼E101-2▼E101-3▼E101-4▼E102▼E202—との併算定はできない

▽本検査を算定する場合、「検査結果」と「患者に説明した内容」(心臓CT撮影が必要な医学的理由、心臓CT診断のみでは治療方針決定が困難な理由を含む)を診療録に記載することが必要となる

▽本検査を算定する場合、「FFRCT適正使用指針」に従って使用することが必要で、レセプトの摘要欄に▼実施施設が「日本循環器学会の研修施設」「日本心血管インターベンション治療学会の研修施設」「日本医学放射線学会の総合修練機関」のいずれにも該当すること、およびその証明書▼本製品によるFFR値—を添付することが必要となる

非小細胞肺がんへの抗がん剤投与の効果を判断する

また、非小細胞肺がん患者へ「ダブラフェニブメシル酸塩(タフィンラーカプセル)・トラメチニブジメチルスルホキシド付加物(メキニスト錠)の併用投与」が効果的か否かを判断するために、「がん組織から抽出したゲノムDNA中のBRAF遺伝子変異(V600E)を検出する新医療機器「オンコマイン TM Dx Target Test CDx システム」が同じく保険収載されたことを受け、D006-4【遺伝学的検査】において、次のような診療報酬点数表の解釈を追加しています。

▽非小細胞肺がんの腫瘍細胞を検体とし、シークエンサーシステムを用いて抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的としてBRAF遺伝子検査を実施する場合は、患者1人につき1回に限りD006-4【遺伝学的検査】の「2 処理が複雑なもの」を準用して算定する。ただし「注の規定」「(1)-(7)の規定」は適用しない

糖尿病患者の治療補助のため、グルコース濃度を連続的にモニタ

さらに、11月14日の中医協総会では、糖尿病患者における皮下の間質液中のグルコース濃度を連続的にモニタする医療機器「メドトロニック ガーディアン コネクト」と「Dexcom G4 PLATINUM システム」も保険収載が認められました(ただし、本製品得られた情報は血糖自己測定を代替するものではなく、糖尿病治療の補助として用いる)。

これに伴って、C152-2【持続血糖測定器加算】について、次のような見直しも行われています。

▽C152-2【持続血糖測定器加算】の算定対象患者について、従前の「血糖コントロールが不安定な1型糖尿病患者で、持続皮下インスリン注 入療法を行っている者」に加え、「間歇注入インスリンポンプと連動していない持続血糖測定器を用いる場合であって皮下インスリン注入療法を行っている者」も含める

▽C152-2【持続血糖測定器加算】の算定対象患者について、「低血糖発作を繰り返すなど、重篤な有害事象がおきている血糖コントロールが不安定な2型糖尿病患者であって、医師の指示に従い血糖コントロールを行う意志のある、持続皮下インスリン注入療法を行っている者」を維持するが、「間歇注入インスリンポンプと連動していない持続血糖測定器を用いた場合は除く」こととする

▽C152-2【持続血糖測定器加算】と、C152【間歇注入シリンジポンプ加算】とを同一月に併算定することは不可能なままとするが、▼間歇注入インスリンポンプと連動していない持続血糖測定器については、「注2」の加算を算定できない▼間歇注入インスリンポンプを併用した場合にはC152【間歇注入シリンジポンプ加算】を併算定できる―取扱いとする

▽間歇注入インスリンポンプと連動していない持続血糖測定器については、急性発症または劇症の1型糖尿病患者について、以下の項目を満たした場合に限り算定できることとする
▼関連学会が定める適正使用指針を遵守して使用している
▼1日あたり少なくとも2回の自己血糖測定を行っている
▼皮下連続式グルコース測定に関する施設基準の届出を行っている医療機関である
▼糖尿病治療に関し、専門知識および少なくとも5年以上の経験を有する常勤医師が1名以上配置されている
▼糖尿病治療および持続皮下インスリン注入療法に従事した経験を2年以上有し、適切な研修(下記)を修了した常勤看護師または常勤薬剤師が1名以上配置されている
▼上記の糖尿病治療の専門知識等をもつ常勤医師・看護師・薬剤師が、患者・家族等に対し、持続血糖測定器の使用方法の十分な説明や持続血糖測定器の結果に基づく低血糖・高血糖への対応など等、必要な指導を行う

【適切な研修】の要件
・医療関係団体等が主催する研修である
・糖尿病患者への生活習慣改善の意義・基礎知識、評価方法、セルフケア支援、持続血糖測定器に関する理解・活用及び事例分析・評価等の内容が含まれている

▽間歇注入インスリンポンプと連動していない持続血糖測定器を用いる場合は、患者ごとに指導者名が記載されている指導記録を作成し、患者に提供する。また、指導記録の写しを診療録に貼付する

 
 

 

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