福祉・介護分野への「看護師の短期派遣」を認めるべきか―規制改革推進会議



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 福祉・介護領域において、「看護師の短期派遣」を認めることができないか―。

 11月28日に規制改革推進会議の専門チームで、こういった議論が行われました。フルタイム等や長期間の業務はできないが、ピンポイントの業務であれば積極的に携わりたいという、いわゆる「潜在看護師」の思いに応えることができそうですが、一方で「円滑なチーム医療」や「医療安全」への影響も懸念されます。

「雇用管理の確保」「医療安全への影響」が重要論点

 看護業務ついて労働者派遣で賄うことは、▼医療提供チームの構成員が派遣労働者を特定できない(特定できたとしても派遣事業者側が派遣労働者を差し替えてしまうこともある)▼医療提供チームの構成員同士の能力把握や意思疎通が十分になされず、医療に支障が生じかねない―ことから「原則禁止」されています。

 ただし、例外として▼特別養護老人ホーム、障害者支援施設、保育所等で行う場合▼産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した者の業務である場合—などには、労働者派遣事業を行うことが可能です。それでも短期派遣(日雇い派遣)については、▼違法派遣が生じやすい▼日雇労働者の過重労働を助長し、労働災害が起きやすい―ため、看護業務については禁止されています(日雇い派遣が可能なのは、ソフトウェア開発や広告デザインなどの一部業務に限定されている)。

これに対し、NPO法人「⽇本派遣看護師協会」では、例えば育児や介護などで長期間・固定時間(例えばフルタイム)で働けない、いわゆる潜在看護師から「短期派遣の解禁」を求める声が多数出ていることを紹介(月に2-3回の派遣希望が3割、週1-2日の派遣希望が5割など)。福祉・介護施設の「慢性的な看護師不足」に対応するために、短期派遣可能業務に「福祉・介護分野における看護業務」を追加するよう要望しています。

厚労省は、こうした要望に対し、「雇用管理が不十分となりがちな面から、看護師本人の過重負担(入所者等からのハラスメントにも十分に対応できない可能性がある)を招く可能性があり、結果として『医療安全』にも影響が及ぶおそれがある」とし、看護業務の短期派遣(日雇い派遣)には極めて慎重な姿勢を崩していません。

ただし、⽇本派遣看護師協会では、▼夜勤、点滴・注射等の診療補助業務は、看護師にとって「あたり前の⽇常業務」で、安全衛⽣管理上も特別留意する必要がある業務ではない▼福祉・介護分野では⻑期派遣が既に認められ、安全衛⽣管理もきちんとなされており、短期派遣ゆえに特段の問題が発⽣するとは考えられない―と反論しており、今後も議論が続けられます。

我が国初の3剤配合高血圧治療薬「ミカトリオ配合錠」、医師の処方権はどこまで

ところで、我が国初の「3剤配合剤」である高血圧治療薬のミカトリオ配合錠(成分名:テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩/ヒドロクロロチアジド)については、「配合されている成分の量を調節することができず、▼過剰な血圧低下のおそれ▼副作用が生じた場合の原因特定が困難▼投薬の調整が困難—」という配合剤の性質に照らし、▼原則として、テルミサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジドを8週間以上、同⼀⽤法・⽤量で継続して併⽤し、安定した⾎圧コントロールが得られている場合に、本製剤への切り替えを検討する▼本製剤への切り替えに当たり、「テルミサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジドの併⽤療法として使⽤していた品名・使⽤期間」「テルミサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジドの併⽤療法における⾎圧コントロールの状況、安定した⾎圧コントロールが得られていると判断した際に参照した⾎圧測定値、当該⾎圧測定の実施年⽉⽇」をレセプトに記載する―ことが求められています(関連記事はこちらこちら)。

しかし特定非営利活動法人「日本高血圧協会」は、▼過剰降圧の可能性は、3剤併用の段階で分かる▼配合剤は初期投与に用いず、「減量が必要な時」には2剤の配合剤に戻して調整できる▼3剤併用から切り替え時に副作用が生じた場合、「賦形剤が疑われる」—とし、上記のレセプト記載要件を廃止し、「医師の裁量権に任せた処方」を可能とするよう要望しています。

 
 

 

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