統括的な役割を担う保健師、すべての都道府県、過半数の市町村に配置―厚労省



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 今年(2018年)5月1日時点の地方自治体における常勤保健師数は前年度に比べて1.6%増加して3万5088人となり、統括的な役割を担う保健師はすべての都道府県、53.0%の市町村に配置されたが、本庁への保健師配置は、都道府県では16.8%に、市町村では32.9%にとどまっている―。

 厚生労働省が11月9日に公表した2018年度の「保健師活動領域調査(領域調査)」の結果から、こういった状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちら)。

市町村保健師数がついに3万人を突破、ただし小規模自治体では配置に苦戦も

 厚労省は、毎年5月1日時点の自治体における保健師の配置・活動状況を調べ、公表しています(配置状況をみる「領域調査」は毎年度、活動状況をみる「活動調査」は3年度ごと)。2018年度は、前者の配置状況を調べています。

要介護度が高くなっても、住み慣れた地域での生活を維持できるよう、各地域の実情に応じた「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。在宅医療・介護サービスの提供が重要なことに疑いはありませんが、健康維持や疾病・介護予防で大きな役割を果たす保健師への期待がますます高まっています(関連記事はこちら)。

 今年(2018年)5月1日の配置状況を見ると、次のようになっています。

(1)地方自治体における常勤保健師数の合計は、前年に比べて566人・1.6%増加し3万5088人(都道府県に5081人・14.5%、市区町村に3万7人・85.5%が在籍)

→市町村、とくに保健所設置市における保健師配置が増加していますが、小規模な自治体では苦戦状況が伺われます(その他の市町村では前年から0.7ポイントダウン)
保健師活動領域調査1 181109
 
(2)所属部門別に見ると、都道府県では▼本庁に854人・16.8%▼保健所に3619人・71.2%―、市区町村では▼本庁に9885人・32.9%▼保健所に3383人・11.3%▼市町村保健センターに1万1552人・38.5%―が所属している

→健康増進や疾病予防に関する企画立案に保健師が積極的に関わっていくことが期待されており、本庁への更なる保健師配置増が待たれます。
保健師活動領域調査2 181109
 
(3)統括的な役割を担う保健師は、都道府県ではすべて(47自治体・100.0%)、市区町村では922自治体・53.0%に配置されている
保健師活動領域調査3 181109
 
 「統括的な役割を担う保健師」とは、「保健師の保健活動を組織横断的に総合調整および推進し、技術および専門的側面から指導する役割を担う保健師」をさします。基礎自治体である市町村のうち、過半数に「統括的な役割を担う保健師」が配置されるに至ったことは、今後の地域包括ケアシステム構築や、健康寿命の延伸などに向けて「朗報」と言えるでしょう。

ただし、自治体の種類別に見ると、保健所設置市では77.5%(前年度に比べて10.7ポイント増)に達しましたが、特別区(東京23区)では47.8%(前年度に比べて22.2ポイント増)、その他市町村では51.8%(同6.0ポイント増)となっており、今後は、とくに小規模な自治体での統括的役割を果たす保健師の確保が重要な課題になると言えるでしょう。

 
 

 

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