西日本豪雨の被災者、健保組合や国保等から「保険者証等の再交付」受け、医療機関等での提示を—厚労省



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 西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で被災し、被保険者証を紛失していた方は、健康保険組合や国民健康保険などの医療保険者に「被保険者証の再交付」を申請し、来年(2019年)1月からは、通常どおり医療機関等で保険診療を受けるためには、被保険者証を提示するようにしてほしい―。

 厚生労働省は10月24日に事務連絡「平成30年7月豪雨による被災者に係る被保険者証等の提示について」を示し、こうした点を要請しました。

 
 今年(2018年)7月に西日本を中心に未曾有の豪雨被害が発生しました。着の身着のままで避難せざるを得ず、医療保険の「被保険者証」(保険証)や、難病等の「医療受給者証」を持たない方もおられることでしょう。

 厚労省は特例的な救済措置として、「被保険者証を持たずに避難したために、医療機関窓口に提示できない場合であっても、医療機関の窓口で▼氏名▼生年月日▼連絡先(電話番号等)▼被用者保険(健保組合や協会けんぽ)の被保険者では事業所名(会社名)▼国民健康保険・後期高齢者医療制度(75歳以上の方が加入)の被保険者では住所▼国保組合では、住所と組合名―を申し立てることで、保険診療が受けられる」こととしました(関連記事はこちら)。

 この点、各医療保険者(健保組合や協会けんぽ、国民健康保険など)が被保険者証の再交付を随時実施している状況に鑑みて、厚労省は「来年(2019年)1月1日以降は、原則として通常どおり被保険者証等を提示することにより資格確認を行う」方針を決めたものです。

我が国では、誰でもが何らかの公的医療保険制度に加入し、収入等に応じて保険料を収めることになっています(国民皆保険)。これにより、年齢・収入に応じた一部負担金(1-3割)を支払うのみで、医療機関等を受診し、適切な診療を受けられることになります。もし、医療保険制度に加入していなければ、医療機関等を受診した場合には、医療費の全額を自分自身で支払うことになります。

このため医療機関等では、患者が医療保険制度に加入しているか否かを確認する必要があり(加入していれば1-3割の一部負担のみの支払いを求めればよいが、加入していなければ全額の支払いを求めることになる)、それを証明するものが「被保険者証」なのです。豪雨被害からの復興状況に鑑みて、「通常の取扱い」に戻すこととしたものです。

厚労省は都道府県などに対し、「被保険者証等を紛失等した方には、速やかに医療保険者(健保組合や協会けんぽ、国民健康保険など)に連絡し、被保険者証等を再交付してもらう」ことを周知するよう求めています。

また、被保険者等を紛失した方の中には、こうした「通常の取扱いに戻す」ことを知らず、来年(2019年)1月1日以降も、保険証なしで医療機関等を受診するケースがあると思われます。この場合、特例の救済措置(▼氏名▼生年月日▼連絡先(電話番号等)▼事業所名や住所など―を申告することで、保険診療を受けられる)の継続も可能ですが、その場合には、患者が被保険者証等の再交付を速やかに受け、後に医療機関等に▼保険者番号▼被保険者証等の記号・番号―を必ず連絡することが求められます。

医療保険制度は、加入者の収める保険料等をもとに医療費の支払いを行っており、加入者以外への医療費支払いは加入者の不当な負担を求めることになります。「被保険者証等を紛失しているだけ」のか、「そもそも医療保険制度に加入していない」のかをきちんと医療機関等が判断できるよう、患者側も協力する必要があります。
 
 

 

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