単回使用医療機器、「単回使用とした理由」「複数回使用製品を製造できない理由」など透明化せよ―日病・相澤会長



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 昨年(2017年)から認められた「再製造単回使用医療機器」の普及・促進に向けて、価格を低く抑えるとともに、エンドユーザーを含めた検討の場を設置してほしい。また、単回使用医療機器については、その理由等を明確にするとともに、単に「再使用禁止」とするのみでなく、同等の機能を持つ複数回使用医療機器の開発を急ぐべきである―。

 日本病院会の相澤孝夫会長は10月12日に、厚生労働省医政局の吉田学局長に宛てて、このような要望を行いました(日病のサイトはこちら)。

メーカーの責任で単回使用製品を洗浄・滅菌し「再製造」可能としているが・・・

 医療機器や材料の中には、医療安全・感染防止を担保するため「一度しか使用してはならない」と定められている製品があり、「単回使用医療機器」「シングルユースデバイス:Single-use device、SUD」と呼ばれています。

しかし、一部医療機関においてSUDである「骨に穴をあけるドリルバー」「骨切断に用いるブレード」を洗浄・滅菌して使用している事実が判明。厚生労働省は昨年(2017年)9月に通知「単回使用医療機器の取扱いの再周知及び医療機器に係る医療安全等の徹底について」を発出し、単回使用医療機器については特段の合理的理由がない限り「再使用しない」ことを徹底する(ペースメーカーや人工弁などの埋め込み型医療材料などについては、医療安全・感染防止を担保するため、性能・安全性を十分に保証し得ない場合は再使用してはならない)などの対策を求めています(関連記事はこちら)。

一方、昨年(2017年)7月には、医療機器製造販売業者が、自身の責任で使用済の単回使用医療機器を▼適切に収集▼分解▼洗浄▼部品交換▼再組立て▼滅菌—などし、新たな単回使用医療機器として販売することを認める「再製造単回使用医療機器」制度を創設。ただし、「医療機関が洗浄・滅菌し、単回使用医療機器を再利用できる」ものではありません(関連記事はこちら)。

医療機器製造販売業者が、使用済の単回使用医療機器を回収し、洗浄・滅菌などし再製造する仕組みが新設された
医療機器製造販売業者が、使用済の単回使用医療機器を回収し、洗浄・滅菌などし再製造する仕組みが新設された
 
こうした状況について相澤日病会長は、疑問を提示しています。例えば、単回使用医療機器は、「なぜ単回使用(シングルユース)とされているのか」「複数回使用できる製品(リユース品)を開発できないのか」が明らかにされていません。また、再製造制度については、「洗浄しやすい構造となっているのか」「滅菌法の提示はなされているのか」「エビデンスに基づいた耐用回数は示されているのか」という点が曖昧となっています。

こうした中では、医療機関サイドが、「複数回使用できる製品(リユース品)を製造せず、メーカーの経営戦略などで単回使用(シングルユース)となっているのではないか」「メーカーで洗浄・滅菌等して再製造できるとされているが、安全性などは担保されているのか」「メーカーが再製造できるのであれば、洗浄・滅菌しやすい構造とし、医療機関での再利用も認められるのではないか」との考えにも至ることでしょう。特に急性期病院においては、医療機器等を多量・頻回に使用するため、経営面からしても、こうした疑問が強くなります。

そこで相澤日病会長は、こうした点について明確な基準等を設ける必要があるとし、厚労省に次のような要望を行っています。

▽再製造単回使用医療機器の普及・啓発を図るため、「低価格」とし、またエンドユーザーを含めた検討の場を設ける

▽医療機器の審査においては、「単回使用(シングルユース)とした理由」「複数回使用できる製品(リユース品)として製品化できない理由」を明らかにするとともに、「素材の研究」「再製造に向けて洗浄しやすい構造と滅菌方法」「耐用回数」などをメーカー側が提示する仕組みを設け、厚労省も医師の意見を踏まえて審査基準を明確にする

▽単回使用器材を単に「再使用禁止」とするのではなく、「素材の改良」「洗浄しやすい構造」を考案し、▼セミディスポーザブル▼リポーザブル(一部分が単回使用で、複数回使用部分と組み合わせた製品)▼リユーザブル(単回使用機器と同等の機能を持つ複数回使用可能な製品)—な製品の開発を促進する
 
 
 

 

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