看護必要度II、「一覧に記載された薬剤」の後発品も評価対象―疑義解釈8【2018年度診療報酬改定】



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 厚生労働省が10月9日に「疑義解釈資料の送付について(その8)」を公表。【重症度、医療・看護必要度】や、地域包括ケア病棟の【在宅患者支援病床初期加算】などについて、医療現場の疑問に答えています(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちら(疑義解釈7)こちら(疑義解釈6)こちら(疑義解釈5)こちら(疑義解釈4)こちら(疑義解釈3)こちら(疑義解釈2)こちら(疑義解釈1の3)こちら(疑義解釈1の2)こちら(疑義解釈1の1))。

看護必要度IIにおけるA項目の対象薬剤、後発品も評価対象であることを明確化

 2018年度診療報酬改定では、入院医療を中心に大きな見直しが行われました。例えば、従前の7対1・10対1一般病棟入院基本料を、「看護配置などに基づく基本部分」と「重症患者の受け入れ状況などの実績部分」の組み合わせとする7種類の【急性期一般入院基本料(入院料)】に再編・統合したほか、重症患者を評価するための「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)については、従前からの看護必要度評価票に基づく重症患者割合の計算方法「看護必要度I」に加え、新たにDPCのEF統合ファイルに基づく計算方法を「看護必要度II」を設けるなどの見直しを行っています。
改定説明会1の3 180305
 
「看護必要度II」については、7月10日の疑義解釈5において、次のような点が明確にされました(関連記事はこちら)。

(1)看護必要度IIでA項目の評価を行う場合、『レセプト電算処理システム用コード一覧』に記載のない「記載された薬剤の類似薬」を用いた場合でも、「記載された薬剤」に準じて評価して差し支えない。ここで言う「類似薬」とは、例えば「類似薬効比較方式で薬価算定された医薬品の場合、算定根拠となった類似薬」を指す

(2)看護必要度IIを用いるには、「届け出前3か月において『看護必要度IIの重症患者割合-看護必要度Iの重症患者割合』<0.04」との基準を満たす必要があるが、これは届け出時のみの確認でよく、継続して看護必要度IIを用いる場合には、「看護必要度Iによる評価」は必要ない
 
今般の疑義解釈8では、(1)に関連して、「同一剤形・規格の先発医薬品のある後発医薬品については、先発医薬品が『レセプト電算処理システム用コード一覧』に記載されている場合は、記載のある先発医薬品に準じて評価して差し支えない」ことが明確にされました。

もっとも、多くの後発品の出現によって、(看護必要度IIに限らず)、A項目に該当する薬剤を病棟で使用しているにもかかわらず、例えば担当看護師が「当該銘柄がA項目の評価対象となっていることを把握しておらず、評価していなかった(チェック漏れ)」という事例が従前より少なくないことがグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの調べで明らかになっています。薬剤部門との連携体制を今一度見直し▼自院で採用・使用している薬剤についての再チェック▼新たな薬剤を採用する場合の確認徹底―を行うことが重要でしょう。

在宅患者支援(療養)病床初期加算、算定対象に年齢や疾病の制限などはない

 2018年度改定では、地域包括ケア病棟(病室を含む)・療養病棟において、従前の【救急・在宅支援(療養)病床初期加算】(1日につき150点)を、▼急性期後患者の受け入れを評価する【急性期患者支援(療養)病床初期加算】(同150点)▼介護保険施設や在宅で療養する患者の急性増悪時の受け入れを評価する【在宅患者支援(療養)病床初期加算】(同300点)—に細分化しました。後者を高く評価することで、急性増悪した介護保険施設の入所者や自宅療養中の患者の受け入れを積極的に進め、「ときどき入院、ほぼ在宅」を推進する狙いがあると言えます。
2018年度診療報酬改定(地域包括ケア病棟)4 180305
 
後者の【在宅患者支援(療養)病床初期加算】は、介護施設や自宅での療養患者が、軽微な発熱や下痢等の症状を来したために入院医療を要する状態になった際に、▼地域包括ケア病棟等が「速やかに当該患者を受け入れる体制」を有していること▼厚労省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、入院時に治療方針に関する患者・家族等の意思決定に対する支援を行うこと―を評価するものです。

この点、今般の疑義解釈では、算定対象患者について、▼患者の年齢や疾患に関わらず、入院前より当該施設等又は自宅で療養を継続している患者で算定できること▼当該病院への入院が初回であっても差し支えないこと―を明らかにしました。高齢の在宅患者に限らず、若年者でも当該加算の算定が可能です。

医師事務作業補助体制加算、補助者としての配置前に基礎研修を受けていてもよい

【医師事務作業補助体制加算】は、医師の負担軽減に「大きな効果がある」と医療現場で高く評価されており、2018年度改定でも点数引き上げなどの見直しが行われました。

医師の事務作業を補助する専従者を配置し、医師の指示の下で▼診断書などの文書作成補助▼診療記録への代行入力▼診療に関するデータ整理▼院内がん登録等の統計・調査▼医師等の教育や研修・カンファレンスのための準備作業▼救急医療情報システムへの入力▼感染症サーベイランス事業に係る入力—などの事務作業を補助させることで、医師の負担軽減を図っています。この点、補助者にも一定の医療に関する基礎知識が求められますが、今般の疑義解釈では、「医師事務作業補助者として配置される前に基礎知識習得に係る研修を既に受けている場合には、改めての研修を受ける必要はない」ことが明確にされました。

 
このほか、次のような点も明確にされています。

●在宅酸素療法指導管理料・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の【遠隔モニタリング加算】
▽「療養上必要な指導」は、予め作成した診療計画に沿って、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な情報通信機器を用いて実施することが原則であるが、「患者から事前に合意を得ている」場合に限り、リアルタイムの視覚情報を含まない電話等の情報通信機器を用いた指導を行っても差し支えない

▽「療養上必要な指導」は、医師以外が行った場合に算定できない

 
●【認知療法・認知行動療法】
▽【認知療法・認知行動療法2】の要件となる研修には、現時点では▼厚労省認知行動療法研修事業による「認知療法・認知行動療法ワークショップ」(2012年度に国立精神・神経医療研究センター、滋賀医科大学で実施したもの、2013年度以降に認知行動療法開発センターが実施したものに限る)▼日本精神科病院協会による「認知行動療法研修会」(2017年度以降実施のものに限る)▼北海道認知行動療法センターによる「認知行動療法基礎ワークショップ」(2017年度以降実施のものに限る)—が該当する

▽今年(2018年)3月31日において、旧【認知療法・認知行動療法1】を届け出ていた医療機関が新【認知療法・認知行動療法1】を、旧【認知療法・認知行動療法2】を届け出いた医療機関が新【認知療法・認知行動療法1】を、旧【認知療法・認知行動療法3】を届け出ていた医療機関が新【認知療法・認知行動療法2】を算定する場合には、届け出のし直しは不要である

 
●【BRCA1/2遺伝子検査】(2018年6月1日付で保険収載、関連記事はこちら
▽乳がん患者についてBRCA1・BRCA2遺伝子変異を検出し、抗がん剤「オラパリブ」(販売名:リムパーザ錠)の投与が効果的かどうかを判断する検査であるが、【遺伝カウンセリング加算】(D026【検体検査判断料】の加算)の施設基準に係る届出を行っている険医療機関でのみ算定が可能であるが、【遺伝カウンセリング加算】の算定には、当該医療機関で「検査の実施」と「遺伝カウンセリング」を併せて実施することが必要で、当該医療機関で検査を実施し、連携医療機関で遺伝カウンセリングを実施した場合には、いずれの医療機関とも【遺伝カウンセリング加算】は算定できない

▽「以前に、オラパリブ投与に関した治験等に参加し、その際にBRCA1/2遺伝子検査と同等の検査でBRCA遺伝子変異を確認されていた患者」について、手術不能・再発乳がんに対してオラパリブ投与を検討する場合、「以前に行った検査」で投与の判断を行ってもよい
 
  
 

 

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