天疱瘡と水疱性類天疱瘡との鑑別診断補助のための新検査を10月から保険収載—厚労省



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 D014【自己抗体査】に、新たに「抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定」を加える―。

厚生労働省は9月28日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こういった点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら(通知)こちら(通知)とこちら(中医協資料))。10月1日から適用されています。

 
 「天疱瘡」は、皮膚・粘膜に病変が見られる自己免疫性水疱性疾患で、一定の重症基準を満たす患者においては医療費助成が行われる「指定難病」となっています(告示番号35)。

一方、「水疱性類天疱瘡」は、血液中に「表皮と真皮の境となる基底膜部に対する自己抗体」が生じ、表皮の基底膜にある自己抗原に結合して、表皮と真皮の接着を悪くし、水疱をつくる疾患で、こちらも「指定難病」となっています(告示番号162)。

 日本皮膚科学会によれば、両者の治療法は基本的に同じですが、薬剤量などが異なるため「両者の鑑別」が重要となってきます。9月26日の中央社会保険医療協議会・総会では、両者の鑑別診断を補助するための新たな臨床検査「デスモグレイン1抗体・デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定」の保険収載が了承されました(関連記事はこちら)。

 「天疱瘡」では、表皮細胞間の細胞接着分子に対する抗表皮細胞間抗体(主にデスモグレイン1抗体・デスモグレイン3抗体)が関係し、「水疱性類天疱瘡」は表皮基底膜部のヘミデスモソーム構成タンパクに対する抗表皮基底膜部抗体(主に抗BP180抗体)が関係すると考えられており、これら3種類の自己抗体を評価することで、鑑別診断がより適切に行えると評価されたものです。

 
具体的には、「天疱瘡または水疱性類天疱瘡が疑われる患者」に対し、間接蛍光抗体法(IF法)によってより鑑別診断を目的として、▼抗デスモグレイン1抗体▼抗デスモグレイン3抗体▼BP180-NC16a抗体—を同時に測定した場合に、490点(D014【自己抗体査】の注1「本区分の9から15まで、18および30に掲げる検査を3項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず490点を算定」に準ずる)を算定できます。

天疱瘡についての鑑別診断目的の対象患者は、厚労省難治性疾患政策研究事業研究班による「天疱瘡診断基準」により、「天疱瘡が強く疑われる患者」に限定されます。

なお、天疱瘡・水疱性類天疱瘡の鑑別診を目的として、「本検査」と、D014【自己抗体検査】の「29 抗デスモグレイン3抗体若しくは抗BP180-NC16s抗体」(270点)またはD014【自己抗体検査】の「36 抗デスモグレイン1抗体」(300点)を併せて測定した場合は、「主たるもの」のみ算定可能です。
 
 
 

 

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