非侵襲中耳加圧装置を用いたメニエール病等治療、【在宅自己導尿指導管理料】を準用―厚労省



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 メニエール病、遅発性内リンパ水腫の患者に対し非侵襲中耳加圧装置を用いた療養を実施する場合でも、C106【在宅自己導尿指導管理料】(1800点)を準用することを認める―。

 厚生労働省は8月31日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を発出し、こういった点を明らかにしました。9月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら(通知)こちら(中医協資料))。

メニエール病等の治療で、非侵襲的な新たな選択肢

 8月22日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、非侵襲的に内耳腔を加圧することで、内耳に貯まったリンパ液の排出を促し、▼メニエール病▼遅発性内リンパ水腫—に起因するめまい発作を抑制する医療機器(非侵襲的内耳加圧装置 EFET01)の保険収載が認められました。治験等において「有意なめまい発作の抑制」などが認められ、これまで高侵襲であったメニエール病等に対する治療(▼選択的前庭機能破壊術▼内リンパ嚢解放術—など)に変わる、非侵襲的・有効な治療になりうると考えられたためです(関連記事はこちら)。

 ただし、本医療機器については、特定保険医療材料としては設定せず、自然排尿が困難な患者が、在宅で自ら実施する排尿法を医師が指導することを評価するC106【在宅自己導尿指導管理料】(1800点)の準用を認めることとなりました(医療機器の費用は本点数に含まれる)。「体内からの液体の強制排出」という点で共通点があると言えるかもしれません。

本点数を算定できるのは、「▼メニエール病▼遅発性内リンパ水腫—の患者に対し非侵襲中耳加圧装置を用いた療養を実施する場合に、医師が患者または患者の看護者に対して、当該療法の方法、注意点、緊急時の措置等に関する指導を行い、当該患者の指導管理を行う」場合です。指導は「関連学会の定める適正使用指針」に沿って実施しなければなりません。

その際、▼J064【導尿(尿道拡張を要するもの)】▼J060【膀胱洗浄】▼J060-2【後部尿道洗浄(ウルツマン)】▼J063【留置カテーテル設置】—の費用(薬剤、特定保険医療材料に係る費用を含めて)は算定できません。

また、メニエール病・遅発性内リンパ水腫の患者に対し非侵襲中耳加圧装置を用いた療養の指導を実施し、本点数を算定する場合には、▼C005【在宅患者訪問看護・指導料】▼C005-1-2【同一建物居住者訪問看護・指導料】▼C119【在宅経肛門的自己洗腸指導管理料】—における次の規定は適用されません。

[C005【在宅患者訪問看護・指導料】、C005-1-2【同一建物居住者訪問看護・指導料】において適用されない規定]

▽算定は週3日を限度とし、末期の悪性腫瘍や多発性硬化症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの『厚生労働大臣が定める疾病等の患者』では週4日以上算定できる

○厚生労働大臣が定める疾病等の患者
▼特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の患者
末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がII度またはIII度のものに限る))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群もしくは頸髄損傷の患者、または人工呼吸器を装着している患者

▼特掲診療料の施設基準等別表第8に掲げる状態等の患者
在宅悪性腫瘍等患者指導管理、もしくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者、または気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している状態にある者、在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理または在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者、人工肛門または人工膀胱を設置している状態にある者、真皮を越える褥瘡の状態にある者、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

 
▽【在宅移行管理加算】は、当該医療機関の退院日から起算して1か月以内の期間に次のいずれかに該当する特別な管理を必要とする患者や、その家族からの相談等に対し、24時間対応体制が整備されている医療機関において、患者1人につき1回に限り算定する。

○特別な管理を必要とする患者
▼C108【在宅悪性腫瘍等患者指導管理料】の算定患者、C112【在宅気管切開患者指導管理料】の算定患者、気管カニューレを使用している患者、留置カテーテルを使用している患者
※「重症度等の高い患者」とする

▼C102【在宅自己腹膜灌流指導管理料】、C102-2【在宅血液透析指導管理料】、C103【在宅酸素療法指導管理料】、C104【在宅中心静脈栄養法指導管理料】、C105【在宅成分栄養経管栄養法指導管理料】、C106【在宅自己導尿指導管理料】、C107【在宅人工呼吸指導管理料】、C107-2【在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料】、C110【在宅自己疼痛管理指導管理料】、C111【在宅肺高血圧症患者指導管理料】のうち、いずれかを算定している患者

▼人工肛門または人工膀胱を設置し、その管理に配慮を必要とする患者

▼「NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類III度またはIV度」または「DESIGN-R分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4、D5又は D5エ」のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者

▼C005-2【在宅患者訪問点滴注射管理指導料】を算定している患者

 
[C119【在宅経肛門的自己洗腸指導管理料】において適用されない規定]

▽本管理料とC106【在宅自己導尿指導管理料】を算定すべき指導管理を同一患者に行った場合は、2020年3月31日までの間に限り、それぞれ月1回に限り所定点数を算定する

 
 このほか、今般の通知では、次のような点も見直されています。

▽D006-2【造血器腫瘍遺伝子検査】において、新たに「本検査の実施に際し、D006-2【造血器腫瘍遺伝子検査】およびD006-4【遺伝学的検査】の点数を準用して算定する場合は、厚生労働大臣の定める施設基準の規定は適用しない」旨を算定上の留意事項として追加する

▽K686【内視鏡的胆道拡張術】において、新たに「経内視鏡的に経胃または経十二指腸的に膵嚢胞との瘻孔造設を行った場合は、当該点数を準用して算定できる。なお、この場合は『バルーン内視鏡を用いて実施した場合の加算(3500点)は、術後再建腸管を有する患者に対して実施した場合のみ算定できる』旨の規定は適用しない」旨を算定上の留意事項として追加する

 
 

 

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