テモゾロミド、保険診療上、小児等の難治性ユーイング肉腫治療にも使用可―厚労省



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悪性神経膠腫の治療に用いる「テモゾロミド」(販売名:テモダールカプセル20mg、同カプセル100mg、同点滴静注用100mg)を、【再発または難治性のユーイング肉腫】治療にも用いることを保険診療上、認める―。

 厚生労働省は8月3日に通知「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」を発出し、こうした点を明確にしました。同日から保険診療でこれら薬剤を使用することが可能です。

ユーイング肉腫治療に用いる場合は、抗がん剤「イリノテカン」と併用

 「欧米の先進諸国では使用できる医療用医薬品が、我が国では保険診療において使用できない。最新の医療技術へのアクセスが阻害されてしまっている」という、いわゆるドラッグラグが従前より問題視されてきました。厚労省はラグの解消に向けた取り組みを積極的に実施しており、例えば「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、我が国では未承認・適応外となっている医薬品について製薬メーカーに開発要請を行う、などの対策をとっています。

さらに未承認・適応外薬の開発促進に向けて、2010年度の薬価制度改革では新薬創出・未承認薬解消等促進加算を創設(当初は試行導入であったが、2018年度の薬価制度改革で制度化)。また、医療保険サイドからドラッグラグ解消に向けて強力にアプローチするために、2010年8月25日の中央社会保険医療協議会・総会で「適応外使用とされている医薬品であっても、薬事・食品衛生審議会(薬食審)の事前審査で『公知申請を行っても差し支えない』と判断された場合には、翌日から自動的に保険収載する」という特例ルールが創設されました。

 保険診療では、医薬品は「効能・効果が認められた傷病の治療」以外に用いることはできません(仮に使用すれば、それは自由診療となり、当該治療全体が全額患者負担となる)。「新たな傷病の治療に効果がある」と考えられる場合には、治験などを実施してエビデンスを揃え、薬食審で効能・効果追加の承認を得ることが原則です。安全性・有効性が確保されていない治療を、貴重な公的財源(保険料、税)で賄うことは好ましくないからです。

しかし、エビデンスの確保、審査などには相当の時間がかかるため、この原則をあまりに厳格に遵守すれば「今現在、疾病と闘っている患者」が最新の医療技術(医薬品)にアクセスするチャンスを大きく阻害してしまいます(重篤な疾患であるほど、酷な状況となる)。そこで中医協で、「医療保険の原則」と「最新の医療技術へのアクセス」とのバランスに配慮し、上記の特例ルールが創設したものです。過去の例に照らし、海外の論文など(公知)で一定の有効性・安全性が確保され、それをもとに薬食審の事前審査で「公知申請を認めて良い」と判断された場合、後に効能・効果追加が認められている、という実態に鑑みた結果といえます。本特例ルールにより「公知申請を認めてよいとの事前審査から、実際に効能・効果追加が行われるまでの期間」分(概ね6か月程度とされる)、保険収載を前倒しすることが可能となっています。

 
 今般、この特例ルールにより、悪性神経膠腫の治療に用いる「テモゾロミド」(販売名:テモダールカプセル20mg、同カプセル100mg、同点滴静注用100mg)を、【再発または難治性のユーイング肉腫】(小児や若年者の骨や軟部組織に発生する肉腫で、小児に発生する骨腫瘍では骨肉腫に次いで2番目に多い)の治療にも用いることが保険診療上、認められました(2018年8月3日以降)。

その際の用法・用量としては、▼抗がん剤の「イリノテカン」(販売名:カンプト点滴静注、トポテシン点滴静注、ほか後発品多数)と併用する▼通常、「テモゾロミドとして1回につき体表面積1平米当たり100mgを1日1回、連日5日間投与し、16日間以上休薬する」ことを1クールとし、投与を反復する▼患者の状態により適宜減量する―こととされました。

 
 

 

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