75-79歳の女性の24.1%、80歳以上の女性の30%が「単独世帯」で生活―2017年国民生活基礎調査



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 65以上の高齢者がどのような世帯で生活しているのかを見ると、女性では年齢階級が上がるにつれて「単独世帯」が増加し、2017年には80歳以上の女性のうち、3割は「単独世帯」で生活している実態がある―。

 厚生労働省が7月20日に公表した2017年の「国民生活基礎調査の概況」から、このような状況が明らかになりました(前年の記事はこちら)(厚労省のサイトはこちら)。

世帯人員数の減少は一時休止、高齢者では6割近くが「単独」「夫婦のみ」の世帯

 厚労省は毎年、保健、医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎的事項を調べ、「国民生活基礎調査」として公表しています。3年に1度、大規模な調査が、中間年には簡易的な調査が行われており、2017年は簡易的な調査となりました。

 まず2017年6月1日現在の全国の世帯総数を見ると、5042万5000世帯で、前年に比べて48万世帯増加しました。平均世帯人員は2.47人で、前年からの増減はありません。
2017国民生活基礎調査1 180720
 
 65歳以上の高齢者のいる世帯は2378万7000世帯で、前年に比べて37万8000世帯・1.6%減少しました。全世帯に占める割合は47.2%で、前年に比べて1.2ポイント減少しています。
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 65歳以上の高齢者のいる世帯について、その内訳を見てみると、最も多いのは「夫婦のみの世帯」で32.5%(前年比1.4ポイント増加)、次いで「単独世帯」26.4%(同0.7ポイント減少)、「親と未婚の子のみの世帯」19.9%(同0.8ポイント減少)、「三世代世帯」11.0%(同増減なし)という状況です。6割弱(58.9%)が「夫婦のみ」「単独」世帯となっています。

高齢の女性で単独世帯が多く、生活支援サービス等の充実が望まれる
高齢の女性で単独世帯が多く、生活支援サービス等の充実が望まれる
  
 また、65歳以上の者のいる世帯のうち、高齢者世帯(65歳以上の者のみ、これに18歳未満の未婚の者が加わった世帯)は1322万3000世帯で、65歳以上の高齢者のいる世帯の55.6%を占めています。その内訳は、▼男性の単独世帯15.5%(同0.3ポイント減少)▼女性の単独世帯32.0%(同1.6ポイント減少)▼夫婦のみの世帯48.7%(同2.0ポイント増)—などという状況です。女性では、男性に比べて「より高齢の単独世帯」が多くなっています。

高齢女性では年齢階級が上がるにつれ「単独世帯」が増加、80歳以上では3割に

 視点を変えて、「65歳以上の高齢者が、どのような世帯で生活されているのか」を見てみましょう。

65歳以上の高齢者は3519万5000人で、「夫婦のみの世帯で暮らす」人が最も多く40.3%、次いで「子と同居」37.6%、「単独世帯」17.8%などと続きます。

 男女別に見ると、男性では単独世帯で暮らす人の割合が12.9%であるのに対し、女性では21.9%を占めています。さらに年齢階級別に見ると、男性ではすべての階級で10%台前半ですが、女性では▼65-69歳:14.5%▼70-74歳:18.4%▼75-79歳:24.1%▼80歳以上:30.0%―と、高齢になるにつれて単独世帯の割合が増加していきます。全体的には、女性の方が長命なため、「夫婦のみ世帯」→「男性配偶者の死亡」→「女性の単独世帯」増という構図が考えられそうですが、もう少し詳しい分析に期待が集まります。

高齢男性において、単独世帯生活者の割合は年齢による差は少ないが、女性では年齢階級が上がるにつれて「単独世帯」生活者が増加する
高齢男性において、単独世帯生活者の割合は年齢による差は少ないが、女性では年齢階級が上がるにつれて「単独世帯」生活者が増加する
 
 単独世帯ではもちろん、高齢の夫婦のみの世帯では、世帯員が要介護状態となった場合に「在宅生活を継続するのか」「施設等に入所するのか」を緊急の課題として検討しなければいけません。訪問・通所サービスを充実して、住み慣れた居宅での生活を可能な限り長くすることはもちろん、「介護保険制度を初め、居宅生活を継続するためのさまざまな支援」について分かりやすく説明し、高齢者自身が適切に選択できる環境を整えることが、今後、ますます重要になってきます。

児童のいる世帯は増加、少子化に歯止めは?

 次に18歳未満の児童のいる世帯数を見ると、2017年6月1日には1173万4000世帯で、前年に比べて6万8000世帯・0.6%増加しています。また世帯における児童数の構成を見ると、1人が44.3(同2.1ポイント減少)、2人が42.1(同1.7ポイント増加)、3人以上が13.6%(同0.5ポイント増加)で、この点だけを見ると、少子化の進行にわずかながらブレーキがかかったようにも見えます。今後の動向を注視する必要があるでしょう。

世帯の所得増加に伴い、「生活が苦しい」との意識も減少傾向

 最後に所得の状況を眺めてみましょう。2016年の1世帯当たりの平均所得金額は、「全世帯」では560万2000円(同14万8000円・2.7%増加)、「高齢者世帯」では318万6000円(同10万5000円・3.4%増加)、「児童のいる世帯」では739万8000円(同32万2000円・4.6%増加)となりました。

 これに伴い、生活が「苦しい」「大変苦しい」と回答した世帯の割合は徐々に減少し、2017年6月時点では全体の55.8%(大変苦しい23.8%、やや苦しい32.0%)に減少しました(2014年:62.4%→2015年:60.3%→2016年:56.5%)。

近年、「生活が苦しい」との意見は減少傾向にある
近年、「生活が苦しい」との意見は減少傾向にある
 
 

 

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