2014年以降、「12月分」も在院日数短縮と利用率上昇を両立―病院報告、2017年12月分



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 2014年以降の「12月分」の平均在院日数・病床利用率を見ると、平均在院日数は徐々に短縮し、病床利用率も向上に転じており、「新規入院患者をしっかり確保しながら、平均在院日数を短縮して医療の質を高めている」という理想的な状態にある―。

 このような状況が、厚生労働省が4月6日に公表した2017年12月分の病院報告から分かりました(厚労省のサイトはこちら)。

例年、11月末から12月末にかけて、一般病床の利用率は大幅ダウン

 厚労省は毎月、病院の(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を「病院報告」として公表しています(2017年11月分の状況はこちら、10月分の状況はこちら、9月分の状況はこちら)。

 昨年(2017年)12月における(1)の1日平均患者数は、病院全体で入院124万7855人(前月比2277人・0.2%減)、外来134万8063人(同3万2121人・2.3%減)となり、入院はほぼ横ばい、外来は減少となりました。

医療法上の病床種別に入院患者数の動向を見ると、▼一般病床:67万7792人(同2167人・0.3%減)▼療養病床:28万4996人(同1155人・0.4%増)▼精神病床:28万3280人(同1221人・0.4%減)▼結核病床:1728人(同41人・2.3%減)―などという状況です。療養病床をのぞき、減少となっています。

2017年12月、前月に比べて病院の患者数は、入院はほぼ横ばい、外来は減少
2017年12月、前月に比べて病院の患者数は、入院はほぼ横ばい、外来は減少

 
 (2)の平均在院日数については、病院全体では27.4日で前月と比べて0.5日短縮しました。病床種別に見ると、▼一般病床:15.8日(前月と比べて0.3日短縮)▼療養病床:137.9日(同4.2日短縮)▼介護療養病床:306.4日(同3.7日延伸)▼精神病床:271.2日(同1.2日短縮)▼結核病床:65.7日(同0.6日短縮)―となり、介護療養を除き短縮していることが分かります。

2017年12月、一般病床の平均在院日数は前月に比べて短縮している
2017年12月、一般病床の平均在院日数は前月に比べて短縮している

 
 また(3)の月末病床利用率に目を移すと、病院全体では72.6%で、前月に比べて8.1ポイントも低下しています。病床種別に見ると、▼一般病床:62.7%(前月比14.3ポイント低下)▼療養病床:87.5%(同0.4ポイント上昇)▼介護療養病床:90.5%(同0.7ポイント上昇)▼精神病床:85.4%(同0.1ポイント上昇)▼結核病床31.9%(同1.2ポイント低下)―という状況です。一般病床の大幅低下が目を引きますが、「年末年始は自宅に戻りたい」という患者の要請に応えているといった背景もあり、また例年同様の傾向にあることから驚くには値しないでしょう。

例年、12月末の病床利用率は前月(11月)末から大幅に下がる
例年、12月末の病床利用率は前月(11月)末から大幅に下がる

11月分に続き、12月分でも「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」を両立

 一般病床における12月分の平均在院日数の推移を見てみると、▼2012年:17.2日→(0.3日短縮)→▼2013年:16.9日→(0.7日短縮)→▼2014年:16.2日→(0.3日短縮)→▼2015年:15.9日→(0.1日延伸)→▼2016年:16.0日→(0.2日短縮)→▼2017年:15.8日―となっています(厚労省のサイトはこちら、ページ下部に毎月の状況がまとめられています)。2014年以降、概ね短縮が続いていると考えてよさそうです。

 一方、月末病床利用率は、▼2012年:61.4%→(1.1ポイント低下)→▼2013年:60.3%→(0.6ポイント上昇)→▼2014:60.9%→(1.4ポイント低下)→▼2015年:59.5%→(1.3ポイント上昇)→▼2016年:60.8%→(1.9ポイント上昇)→▼2017年:62.7%―という状況です(厚労省のサイトはこちら、ページ下部に毎月の状況がまとめられています)。増減がありますが、2014年以降、上昇傾向にある点が目立ちます。

 メディ・ウォッチで度々お伝えしているとおり、平均在院日数の短縮は、▼急性期病院における重症患者割合の向上▼DPC対象病院の「II群要件」の1つである「診療密度」向上―などに大きく寄与するなど、経営面で非常に重要な要素です。加えて「院内感染」や「ADL低下」のリスクも軽減でき、医療の質向上にも貢献します。さらに、患者の早期「日常生活への復帰」(例えば早期に職場復帰し、生活の安定を取り戻すなど)を可能とし、QOL向上にも大きく寄与します。したがって急性期入院医療に限らず、すべての医療機関が在院日数短縮を目指すべきと言えます。

 しかし、単純な在院日数短縮は「空床」を生み(病床利用率が低下)、新規入院患者数の増加が伴わなければ経営状況の悪化を招きます。そこで、▼かかりつけ医等と連携した、重症の紹介患者を確保▼救急搬送患者の積極的な受け入れ―といった新規入院患者の獲得策とセットで在院日数の短縮を進めることが、極めて重要です。

 「12月分」のデータに限れば、2014年以降「在院日数の短縮と、病床利用率の向上(つまり新規入院患者の獲得)とを両立できている」という、理想的な状態にあることが分かります。「10月分」「11月分」についても同じ傾向が伺え、この方向に進むことが期待されます。

 もっとも別の暦月データから、▼在院日数の短縮に新規入院患者の獲得が追いつかず、利用率が低下してしまった▼利用率が向上しているが、在院日数も伸びており、空床対策として在院日数をコントロールしている可能性が伺える―ことも分かっており、より長期の分析をしていくことが必要です(関連記事はこちらこちら)。

 
 なお我が国は人口減少社会に入っており、都市部を除く地方では、すでに患者数が減少し始めています。ここでは新規入院患者の獲得にも限界があるため、▼自院の等身大の姿(機能や人員配置等)▼他院の状況(病床機能報告の結果等)▼地域の医療ニーズ(人口動態や疾病構造の変化等)―などを早急に把握し、「ダウンサイジング」(病床の削減)や「近隣病院との再編・統合」なども視野に入れた検討を進めていくことも重要となります(関連記事はこちらこちら)。ちなみに、ダウンサイジングで空いたベッドについては、例えば介護医療院(医療、介護、住まいの3機能を併せ持つ新たな介護保険施設)への転換を考えるなど、さまざまな選択肢があります(関連記事はこちら)。

 

 

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