統合失調症治療薬やアドレナリン、【禁忌】事項などを見直し―厚労省



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厚生労働省は3月27日、多くの統合失調症治療薬や、ショック・アナフィラキシーなどの補助治療に用いるアドレナリンにおいて、【禁忌】や【相互作用】の見直しの必要があるとし、医療機関に注意を呼び掛けています(厚労省のサイトはこちら)。

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の7医薬品です。厚労省は製薬メーカーに対してできるだけ早く「使用上の注意」を改訂するよう指示しています。臨床現場で極めて広く使われている医薬品もあり、十分に注意する必要があります。

(1)全身麻酔剤の「プロポフォール」(販売名:1%ディプリバン注ほか、後発品多数)

▼【禁忌】から「妊産婦」を削除
▼【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】の項の「ヒト胎児への移行」に関する記載について、「妊婦または妊娠している可能性のある女性には、『治療上の有益性が危険性を上回る』と判断される場合にのみ投与する(本剤は胎児へ移行するため、新生児の呼吸抑制等が現れることがある)」と改める

 
(2)統合失調症の治療等に用いる▼「アセナピンマレイン酸塩」(販売名:シクレスト舌下錠5mg、同10mg)、▼「アリピプラゾール」(販売名:エビリファイ錠1mgほか、後発品多数)、▼「オランザピン」(販売名:ジプレキサ錠2.5mgほか、後発品多数)、▼「クエチアピンフマル酸塩」(販売名:セロクエル25mg錠ほか、後発品多数)、▼「クロカプラミン塩酸塩水和物」(販売名:クロフェクトン錠10mgほか、後発品あり)、▼「クロルプロマジン塩酸塩」(販売名:コントミン筋注10mgほか)、▼「クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバルビタール」(販売名:ベゲタミン−A配合錠ほか)、▼「クロルプロマジンフェノールフタリン酸塩」(販売名:ウインタミン細粒(10%))、▼「スピペロン」(販売名:スピロピタン錠0.25mgほか)、▼「ゾテピン」(販売名:ロドピン錠25mgほか、後発品多数)、▼「チミペロン」(販売名:トロペロン錠0.5mgほか、後発品多数)、▼「ハロペリドール」(販売名:セレネース錠1mgほか、後発品多数)、▼「パリペリドン」(販売名:インヴェガ錠3mgほか)、▼「ピパンペロン塩酸塩」(販売名:プロピタン錠50mgほか)、▼「フルフェナジンデカン酸エステル」(販売名:フルデカシン筋注25mg)、▼「フルフェナジンマレイン酸塩」(販売名:フルメジン糖衣錠(1)ほか)、▼「ブレクスピプラゾール」(販売名:レキサルティ錠1mgほか)、▼「プロクロルペラジンマレイン酸塩」(販売名:ノバミン錠5mg)、▼「プロクロルペラジンメシル酸塩」(販売名:ノバミン筋注5mg)、▼「プロペリシアジン」(販売名:ニューレプチル錠5mg)、▼「ブロムペリドール」(販売名:インプロメン錠1mgほか、後発品多数)、▼「ペルフェナジン」(販売名:トリラホン錠2mgほか)、▼「塩酸ペルフェナジン」(販売名:ピーゼットシー筋注2mg)、▼「ペルフェナジンフェンジゾ酸塩」(販売名:ピーゼットシー散1%)、▼「ペルフェナジンマレイン酸塩」(販売名:ピーゼットシー糖衣錠2mgほか)、▼「ペロスピロン塩酸塩水和物」(販売名:ルーラン錠4mgほか、後発品あり)、▼「モサプラミン塩酸塩」(販売名:クレミン錠10mg)、▼「リスペリドン(経口剤)」(販売名:リスパダール錠1mgほか、後発品多数)、▼「レボメプロマジン塩酸塩」(販売名:ヒルナミン筋注25mgほか)、▼「レボメプロマジンマレイン酸塩」(販売名:ヒルナミン錠(5mg)他、後発品多数)

▼【禁忌】の項の「アドレナリンを投与中の患者」の記載を「アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」に改める
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の「アドレナリン」の記載を「アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」と改める

 
(3)統合失調症の治療等に用いる「アリピプラゾール水和物」(販売名:エビリファイ持続性水懸筋注用300mgほか)、「パリペリドンパルミチン酸エステル」(販売名:ゼプリオン水懸筋注25mgシリンジほか)、「ハロペリドールデカン酸エステル」(販売名:ネオペリドール注50ほか)、リスペリドン(注射剤)」(販売名:リスパダールコンスタ筋注用25mgほか)

▼【禁忌】の項の「アドレナリン、クロザピンを投与中の患者」の記載を「「アドレナリン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)、クロザピンを投与中の患者」と改める
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の「アドレナリン」の記載を「アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」と改める

 
(4)治療抵抗性統合失調症の治療に用いる「クロザピン」(販売名:クロザリル錠25mgほか)

▼【禁忌】の項の「アドレナリン作動薬を投与中の患者」の記載を「アドレナリン作動薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)を投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」と改める
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の「アドレナリン作動薬」の記載を「アドレナリン作動薬[アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)、ノルアドレナリン]」と改める

  
(5)統合失調症の治療に用いる「ブロナンセリン」(販売名:ロナセン錠2mgほか)

▼【禁忌】の項の「アドレナリン、アゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、テラプレビル、コビシスタットを投与中の患者」の記載を「アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」「アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール)、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、インジナビル、ロピナビル・リトナビル配合剤、ネルフィナビル、サキナビル、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル)、テラプレビル、コビシスタットを投与中の患者」と改める
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の「アドレナリン」の記載を「アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)」と改める

 
(6)各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に用いる「アドレナリン」(販売名:ボスミン注1mgほか、後発品あり)

▼【禁忌】の項の「ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬」の記載を「次の薬剤を投与中の患者:ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りでない)」と改める
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の抗精神病薬、α遮断薬に関する記載を「抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤、フェノチアジン系薬剤、イミノジベンジル系薬剤、ゾテピン、リスペリドン)、α遮断薬〔臨床症状・措置方法:本剤の昇圧作用の反転により、低血圧が現れることがある。アナフィラキシーショックの救急治療時以外には併用しない〕」と改める

 
(7)蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療に用いる「アドレナリン」(販売名:エピペン注射液0.3mgほか)

▼【禁忌】の項の「次の薬剤を投与中の患者(ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬)」を削除する
▼【相互作用】の「併用禁忌」の項の「抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤、フェノチアジン系薬剤、イミノジベンジル系薬剤、ゾテピン、リスペリドン)、α遮断薬」を削除する
▼【相互作用】の「併用注意」の項に「抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤、フェノチアジン系薬剤、イミノジベンジル系薬剤、ゾテピン、リスペリドン)、α遮断薬」を追記する

 

 

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