訪問介護における「生活援助従事者」、合計59時間の研修を課してはどうか―厚労省



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 2018年度介護報酬改定において、新たに「生活援助中心型のサービスに従事する者に必要な知識等に対応した研修課程」が創設される。研修は、▼介護における尊厳の保持・自立支援:6時間▼老化と認知症の理解:9時間▼こころとからだのしくみと生活支援技術:24時間―などの合計59時間のカリキュラムとしてはどうか―。

 厚生労働省は2月19日に、こういった案「介護保険法施行規則第二十二条の二十三第二項に規定する厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件(仮称)」を提示。国民からの意見を募集しています(3月20日まで募集)(e-Govサイトはこちら)。

 意見を踏まえて内容を確定し、3月下旬にも関係告示を行い、4月1日からの適用となる見込みです。

介護職員初任者研修と同科目だが、カリキュラム時間は半分未満

 介護保険サービスのうち訪問介護には、▼身体介護(入浴の介助など)中心サービス▼生活援助(調理・洗濯・掃除などの家事)中心サービス―があります。

 いずれも高齢者の自立支援に不可欠なサービスですが、高齢化の進展により介護ニーズが増える一方で、少子化によりサービス提供者が不足しているとみられ、将来に向けて「サービスの機能分化を進め、生活援助については『より多様な人材』が担う」ことが必要になってきています。

 そこで2018年度介護報酬改定の論議を行ってきた社会保障審議会・介護給付費分科会では、次のような機能分化を進める考えをまとめました。あわせて、報酬の見直し(身体介護中心型では引き上げ、生活援助中心型では適正化)も行われています(関連記事はこちらこちら)。

▽身体に直接触れる身体介護について、自立支援の機能を高めることも踏まえ、現在の訪問介護員(130時間以上の研修を修了した者)が中心に担う

▽生活援助について、必要な量を確保するために人材確保の裾野を広げつつ、生活援助の自立支援の機能等を確保するため、生活援助中心型の新研修修了を必要とする

 後者の「生活援助中心型の新研修」について、厚労省が今般、カリキュラム案を提示。国民からの意見を募集しています(パブリックコメント)。

 カリキュラム案の科目建ては、訪問介護員に現在求められている「介護職員初任者研修」と同じですが、研修時間については、メリハリを付けた上で、全体として半分未満に短縮されています。

◆合計59時間(同130時間)
(1)職務の理解:2時間(介護職員初任者研修では6時間)
(2)介護における尊厳の保持・自立支援:6時間(同9時間)
(3)介護の基本:4時間(同6時間)
(4)介護・福祉サービスの理解と医療との連携:3時間(同9時間)
(5)介護におけるコミュニケーション技術:6時間(同6時間)
(6)老化と認知症の理解:9時間(同6時間)
(7)障害の理解:3時間(同3時間)
(8)こころとからだのしくみと生活支援技術:24時間(同75時間)
(9)振り返り:2時間(同4時間)

 各科目について「講義」と「演習」を一体で実施することになり、(8)の「こころとからだのしくみと生活支援技術」においては、「移動・移乗に関連した実習」が2時間盛り込まれることになります。

 また、これらとは別に30分程度の筆記試験による「修了評価」が行われる見込みです。

生活援助従事者の研修科目と研修時間(案)
生活援助従事者の研修科目と研修時間(案)
介護職員初任者研修の科目と研修時間
介護職員初任者研修の科目と研修時間

 
 意見は3月20日まで、政府の「e-Gov」(電子政府の総合窓口)などで表明することができます(e-Govサイトはこちら)。

 

 

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