高度急性期など4機能の「定量基準」、15年度から検討へ―厚労省方針



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 都道府県による地域医療構想の策定がスタートするのに合わせて厚生労働省は、「高度急性期」や「急性期」など4つの医療機能ごとの定量的な基準の具体化に向けた検討を2015年度から始めます。同省によりますと、定量的な基準は、例えば高度急性期をカバーするのに相応しい病院を位置付けるためのもので、現時点では、医療資源投入量たけでなく、入院患者の重症度などを組み込むことを想定しています。

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 同省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」による医療ニーズの推計方法をめぐる議論では、DPCデータやナショナルデータベース(NDB)から分析した医療資源の投入量を使って急性期の機能を線引きして、このうち資源投入が特に多い段階の入院患者の人数を高度急性期のニーズとみなす方向です。具体的な高度急性期のボーダーラインの目安として、「1人1日3000点」(入院料含めず)という数字も浮上しています。

 ただ、こうした数字は本来、医療ニーズの推計に使うためのもので、仮にこれだけでそれぞれの機能をカバーする病院も区分けすると、不必要な検査の実施や薬剤の投与を促したり、高度急性期の該当患者を受け入れる病院が、同じ地域に複数出てきたりすることも想定されます。このため厚労省は、例えば入院患者の重症度や手術件数、在宅復帰率といった数字も盛り込んだ「定量基準」を設定し、これらをクリアした病院を急性期医療の担い手と位置付けるイメージを、現時点で描いています。

 同省医政局の北波孝・地域医療計画課長は、地域医療構想策定ガイドラインの検討会が30日に開いた会合終了後、「定量基準の検討を来年度から始めようと思う」「(病床機能報告制度の)報告を2回くらい受けて、(状況を)見ながら検討してもらう」などと話しました。

 新しい医療計画が18年度に始まるため、遅くても17年ごろには正式な基準を固めたい考えです。現在の検討会を継続させるか、新たに話し合いの場を立ち上げるかはまだ決まっていません。
2015.1.29医療・介護行政をウォッチ 地域医療構想
 30日の検討会で厚労省は、高度急性期から慢性期の各機能に該当する患者の例として、より踏み込んだ内容を示しました==。国が年度内につくる地域医療構想の策定ガイドラインには、こうした内容を踏まえた医療機能ごとのニーズの推計方法を示します。さらに北波課長は29日の会合終了後、高度急性期などの境界となる具体的な数値もガイドラインに盛り込む考えを示しました。

 各都道府県は、病床機能報告制度によって医療機関から集めたデータや、国のガイドラインを踏まえて将来の医療ニーズを地域ごとに把握します。その上で、医療再編の地域的な単位となる「構想区域」を設定したり、それぞれの区域内での「必要病床数」(必要量)を、医療機能ごとに計算したりします。

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