2017年6月までに652件の医療事故が報告され、6割超で院内調査が完了―日本医療安全調査機構



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 今年(2017年)6月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は28件。一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしてから、累計で652件の医療事故が報告され、このうち6割超(63.4%・414件)で院内調査が完了。また遺族や医療機関からのセンターへの調査依頼は累計で40件となった―。

 こうした状況が、日本で唯一のセンターとして指定されている「医療安全調査機構」から7日に公表されました(機構のサイトはこちら)。

内科で4件、消化器科で3件の医療事故が発生

 医療事故調査制度は、事故の責任の追及ではなく「再発防止」を目指す仕組みとして、一昨年(2015年)10月にスタートしました。院長など医療機関の管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」が発生した場合、管理者はまず事故発生についてセンターに報告します(極めて重篤なケースなど、死亡が予期された症例は報告対象外)。この報告を前提として、当該医療機関で事故原因の調査(院内調査)を行い、調査結果をセンターに報告するとともに、遺族への説明を行います(関連記事はこちら)。センターでは、事故事例を集積していく中で具体的な再発防止策などを練り、今年(2017年)3月には「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―」を作成・公表しています。
 
 我が国唯一のセンターとして指定されている医療安全調査機構では、毎月、医療事故の報告状況を公表しています(前月の状況はこちら)。今年(2017年)6月には、医療事故が新たに28件報告され、制度発足からの累計報告件数は652件となりました。

 6月の報告は、病院からが26件、診療所からが2件で、診療科別に見ると▼内科5件▼整形外科4件▼消化器科3件▼循環器内科2件▼脳神経外科2件▼小児科2件―などで多くなっています。

2017年6月に、新たに28件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で652件の医療事故が報告されている
2017年6月に、新たに28件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で652件の医療事故が報告されている
  
 医療事故が発生した場合、医療現場では「患者が予期せずに死亡したが、センターに報告すべき医療事故?」「センターへの報告はどのように行うのか?」といった疑義が生じることでしょう。一方で遺族側は「家族が医療機関で死亡したが、医療事故として報告されていない。隠蔽されているのでは?」といった疑念を抱くケースもあると思われます。そこでセンターでは医療機関や遺族からの相談に対応しており、今年(2017年)6月には、新たに160件の相談がセンターに寄せられました。制度発足からの累計は3279件となっています。内訳を見ると、医療機関からが87件、遺族などからが63件、その他・不明が10件という状況です。

 医療機関からの相談内容を見ると、「報告の手続き」42件、「院内調査」31件が多くなっており、「医療事故に該当するか否かの判断」は15件にとどまりました。制度の医療現場への浸透、運用の改善(医療事故該当性の判断などを標準化するための「支援団体等連絡協議会」設置など)の効果が着実に現れています(関連記事はこちらこちら)。

 一方、遺族などからの相談の中身を見てみると、依然として「医療事故に該当するか否かの判断」が最多で、41件・65.1%となっています。ただし、この中には「制度開始前の事例」「生存事例」など、前述した報告対象に含まれないケースも入っています。「医療事故に該当するか否かの判断」に関する相談は徐々に減ってきており、国民に対する制度の浸透も伺えますが、病院団体などは「さらなる制度浸透が必要である」と厚生労働省に強く求めています(関連記事はこちら)。

センターへの相談は2017年6月に160件あり、うち87件が医療機関から、63件が遺族などからのものとなっているが、相談の中には「制度の対象外の事例」も含まれている
センターへの相談は2017年6月に160件あり、うち87件が医療機関から、63件が遺族などからのものとなっているが、相談の中には「制度の対象外の事例」も含まれている
 
 冒頭に述べたとおり、医療事故調査制度の目的は「再発防止」にあります。したがって制度上、「医療事故が発生した医療機関自らが、原因究明に向けた調査を行う」ことが基本となります(自ら、院内のルールや医療内容を点検することで、改善が図られ、事故防止につながるとの考え方に立つ)。今年(2017年)6月に新たに院内調査が完了した事例は30件で、制度発足からの累計では414件となりました。これまでに報告された全652件のうち63.4%で院内調査が完了しており、各医療機関における調査のスピードは制度発足から向上を続けています。

  
 もっとも、遺族の中には「院内調査結果に納得できない」「院内調査が遅すぎる(何かを隠すために時間稼ぎをしているのではないか)」と感じる人も少なくないでしょう。また医療機関側でも、小規模で「自力での院内調査が困難」というところもあります(ただし医師会や病院団体などの支援団体がサポートを行う仕組みあり)。そこで、「遺族や医療機関がセンターに調査を依頼」できる仕組みも用意されています。今年(2017年)6月にセンターへなされた調査依頼は8件ありました。遺族からが6件、医療機関からが2件という内訳です。制度発足からの累計では40件(遺族から29件、医療機関から11件)となっています。このうち33件が「院内調査結果報告書の検証中」(院内調査が適切に行われたかの確認)、3件が「院内調査結果報告書検証準備作業中」、3件が「院内調査の結果待ち」という状況です。

医療事故を報告した医療機関のうち、院内調査が済んだものは2017年6月に30件、制度発足からの累計で414件で、報告された事故全体の63.4%となった
医療事故を報告した医療機関のうち、院内調査が済んだものは2017年6月に30件、制度発足からの累計で414件で、報告された事故全体の63.4%となった

  

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