2018年度診療報酬改定で、DPC病棟における持参薬管理の評価を—全自病



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DPC病棟において、患者の持参薬を鑑別し、処方の指示や服薬管理を行うことを評価する係数を新設する必要がある—。

全国自治体病院協議会(全自病)の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長・兵庫県)は、25日の定例記者会見でこのような要望を2018年度の次期診療報酬改定に向けて行っていく考えを明らかにしました。

全自病の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長・兵庫県)
全自病の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長・兵庫県)

持参薬管理で人的・物的コスト増、DPC係数での評価を

全自病の改定要望は、出来高110項目、DPC18項目と多岐にわたっています。目立つものをピックアップしてみましょう。

まずDPCでは、18の要望項目のうち▼機能評価係数IIにおける地域医療係数の配分を重くする▼重症度係数を廃止する▼敗血症、播種性血管内凝固(DIC)における診断群分類を細分化する▼川崎病における診断群分類を細分化する▼心不全におけるコーディングルールを見直す(医療資源投入量の多寡で心不全か、原疾患かを選択する)▼持参薬管理を評価する—という6項目を重点要望に掲げました(関連記事はこちら)。

このうち持参薬管理については、全自病が会員DPC病院を対象に行ったアンケート調査(有効回答189病院)から、EFファイルへ持参薬を出力するために「4割弱の病院で最大400万円以上のシステム変更費用が生じた」「薬剤師、医療事務、医師、看護師の業務が増加した」ことなどが明らかになったと指摘。その上で、DPC病棟で持参薬を使用しないメリットは理解できるものの、「廃棄薬・残薬の増加」「採用薬・在庫の増加」「人的・物的コストの増加」「リスクの増加」といったデメリットもあり、「患者の持参薬を鑑別し、処方の指示や服薬管理を行うことを評価する係数を新設する必要がある」と訴えています。

このほか、「再入院7日ルールにおいて、『受傷日が異なる外傷』は対象外とする」「血漿成分製剤輸血は出来高とする」ことなどを求めています。

医療・看護必要度、内科的治療の拡大などを

また出来高では110項目のうち、29項目を重点要望に位置付けました。次のような項目が目立ちます。

▼一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度について、「救急搬送後の入院」は3日までA項目に該当することとし(現在は2日まで)、「胸腔鏡・腹腔鏡手術」を5日(現在は3日)・「救命等に係る内科的治療」を3日(現在は2日)までC項目に該当することとする。またC項目に「糖尿病性ケトアシドーシス」「JSD30以上の重症脳卒中」を追加する

▼小児入院医療管理料において、「救急医療管理加算」を出来高算定可能とする

▼リンパ浮腫複合的治療料の施設基準について、「リンパ浮腫指導管理料算定50回以上」などの要件を緩和する

▼栄養サポートチーム加算(週1回200点)を、「週1回400点」に増店する

▼同一日に複数科を初診で受診した場合、2科目を188点(282点の3分の2、現在は2分の1の141点)、3科目を94点(282点の3分の1、現在はゼロ点)とする

▼同一日に複数科を再診で受診した場合の減算を廃止する

地域医療構想、自治体病院に偏重した対応は許されない

また25日の記者会見では、2018年度の予算編成に向けて、厚生労働省や総務省に(1)東日本大震災の被災地における医療提供体制の確保に向けた支援の継続(2)地域医療介護総合確保基金の自治体病院における十分な活用や、地域医療構想の実現に向けて「自治体病院に偏重した対応」とならないような配慮(3)新専門医制度における地域医療への配慮(4)医療事故調査制度の国民への正しい周知(5)診療報酬における消費税について「仕入れ税額控除」措置―などを要望したことも報告されました。

このうち(2)について邉見会長は、「社会保障審議会などで地域医療構想の議論の際、自治体病院がターゲットにされがちである。日本医師会の中川俊男副会長らは『日赤や済生会などの公的病院についても、公立病院改革ガイドラインのようなものを設けよ』とし、公立・公的病院の役割を制限して、地域医療構想を進めるべき旨を主張される。しかし、中川副会長の『地域の実情に合わせて、医療機関が自主的に機能分化を進めるべき』との主張に反する。地方では救急車のほとんどを自治体病院が受けており、『実績』に応じて機能分化を進める必要がある」と強く訴えています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 

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