2018年度同時改定で「5対1看護配置加算」など創設せよ—日看協



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 7対1病棟の9.3%では、実質5対1の看護配置となっている。より重症の患者に安心・安全なケアを提供するために手厚い看護配置を行っている病院を評価する【5対1看護配置加算】を創設すべきである—。

 日本看護協会は19日、厚生労働省保険局の鈴木康裕局長にこのような2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた要望書を提出しました(日看協のサイトはこちら)。

入院基本料の72時間要件を堅持するとともに、特定入院料でも夜勤上限を

 鈴木保険局長に宛てた要望は、大きく次の4項目。

(1)必要な分野・領域において看護師配置を充実させるなど、体制強化につながる評価の拡充

(2)よりよい状態を保ちながら入院医療から在宅医療へ移行するために、訪問看護が担う医療と介護をつなぐ機能の強化・推進

(3)地域における医療安全に資する評価の拡充

(4)一億総活躍社会の実現に向け、看護職員にとって良好な労働環境が確保されるような診療報酬上の評価の維持・充実

 
まず(1)では、▼地域包括ケア病棟におけるケアの充実(看護職員の加配に対する評価、看護補助加算・夜間看護体制加算の算定を認める)▼慢性期入院医療におけるケアの充実(看護補助加算・夜間看護体制加算の算定を認める)▼高度急性期、急性期医療におけるケアの充実(5対1看護配置加算の新設、看護師のリハビリテーションへの参画体制評価、専門性の高い看護師を含む、摂食・嚥下、排泄、生活機能リハビリ、 糖尿病などに関するチームケア体制の評価)▼外来における看護機能の強化(生活習慣病管理料における病床数要件の一部緩和、看護師と保険者、自治体保健師との情報共有による患者支援体制の評価、糖尿病透析予防指導管理料における解釈の変更)▼多職種連携による効果的・効率的な医療の推進(特定行為研修を修了した看護師の看護実践への評価など)―を求めています。

このうち【5対1看護配置加算】は、日看協の調査で「7対1病棟の9.3%で、実質5対1看護配置が行われている」点を踏まえて、より重症の患者に安心・安全なケアを提供するために手厚い看護配置を行っている病院の評価を求めるものです。もっとも、入院基本料について「看護配置のみに着目するのではなく、入院患者の状態や、提供されている医療内容、機能に応じた評価とすべき」との議論が盛んになっている点を踏まえると、実現へのハードルは高そうです(関連記事はこちらこちら)。

またに急性期におけるリハビリについては、患者の病状が安定せず、患者の苦痛や安静度を考慮しながら在宅での必要な行動が可能になることを目指しており、「日中に時間を決めて行うような運動機能そのものの回復を目指す筋肉トレーニングのみではなく、▼食べる▼排泄する▼清潔を保つ—など、24時間の患者の生活行動が行えるように適切に支援する」ものと指摘。その中で、看護師が参画した多職種協働によるリハビリテーションが、患者の QOL向上や、よい状態での退院に貢献することができるため、「専門性の高い看護師を含むチーム体制によるリスク管理、患者へのケア向上や院内体制の整備に資する体制」の評価(褥瘡ハイリスク患者ケア加算のような評価)を、▼摂食・嚥下▼排泄▼脳卒中リハビリ▼糖尿病―などに拡大するよう求めています。

 
 また(2)では、▼専門性の高い看護師の地域における積極的な活用の推進(【在宅患者訪問看護・指導料3】(現在は褥瘡ケア、緩和ケアが対象)の範囲を、▽摂食・嚥下▽ストマ管理▽脳卒中リハビリ▽糖尿病看護―などにも拡大するなど)▼退院支援の取り組みの充実(加算算定の際の連携先の一つとして地域包括支援センターを明記するなど)▼集中治療を必要とする新生児の退院支援体制の強化(退院支援加算3の退院支援業務を担当する看護師に係る要件に在宅移行支援研修の受講 を位置づける)▼地域医療支援病院入院診療加算の要件に訪問看護事業所への出向・研修事業を位置づけ▼訪問看護の充実—などを要望しています。

 このうち訪問看護については、▼24時間連絡体制加算は廃止し、24時間対応体制加算のみとして評価を引き上げる▼機能強化型在宅療養支援診療所の連携先となっている場合の、連携に対する評価の新設する―など24時間体制の評価充実を求めるとともに、▼病院からの訪問看護の評価拡充▼ICTなどを活用した業務効率化に対する評価―などが目立ちます。

 
 さらに(4)では、2016年度の前回診療報酬改定でも注目された「入院基本料届け出における看護職員の月平均夜勤時間72時間」要件について『堅持』を強く求めるとともに、「特定入院料における夜勤時間数上限の設定」も要望しました。

 ほかに、▼夜勤専従者の夜勤時間数上限を施設基準の中で「144時間」と規定する▼複数名訪問看護加算の算定回数制限の撤廃―などにより、労働環境を改善するよう要望しています。

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