都内の病院4割が赤字、苦戦ぶり際立つ―14年5月の医業収支、全日病調査



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 2014年5月の病院収支は、医業収支で見ると全国では25%、東京では40%が赤字だったことが、全日本病院協会の行った病院経営調査報告から明らかになりました。

 全日病では、毎年5月を対象に会員病院の経営収支状況を調査しており、16日に14年度(平成26年度)の調査結果を公表しました。

 回答病院数は930で、病床規模別に見ると49床未満が57病院(6.1%)、50-99床が236病院(25.4%)、100-199床が345病院(37.1%)、200-499床が253病院(27.2%)、500床以上が39病院(4.2%)となっています。また病院種別で見ると、一般病床のみの病院が363(39.0%)、一般・療養の併設が338(36.3%)、療養病床のみが140(15.1%)などです。

東京の病院、医業収支で40%、総収支で35%が赤字

 「医業収支」を見ると、全体の25%が赤字となっており、前年度に比べて赤字の割合が2ポイント増加しました。東京都内に限定すると40%(前年度比9ポイント増)、指定都市では20%(同2ポイント減)が赤字となっています。

 「医業収支」の収支率別に全国の病院数を見てみると、「115%以上」の黒字病院が最も多く203病院(全体の21.8%)、次いで「100-104%」が186病院(同20.0%)、「105-109%」が180病院(同19.4%)、「110-114%」が127病院(同13.7%)、「95-99%」の赤字病院が120病院(同12.9%)などと続きます。

 また、「医業収支」に「その他収支」を加えた「総収支」では、赤字病院が前年度より2ポイント増加し24%となっています。東京に限定すると35%(前年度比6ポイント増)、指定都市に限ると21%(同3ポイント減)が赤字です。

 一方、手元にどれだけの資金があるのかを示す「推計キャッシュフロー」も「0%以上」の比率は全体で4.3ポイント減少し77.2%、東京に限ると10.5ポイント減少し67.4%となりました。

 全体では黒字病院が4分の3を占め、収支率の高い病院の割合が多い状況ですが、赤字病院が特に都内で大幅に増加している点が気になります。

大規模病院で経営厳しさ増す

 次に「医業収支率」を病床規模別に見ると、「49床未満」では110.1%(同1.2ポイント増)、「50-99床」では108.7%(同2.3ポイント増)、「100-199床」では105.8%(増減なし)、「200-499床」では104.4%(同1.7ポイント減)、「500床以上」では101.0%(同2.0ポイント減)となっており、大規模病院で経営状況が厳しくなっている状況が伺えます。

病床規模別の医業収支比率と総収支比率、115%以上の黒字病院が最も多い
病床規模別の医業収支比率と総収支比率、115%以上の黒字病院が最も多い

 また、届け出ている入院料別に「医業収支率」を見ると、特殊疾患病棟の113.6%(同3.7ポイント減)、療養病棟の回復期リハの109.7%(前年度との比較なし)、療養病棟1の107.9%(同)、障害者施設等の107.5%(前年度比4.7ポイント増)などで高くなっています。

大規模病院では「医薬品費」と「診療材料費」が経営改善の鍵

 さらに、1病院当たりの収支内訳を科目別に見ていきましょう。

 病院の種類別では、「一般病床のみ」の病院の収入の内訳は、「入院」が66.3%、「外来」が28.3%です。支出では、「給与費」が最も多く52.2%、次いで「医薬品費」12.6%、「診療材料費」10.6%、「経費」10.5%と続きます。

 「療養病棟」のみでは、収入の内訳は「入院」83.8%、「外来」10.1%。支出は「給与費」65.2%と「経費」14.0%が目立ち、「医薬品」は4.2%、「診療材料費」は2.8%にとどまっています。

 また、全国と東京を比較すると、東京では「入院」による収入の割合が全国より6.8ポイント低く、逆に差額ベッドの比率が2.5ポイントと際立って高いことが分かります。

地域別に見た1病院あたりの医業収支内訳、東京では差額ベッドの割合が大きい
地域別に見た1病院あたりの医業収支内訳、東京では差額ベッドの割合が大きい

 さらに、病床規模別に見ると、大規模病院では「医薬品費」と「診療材料費」の割合が高いことが分かります。急性期病床の比率が高い大規模病院では、これらの費用を抑えるために「共同購買」などを積極的に検討する必要がありそうです。

病床規模別に見た1病院あたりの医業収支内訳、大規模病院ほど医薬品費・材料費の割合が大きい
病床規模別に見た1病院あたりの医業収支内訳、大規模病院ほど医薬品費・材料費の割合が大きい
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