オプジーボ用いた治療、DPC制度下ではすべて出来高算定に―厚労省



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 画期的な抗がん剤オプジーボ(ニボルマブ製剤)の薬価が、本日(2月1日)から50%引き下げられました。これに伴い、DPC制度下においては、オプジーボを用いた治療は「すべて出来高算定」となります。

 厚生労働省は1月31日に、通知「『厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法第一項第五号の規定に基づき厚生労働大臣が別に定める患者について』の一部改正等について」を発出し、この旨を周知しています(厚労省のサイトはこちら)。

オプジーボの薬価を2月1日から50%引き下げ

 革新的な抗がん剤のオプジーボは、希少がんであるメラノーマ(根治切除不能な悪性黒色腫、推定対象患者は470人)の治療薬として超高額な薬価(100mgで72万9849円)が設定されました。その後、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(推定対象患者は5万人)へ適応が拡大されましたが、適応拡大時期が2016年度の薬価改定の対象設定後となったため、高額な薬価が据え置かれました。

 しかし厚労省や中央社会保険医療協議会は、「超高額な薬価を維持したまま、さらに適応が拡大する」ような状態を放置することは医療保険制度の維持を考慮したうえで好ましくないと判断。昨年(2016年)11月16日の中医協総会で、「薬価を50%引き下げる」という異例の緊急的な対応方針が決まりました。ただし、すでに医療機関などが購入している在庫などに配慮(高額な価格で購入し、償還時に半額となるのでは、医療機関の持ち出しが生じてしまう)し、2月1日からの適用となりました。具体的な薬価は、▼オプジーボ点滴静注20mgが7万5100円(従前は15万200円)▼同100mgが36万4925円(同72万9849円)―です(関連記事はこちら)。

 ところで、DPCの包括点数は、包括範囲に含まれる医薬品の費用も勘案して設定されています。今般、オプジーボの薬価が50%引き下げられた場合、該当する診断群分類の包括点数にも影響が出てきます。もっとも、オプジーボは非常に高額なため、多くの診断群分類では「出来高算定」となっており、影響が出てくるのは悪性黒色腫の2つ(「080005xx99x2xx」と「080005xx97x2xx」)のみです。

 この点、1月11日に開催された中医協総会では「この2つの診断群分類についても、オプジーボを使用する場合には出来高算定とする」ことが了承されており、これにより「すべての診断群分類で、オプジーボを使用した場合には出来高算定」となりました(オプジーボの薬剤費だけでなく、入院期間中の診療行為すべてが出来高算定)。少なくとも2018年度改定までは、この取り扱いが続きます(2018年度改定の中で、その後「出来高を継続する」のか、「包括点数を設定する」のかを検討する)。なお1月31日より前にオプジーボを投与していた悪性黒色腫患者(上記の2コード)では、包括支払いとなるのでご留意ください。

オプジーボのDPC制度下での取り扱いが変わっており、請求方法に注意が必要
オプジーボのDPC制度下での取り扱いが変わっており、請求方法に注意が必要

  

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