救命救急センター、2015年度実績に基づくと278か所がA評価、1か所がB評価―厚労省



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 全国の救命救急センターについて、定められた指標を基に評価したところ、2016年度には1か所のみがB評価で、ほか278か所はA評価となった―。

 厚生労働省が11日に公表した2016年度の「救命救急センターの評価結果」から、こうした状況が明らかになりました。

センターの評価結果は補助金や診療報酬上の加算に反映するが、今後指標を見直し

 救命救急センターについては、「救急科専門医の数」や「休日・夜間帯における医師数」「感染症の管理」「医療事故防止への対応」「年間の重篤患者受入数」「都道府県メディカルコントロール(MC)協議会・地域MC協議会などへの関与」などの評価指標に基づいて充実段階を評価しています。ただし、評価は「診療体制面」を中心としたもの(いわゆるストラクチャー評価)で、各センターの診療水準を表すものではない点に留意が必要です(評価項目などはこちら)。

 その結果、「是正を要する項目の合計が22点以上のまま、2年間継続している」場合には【B】評価、「是正を要する項目の合計が22点以上のまま、3年以上継続している」場合には【C】評価、B・C以外を【A】評価となります。

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救命救急センターの充実段階の評価指標その2
救命救急センターの充実段階の評価指標その2

 2016年度(2015年度実績に基づく)の評価結果を見ると、佐世保市立総合病院のみがB評価となり、ほか278か所のセンターはすべてA評価となりました(厚労省のサイトはこちら(各センターの状況)こちら(各項目の詳細)こちら(医師数などの実数の状況))。

 個別センターの状況を見ると、神戸市立医療センター中央市民病院(101点)、東京医科歯科大学医学部附属病院(100点)、和歌山県立医科大学附属病院(99点)などで評価項目の合計点が高く、これら3病院は是正が必要な項目の合計点はゼロ点となっています。

救命救急センターの評価結果(2016年度)その1
救命救急センターの評価結果(2016年度)その1
救命救急センターの評価結果(2016年度)その2
救命救急センターの評価結果(2016年度)その2
救命救急センターの評価結果(2016年度)その3
救命救急センターの評価結果(2016年度)その3

 こうした評価結果は、救命救急センター運営事業費の補助額に反映されます。また、診療報酬上、「救命救急入院料」の注3の加算(1000点)を届け出るための施設基準においてA評価であること、注4の加算(500点)を届け出るための施設基準においてB評価であることが要件となっており、充実に向けたインセンティブが付与されています。

 

 ところで厚労省の「医療計画の見直し等に関する検討会」では、「現在の充実段階評価では、ほぼすべてのセンターがA評価となってしまっており、救急医療の実態を把握するための評価項目が組み込まれていないと考えられる」との議論があり、「救命救急センターの充実段階評価を見直し、いわゆる入口・出口問題に 対応するための地域連携の観点をより取り入れる。併せて、救急医療機関 について数年間受入実績がない場合には、都道府県による指定の見直しを検討する」との意見を取りまとめています(関連記事はこちらこちら)。今後、評価項目の見直しに向けた検討なども行われる見込みです。

 

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