新専門医制度、整備指針の改訂案は了承されていない―日病協・神野議長



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 新専門医制度の「整備指針」改訂について、日本専門医機構の理事会で了承は得られていない―。

 日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会など13の病院団体で構成)の神野正博議長(全日本病院協会副会長)は、25日の代表者会議終了後の記者会見でこのように述べ、新執行部の対応に疑問を呈しました。

11月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、神野正博議長
11月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、神野正博議長

毎年の薬価改正は、「毎年の診療報酬改定」にもつながり、受け入れられない

 新たな専門医制度は、専門医の認定と、専門医を養成するプログラムの認証を日本専門医機構(以下、機構)が統一した基準で行うことを柱とし、2017年4月からスタートする予定でした。しかし、養成プログラムについて「ハードルが高すぎ、地域の医師偏在を助長する可能性が高い」などの批判が強く、機構の新執行部は新制度の全面スタートを1年延期することを決定。その間に、医療現場が指摘されているさまざまな課題を解決することとしています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 機構では、新専門医制度の骨格となる「整備指針」を改訂すべく、基本問題小委員会を設置し、議論を重ねています。18日には、吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)ら執行部が記者会見を行い、整備指針について次のような見直しを行うことを理事会で概ね了承した旨が明らかにされました。

▼研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にする

▼「研修施設群」の要件を柔軟にし、指導医がいない施設でも一定の条件を満たせば連携施設に準じた施設とし、研修養成施設となることを認める

▼専門医の認定や養成プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に沿って行い、機構が「基準に則っているか」の2次審査行う

 

 しかし、機構の理事でもある神野議長は「18日の理事会では、整備指針改訂案について了承するか否かという議決は行っていない」と説明し、吉村理事長ら機構の新執行部の会見内容に疑問を呈しました。

 整備指針見直しに向けては、医師会や病院団体から「地域医療への配慮が不十分」という指摘・要望が出ており(関連記事はこちら)、今後の機構の論議に注目が集まります。

 

 神野議長は、このほか、財務省などが要求している「毎年の薬価改正」について、▼レセコンなどのシステム改修に向けた負担が大きい▼DPC点数を始め、診療報酬本体の毎年改定にもつながってきてしまう―として、代表者会議では「とても受け入れられない」という見解で一致したことも明らかにしています。なお、今回のオプジーボの緊急薬価引き下げについては「メーカーの新薬開発意欲を削ぐことを懸念する意見も出ている。個人的には最適使用推進ガイドラインの整備などで使用量を適正化できたのではないかと思っている」と述べ、中医協や背後での議論が乱暴であったとの見解を明らかにしています。

 さらに、財務省などから、社会保障費の伸びを抑制するために「かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入」や「入院患者への光熱水費負担導入」などが提案されている点について、「乱暴である」「議論の透明性が確保されていない」という批判が各病院団体の代表者から出ている点も紹介しました(関連記事はこちらこちらこちら)。

  

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