一般病床、1年前と比べて平均在院日数が延び、病床利用率は低下してしまった―病院報告、16年7月分



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 今年(2016年)7月において、一般病床の平均在院日数は前年同月に比べて0.2日延びて16.1日となり、病床利用率は同じく2.6ポイント悪化し71.2%になってしまった―。

 このような況が、4日に厚生労働省が発表した2016年7月分の病院報告から明らかになりました。

 メディ・ウォッチでもお伝えしている通り、病院経営において「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」を同時に達成することが重要ですが、1年前に比べて逆の結果になってしまっています。

1年前と比べ、平均在院日数は0.2日延伸、病床利用率は2.6ポイント悪化

 厚労省は毎月、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を集計し、「病院報告」として公表しています。

 (1)の1日平均患者数は、病院全体では入院124万7493人(前月比1474人・0.1%増)、外来133万3881人(同8万1211人、5.7%減)で、入院は微増、外来は減少となりました。暦月の患者数、とくに外来患者数は大きく変動します。

 病院の一般病床に注目すると、入院患者数は66万6538人で、前月に比べて1026人・0.2%増加しました。また病院の療養病床については、入院患者数は28万9368人で、前月に比べて294人・0.1%減少しました。

2016年7月、病院の一般病床では入院患者数は微増、外来患者数は減少した
2016年7月、病院の一般病床では入院患者数は微増、外来患者数は減少した

 

 (2)の平均在院日数については、病院全体では28.5日で、前月から1.0日延びました。 病院の病床種別に見ると、▽一般病床16.1日(前月比0.5日延伸)▽療養病床159.7日(同7.4日延伸)▽介護療養病床342.9日(同31.1日延伸)▽精神病床271.9日(同17.1日延伸)▽結核病床68.7日(同5.2日延伸)―となり、すべての病院病床種別で平均在院日数が延びています。

 前々月から前月にかけて全病床種別で平均在院日数が短縮し、「2016年度診療報酬改定の効果が現れているのか」とも思われましたが(関連記事はこちら)、7月の状況を見ると、その可能性は低そうです。

2016年7月、一般病床の平均在院日数は前月より0.5日延びてしまった
2016年7月、一般病床の平均在院日数は前月より0.5日延びてしまった

 

 (3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では77.7%で、前月に比べて1.7ポイント低下しました。病院の病床種別に見ると、▽一般病床71.2%(前月から2.9ポイント低下)▽療養病床87.8%(同0.2ポイント低下)▽介護療養病床91.4%(同0.2ポイント低下)▽精神病床86.4%(同0.4ポイント上昇)▽結核病床34.2%(同0.7ポイント低下)―という状況です。

2016年7月、病床利用率は前月よりも2.9ポイント悪化してしまった
2016年7月、病床利用率は前月よりも2.9ポイント悪化してしまった

 

 ところで、一般病床の平均在院日数は1年前の2015年7月には15.9日であり、1年間で0.2日短縮した計算です。一方、病床利用率は1年前の2015年7月には73.8%でしたので、1年間で2.6ポイント低下した格好です。

 メディ・ウォッチでは度々お伝えしていますが、病院経営において「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の上昇」を同時に達成することが重要です。しかし2016年7月には、1年前と比べてこの真逆となる「平均在院日数の延伸」と「病床利用率の低下」が生じてしまっています。

 平均在院日数や病床利用率は暦月による変動もあるため、長期的に見ていく必要がありますが、一般病床全体でこうした状況にある点には危機感を持つ必要があるでしょう。

 

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