25対1医療療養や介護療養の新たな移行先、社保審に特別部会を設置し年内に取りまとめ



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 25対1医療療養や介護療養の今後の移行先について、具体的な制度設計を行う特別部会を社会保障制度審議会に設置する―。

 このような方針が、24日に開かれた社会保障審議会の医療保険部会で厚生労働省から報告されました。

 「療養病床の在り方等に関する検討会」の提唱した3つの選択肢案を踏まえて、年内(2016年内)に新制度案を取りまとめる予定です。

3月24日に開催された、「第94回 社会保障審議会 医療保険部会」
3月24日に開催された、「第94回 社会保障審議会 医療保険部会」

介護療養の設置を認める経過措置の再延長なども特別部会で議論

 25対1医療療養病床と介護療養型医療施設は、2017年度(2018年3月)で設置の根拠となる経過措置が切れます。このため、20対1医療療養や介護老人保健施設などへの転換が期待されていますが、思うように進んでいません。

 厚労省は、20対1医療療養や介護老健のほかにも移行先が必要なのではないかと考え、昨年(2015年)7月に「療養病床の在り方等に関する検討会」を設置。検討会は今年(2016年)1月に次の3つの選択肢案を提示しています。

【案1-1】医療の必要性が「比較的」高く、容体が急変するリスクのある高齢者が入所する「医療内包型の医療提供施設」

【案1-2】医療の必要性は多様だが、容体が比較的安定した高齢者が入所する「医療内包型の医療提供施設」

【案2】医療の必要性は多様だが、容体が比較的安定した高齢者が入所する「医療外付け型」(病院・診療所と居住スペースの併設型)

25対1医療療養・介護療養の新たな選択肢、【案1-1】【案1-2】【案1-3】の3つが提示された。既存の20対1医療療養(病院)と、特定施設(住まい)と対比させ、どのような機能を持つのかが明示されている
25対1医療療養・介護療養の新たな選択肢、【案1-1】【案1-2】【案1-3】の3つが提示された。既存の20対1医療療養(病院)と、特定施設(住まい)と対比させ、どのような機能を持つのかが明示されている
【案1-1】【案1-2】【案2】の機能を図示したもの。全く新たな施設類型である【案1-1】【案1-2】については、【案2】などとの組み合わせ(居住スペース)になる形態が多いのではないかと厚労省は見込んでいる
【案1-1】【案1-2】【案2】の機能を図示したもの。全く新たな施設類型である【案1-1】【案1-2】については、【案2】などとの組み合わせ(居住スペース)になる形態が多いのではないかと厚労省は見込んでいる
 

 社会保障審議会では、この3案をベースに具体的な制度設計を行います。例えば、新たな医療施設の開設を認めるためには医療法の改正が必要となり、そのうちのいくつかを公的介護保険に位置付けるためには介護保険法の改正が必要となります。さらに、一部を公的医療保険の給付対象とするには健康保険法や国民健康保険法の改正も必要でしょう。

 ただし医療法は医療部会、介護保険法は介護保険部会、健康保険法などは医療保険部会でそれぞれ見直しの議論をしますが、各部会で異なる結論が出る可能性も否定できません。かといって、3部会の合同開催を行うことは物理的な困難(人数があまりにも多くなり、日程調整が極めて困難になることや、議論が散漫になりすぎる)があるため、厚労省は今般、特別部会の設置方針を固めたものです。

 厚労省保険局医療介護連携政策課の城克文課長は、「近く社会保障審議会の了承を得て、人選を進め、日程調整を行う」考えを示しており、4月下旬から5月にかけて初会合が開催される見込みです。

 また特別部会のメンバーは、医療部会、介護保険部会、医療保険部会の委員から選出されることになります。

 特別部会では月1回程度のペースで議論を重ね、年内(2016年内)に取りまとめを行う予定です。なお、医療法や介護保険法、医療保険法との整合性を図るために、関係の部会(例えば医療部会、介護保険部会、医療保険部会)にも適宜報告が行われます。

 

 ところで、24日の医療保険部会では樋口恵子委員(高齢社会をよくする女性の会理事長)から、「介護ニーズが高まる中で人材確保の見通しは立っていない。既存の介護資源は温存すべく、介護療養病床などの経過措置の再延長を検討してほしい」との要望が出されました。

 このような「経過措置の再延長」についても、特別部会のテーマとなります。城医療介護連携政策課長は、このほかにも検討会で出された「併設医療機関などの医師が柔軟に対応できるような配置」「プライバシーの確保」「低所得者対策」なども特別部会で議論されると説明しています。

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