「手術件数2000件未満はすべて地域包括ケア病院に」、厚労省から病院へのメッセージ20選―武久・日慢協会長



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 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は10日、4日に告示された2016年度診療報酬改定に対する見解を発表しました。改定と一連の医療行政を通じ、厚生労働省から病院へ向けたメッセージが20あると整理。手術件数が年間2000~3000件に満たない急性期病院は、「地域急性期病院」として「すべて地域包括ケア病院に移行させるつもりだ」などと指摘しました(日本慢性期医療協会に関する記事一覧はこちら)。

日本慢性期医療協会の武久洋三会長
日本慢性期医療協会の武久洋三会長

病床は病院の都合に左右されない

 武久会長が整理した厚労省からのメッセージのうち、急性期病院に大きく関連する項目は7つ=図表1=。高度急性期病院と急性期病院の判断軸を年間手術件数に置き、それぞれ5000件以上、2000~3000件を想定し、「その他の急性期といわれる病院は、『地域急性期病院』」としました。

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 「地域急性期病院」について、武久会長は「近くの地域からしか患者が来ず、手術や処置の特殊性が少ない」と説明した上で、地域急性期は地域包括ケア病棟に移行すべきと指摘。「地域包括ケア病棟の手術は出来高になったので、平均すると1日当たり3万円以上になるのは確実。手術によっては、7対1入院基本料や10対1入院基本料より収入が大きくなるかもしれない」(武久会長)と見通しました。

 さらに、仮に「7対1から地域包括ケア病棟になっても患者に言う必要はない。何に一体こだわるのか。病床は患者の状況で日々変化するもの、病院の都合に左右されるものではない」(同)とした上で、「これからの病院は、疾病の治療だけではなく、患者が日常に速やかに帰れるような『リハビリ力』と『ケア力』が重要」とし、今後、「地域急性期病院」に求められる機能を強調しました。

 DPCに関しては、10対1や地域包括ケア病棟、療養病床にもデータ提出を求めていることから、「病院の診療状況がすべて明らかになる」と予測。リハビリは成果主義に移行し、厳しく選別されることに言及しました。その他のメッセージについては、図表1を参照ください。

プラスは10項目、マイナスは6項目

 同会が考える16年度改定のメリットとデメリットも整理(図表2、3、4参照)。「退院支援に関する評価の充実」や「認知症加算の新設」など10項目をプラスポイントとし、「療養病棟における医療区分の評価方法見直し」など6項目はマイナスポイントとしました。

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寝たきりになるより「座りきり」

 リハビリに関しては、1日24時間のうち8時間をリハビリに充てる「3分の1ルールを守ろう」(同)と提唱。4時間を個別リハビリ、2時間をチームリハビリ(POCリハ)、2時間を自主リハビリに充てるという内訳で、「重症の人でもせめてベッド上で座位に近いギャッジアップを」と提唱し、座ることにより心肺機能に負荷がかかり、身体機能の回復につながるとしました。

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