抗悪性腫瘍剤「ニボルマブ」疑いの劇症1型糖尿病の副作用、薬事承認後7件―厚労省



Pocket

 画期的な抗悪性腫瘍剤であるニボルマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:オプジーボ点滴静注20mg、同100mg)との因果関係を否定できない劇症1型糖尿病の副作用が、薬事承認後に7件報告されていることから、厚生労働省は注意を呼び掛けています。

肺がん治療については、DPCの包括対象外に指定

 ニボルマブ製剤は2014年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫用薬」として薬価収載されました。免疫を制御してがんを治療する癌を治す新しいメカニズムの医薬品として注目を集めています。オプジーボ点滴静注20mgについては15万200円、同100mgについては72万9849円の薬価が設定されました。

 2015年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」への適応が承認され、今年2月からは、「高額な薬剤」として、肺の悪性腫瘍治療においては包括対象外(本剤だけではなく、当該治療に係る診療報酬を出来高で算定する)となるため、厚労省は使用患者数の増加を見込んでいます。

 ところで本剤には、劇症1型糖尿病の副作用があることが分かっています。これは、1週間前後以内にケトアシドーシスに陥るなど、急激に重症化する1型糖尿病で、適切な処置をしなければ死亡に至ることも考えられます。

 本剤が薬事承認されて以降、本剤と因果関係が不明なものも含めて7例の劇症1型糖尿病が報告されました(ただし死亡例はなし)。うち2件は、劇症1型糖尿病の副作用について添付文書の改訂を行った2015年11月以降に生じています。

 厚労省は、本剤の使用患者数が増加することを見据えて「再度の注意喚起が必要」と考え、1月28日に、改めて「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤使用時に劇症1型糖尿病が発生する可能性がある」ことを周知するよう関係者に求めています。

 具体的には、本剤の使用中に次の症状が現れた場合には、劇症1型糖尿病の可能性を考慮して、糖尿病専門医との緊密な連携の下で、早急に対処することが必要です。

▽急激な血糖値の上昇

▽口渇・多飲・多尿・体重減少・全身倦怠感・意識障害などの糖尿病症状

 なお、厚労省は本剤を製造販売する小野薬品工業に対し、医療機関宛てに「適正使用のお願い」を配布するよう指示しており、医療現場では最大限の留意が必要です。

ニボルマブ(悪性黒色腫、肺がんの治療薬)に劇症1型糖尿病の副作用があるため、最大限の留意を
ニボルマブ(悪性黒色腫、肺がんの治療薬)に劇症1型糖尿病の副作用があるため、最大限の留意を

【関連記事】
画期的な抗悪性腫瘍剤のニボルマブ、重症筋無力症や大腸炎の副作用―厚労省、PMDA
C型肝炎治療薬の「アスナプレビル」などに血小板減少の重大な副作用―厚労省

Pocket