手術中のボスミン指示、濃度と用法の確認徹底を―日本医療機能評価機構



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 アドレナリン希釈液を皮下注射する際、「医師の意図した濃度」と「看護師が調整した濃度」が異なっていた―。このような事例が、2012年1月以降、6件報告されていることが日本医療機能評価機構の調査で明らかになりました。

 これは機構が毎月発行している「医療安全情報」のNo.108で公表されたもので、医師と看護師の双方で薬剤名だけでなく「濃度」と「用法」を確認することなどを徹底する必要があります。

外用目的のボスミンには「禁注射」の表示徹底を

 ある医療機関では、医師がアドレナリン50万倍希釈液(0.0002%ボスミン)を皮下注射しようと考え、手術前に、看護師に「ボスミン生食をください」と指示しました。看護師は院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2000倍希釈液)と思い、医師に「0.05%ですか」と確認したところ、医師が「うん」と返答したため注射器に準備しました。医師が術中に計60ミリリットルを皮下注射したところ、頻脈・高血圧が出現し、心室細動になったといいます。

 また別の医療機関では、医師が看護師に「10万倍ボスミン」と指示したところ、看護師が「3000倍ボスミンならある」旨の返答を行いました。医師は3000倍ボスミンが外用の院内製剤とは知らずに準備を指示。医師が7ミリリットルを局所注射したところ、直後に血圧の上昇、脈拍数の増加が見られ、心室細動になっています。

 このほかにも、「ボスミン」という医師の意図・指示と、看護師が認識・準備した製剤とが異なる事例が報告されています。

「ボスミン」という医師の意図・指示と、看護師の認識・準備が異なる事例が発生している
「ボスミン」という医師の意図・指示と、看護師の認識・準備が異なる事例が発生している

 こうした事故の背景には、医療機関によってアドレナリンに対する呼称が異なっているという面もあるようです。そこで機構では、事故防止に向けて次の2点を徹底するよう求めています。

▽手術中にアドレナリン希釈液を使用する場合、医師と看護師の双方で、薬品名だけでなく濃度と用法を確認する

▽外用目的の院内製剤のラベルには「禁注射」と表示する

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