300床の病院建設コスト、2017年度には2011年度に比べ20億円程度増加―福祉医療機構



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2017年度に▼300床の病院▼100床の老健施設▼50床の特別養護老人ホーム―を建設する場合、それぞれ2011年度時点に比べて「20億円程度」「4億円程度」「1-2億円程度」のコスト増になる―。

このような状況が、福祉医療機構(WAM)が6月27日に公表したリサーチレポート「平成29年度 福祉・医療施設の建設費について」から明らかになりました(機構のサイトはこちら)(前年度の状況はこちら)。

2017年度に300床の病院を建設、2011年度時点に比べ20億円近くのコスト増

まず病院の建設費を見てみると、2017年度の「1平米当たりの建設費(以下、平米単価)」は34万6000円で、前年度と同額であることが分かりました。2011年度に病院全体で20万8000円となり底を打ってから、上昇を続けています。

WAMでは、「上昇には一服感が見られる」とコメントしていますが、2020年度の東京オリンピック開催などを踏まえて、全国的に建設費は上昇傾向の途中と考えられます。

1平米当たりの建設単価は、2016から17年度にかけて病院では横ばい、老健施設では低下となった
1平米当たりの建設単価は、2016から17年度にかけて病院では横ばい、老健施設では低下となった
 
また、「定員1人当たりの延べ床面積」を見ると、2017年度には50.6平米となり、前年度から3.4平米の縮小となっています。2012年度の65.1平米から一貫して減少傾向にあります。
定員1人当たりの延床面積は、病院・老健施設ともに2016から17年度にかけて縮小している
定員1人当たりの延床面積は、病院・老健施設ともに2016から17年度にかけて縮小している
 
さらに「定員1人当たり建設単価」を見ると、2017年度は1780万8000円で、前年度から34万円の増加となりました。2011年度以降、緩やかな上昇傾向が続いています。
定員1人当たりの建設単価は、2016から17年度にかけて病院では上昇したが、老健施設では低下している
定員1人当たりの建設単価は、2016から17年度にかけて病院では上昇したが、老健施設では低下している
 
300床の病院を建設する場合、近年の底値を記録した2011年度には33億9240万円ですみましたが、2017年度には53億4240万円が必要となり、20億円近いコスト増となっています(これらの数字には消費税が含まれている)。病院の「新設」「大改築」などを行う場合には、今後の東京五輪を控えた建設費増、2019年10月に予定される消費増税のほか、「適切な病床数」(地域の医療ニーズを踏まえ、病床過剰になっていないかなど)の設定も考慮する必要があるでしょう。

2017年度に100床の老健施設を建設、2011年度時点に比べて4億円近くのコスト増

老健施設に目を移すと、病院とは異なり前年度から低下しています(図表は上記で病院と老健とを併記しています)。
▼平米単価:26万9000円(前年度から2万2000円低下)
▼定員1人当たり建設単価:1251万8000円(同95万9000円低下)

 100床の老健施設を建設する場合、病院と同じく単価が底値であった2011年度には8億9140万円でしたが、2017年度には12億5180万円と、4億円近いコスト増となっています。

今般の単価ダウンの背景について詳しく分析し、適切な新築・大改築時期を見極める必要があるでしょう。

2017年度に50床の特養を建設、2011年度時点に比べ1-2億円のコスト増

さらに2017年度におけるユニット型の特別養護老人ホームの建設費を、(1)首都圏(2)全国―の地域別で見てみると次のような状況です。

(1)首都圏
【平米単価】30万2000円(前年度から1万9000円低下)
【定員1人当たり建設単価】1307万7000円(同68万円上昇)

(2)全国
【平米単価】27万7000円(同6000円低下)
【定員1人当たり建設単価】1305万5000円(同46万5000円上昇)

特養ホームの1平米当たり建設単価は2016から17年度にかけて低下したが、定員1人当たり建設単価は上昇している
特養ホームの1平米当たり建設単価は2016から17年度にかけて低下したが、定員1人当たり建設単価は上昇している
 
 50床の特養ホームを建設する場合、病院・老健施設と同様に2011年度には全国では5億1850万円、首都圏では4億6905万円でしたが、2017年度には全国で6億5275万円、首都圏では6億5385万円が必要となりまし。全国では1億円強、首都圏では2億円弱のコスト増となります。

 なお、都道府県別に特養ホームの平米単価を見ると、最高は東京都の34万7000円(同3000円低下)、最低は福岡県の22万9000円(同4万7000円減)となっています(サンプル数が少ない自治体は除外しており、全都道府県の状況は明らかになっていない)。

特養ホームの1平米当たり建設単価は、都道府県によって格差がある
特養ホームの1平米当たり建設単価は、都道府県によって格差がある
 
 

 

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