介護サービスの保険指定申請の書類を2018年10月から簡素化―厚労省



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 介護サービス事業所・施設の事務負担を軽減するため、介護保険の指定申請の際に提出する書類を簡素化する―。

 厚生労働省は6月29日に、こうした内容を盛り込んだ通知「『介護保険法施行規則等の一部を改正する省令』の公布等について」を発出しました。今年(2018年)10月1日より施行されます。

指定申請書類の参照様式についても簡素化を検討

 一昨年(2017年)の社会保障審議会・介護保険部会において、介護保険制度改革に関する議論が行われ、例えば「自立支援・介護予防に向けた取り組みを推進するために、保険者(市町村)が地域の課題等を分析して自立支援・介護予防に取り組むことを求め、経済的インセンティブ(保険者機能推進交付金、インセンティブ交付金)を与える」ことや、「現役並みの高額所得者については利用者負担を3割とする」ことなどの方針が固められました(関連記事はこちらこちらこちら)。

 その中では、介護人材確保の一環として、「生産性向上・業務効率化を進めるために、介護サービス事業所や施設に提出を求めている書類の見直しや簡素化を行う」ことも確認されました。

 今般の通知では、具体的に次のような提出書類の簡素化等の内容が明示されています。指定を行う自治体に置かれては、手続きの簡素化に向けた準備を進めることが求められます。

 まず、介護サービス事業所、施設等が、保険指定の申請を行う際の書類について、次のような簡素化が図られます。

(1)【すべての介護保険サービス】にて、「申請者・開設者の定款(社団法人等)、寄附行為(財団法人)など」の項目を削除する(直近の登記事項証明書のみで確認できるため)

(2)【(介護予防)認知症対応型通所介護、(介護予防)認知症対応型共同生活介護、(介護予防)小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護を除く各サービス】にて、「事業所の管理者の経歴」の項目を削除する(氏名、住所、生年月日の情報で管理者配置が確認できるため)

(3)【すべての介護保険サービス】にて、「役員の氏名、生年月日及び住所」の項目を削除する

(4)【すべての介護保険サービス】にて、「当該申請に係る事業に係る資産の状況」の項目を削除する(指定基準を満たすか否かは、事業所の平面図や設備・備品等の概要で確認できるため)

(5)【(介護予防)福祉用具販売を除く各サービス】にて、「当該申請に係る事業に係る各介護サービス事業費の請求に関する事項」の項目を削除する

(6)【訪問介護、夜間対応型訪問介護、(介護予防)訪問入浴介護、(介護予防)訪問看護、通所介護、(介護予防)認知症対応型通所介護、(介護予防)短期入所生活介護、(介護予防)訪問リハビリ、(介護予防)通所リハビリ、(介護予防)居宅療養管理指導、(介護予防)福祉用具貸与、(介護予防)福祉用具販売、地域密着型通所介護、定期巡回・随時対応型訪問看護介護を除く各サービス】にて、「介護支援専門員の氏名および登録番号」の項目を削除する(従業者の勤務態勢・形態で確認できるため)

 
また、指定申請に際し、自治体から「事業所の平面図」「建物の構造概要・平面図、設備の概要」を記載した書類等に付随して、「写真の添付」を求められることがあります。この点、写真は「各介護保険サービス事業所が指定基準に則ってサービス提供ができるかを確認するため」のものに限ることとなります。もっとも、やや曖昧な規定であり、今後、保険指定を行う自治体、指定申請をする事業者が困惑しないよう、「こういった場合には写真の添付が必要」「こういった写真の添付は不要」といった例示がなされることが期待されます。

 
さらに、厚労省は、指定申請に関する参照様式についても改正を検討しており、今後、より簡素な様式例が提示されることになります(2018年10月1日の施行日を目途に提示される見込み)。
 
 

 

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