ICT活用した訪問介護と外部リハビリとの連携を生活機能向上連携加算(I)として評価―介護報酬改定疑義解釈(4)の1



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厚生労働省は5月29日に、2018年度介護報酬改定に関するQ&AのVol.4(疑義解釈その4)を公表しました(vol.1の記事はこちら、vol.2の記事はこちらと、vol.3の記事はこちら)。ここでは、ICTを活用した訪問介護と外部リハビリの連携などに焦点を合わせてみましょう。

テレビ電話や動画撮影により、外部リハビリスタッフが利用者の状況を把握

 在宅要介護者の自立支援、重度化防止を図るために、訪問介護事業者が、外部のリハビリ専門職と連携する(スキルアップを目指す)ことを、介護報酬上、【生活機能向上連携加算】として評価しています。

2018年度の介護報酬改定では、この【生活機能向上連携加算】について、(1)通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護でも算定可能とする(2)▼訪問介護▼定期巡回・随時対応型訪問介護看護▼小規模対機能型居宅介護において、自立支援、重度化防止をさらに推進するために加算を細分化する―といった見直しが行われました(関連記事はこちら)。

後者においては、加算を次の2区分にしています。
【加算I】(1か月当たり100単位)
「訪問・通所リハビリ事業所」または「許可病床数200床未満のリハビリ実施医療機関」の医師・PT・OT・STから助言(アセスメント・カンファレンス)を受けられる体制を構築し、サービス提供責任者(サ責)が助言をもとにサービス提供計画を作成・変更する場合に算定可能
【加算II】(1か月当たり200単位)
「訪問・通所リハビ事業所」または「許可病床数200床未満のリハビリ実施医療機関」の医師・PT・OT・STが、訪問・通所リハビリ等の一環として利用者宅を訪問する際に、サ責が同行するなどし、共同して「利用者の身体状況等の評価」を行い、かつ、生活機能向上を目的としたサービス提供計画を作成し、連携してサービス提供を行う場合に算定可能

生活機能向上連携加算の見直し概要
生活機能向上連携加算の見直し概要
 
 ところで、前者の【加算I】における医師やリハビリ専門職の助言は、当然「利用者の状態を把握」した上で行わなければなりませんが、状態把握は「実際のサービス提供の場」だけでなく、「ICTを活用した動画」などでも可能とされています。ICT活用に関しては、▼テレビ電話などでリアルタイムに利用者の状況を把握する方法▼動画を撮影し、それをもとに外部リハビリ専門職が利用者の状況を把握する方法—が考えられますが、その際「利用者の同意取得」「各種ガイドラインに沿った個人情報の適切な取扱いへの留意」などが必要となります。

今般の疑義解釈では、「ICTを活用した動画」等で利用者の状態を的確に把握するために、例えば次のような点に留意することを求めています。

▽利用者のADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排せつ等)・IADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する利用者の状況、その改善可能性の評価(以下、生活機能アセスメント)を行うことがまず重要である

▽サービス提供計画には、生活機能アセスメントの結果のほか、利用者の意向(可能な限り自立して行いたい行為)を踏まえた上での「3か月を目途とする達成目標」「中間的な各月の目標」「目標達成のために訪問介護員等が行う介助等の内容」を記載する

▽外部の医師やリハビリ専門職には、生活機能アセスメントに留意した助言を行うことが求められる

 
 2018年度には診療報酬改定・介護報酬改定の双方で「ICTの活用」(例えばオンライン診療料の創設など)が進められており、今回改定の効果も踏まえて、今後さらなる拡大が期待されます。そのためにも、介護・医療現場における適切な運用が重要となります。

 
 またリハビリに関しては、次のような点が明確にされました。

▽「新規利用者について、通所リハビリ開始日前に利用者宅を訪問した場合」、利用初日の1か月前から利用前日までに利用者宅を訪問した場合であって、訪問日から利用開始日までの間に利用者の状態と居宅の状況に変化がなければ、算定要件である利用者の居宅への訪問を行ったこととしてよい(リハビリテーションマネジメント加算(I)の当該要件を満たす)の算定要件を満たすのか。

▽介護予防通所リハビリにおける送迎については、「利用宅から事業所との間の送迎」を実施することが望ましいが、利用者の状態を把握し、利用者の同意が得られれば、送迎を実施しない場合でも基本報酬を算定してよい

ADL維持等加算、2019年度から算定するには、2018年7月までに申し出を

 2018年度介護報酬改定の目玉の1つとして、通所介護における【ADL維持等加算】があげられます。要介護度の維持・改善実績を評価する、いわばアウトカム評価で、クリームスキミング(改善が見込まれる利用者のみを集める)ことへの配慮も行われています(関連記事はこちら)。

新設されたADL維持等加算の概要
新設されたADL維持等加算の概要
 
 今般の疑義解釈(その4)では、ADL維持等加算の申し出について、「申し出た年においては、申し出日の属する月から同年12月までの期間が評価対象期間となる」ことから、2019年度よりADL維持等加算を算定するためには「評価対象利用開始月から起算して6か月を確保することが必要で、2018年7月までに申し出を行う必要がある」ことを明示しています。

診療所のベッドを看多機の宿泊室と「兼務」することを認める

 看護小規模多機能型居宅介護(看多機)については、2012年度改定で「新たな地域密着型サービス」として創設されたものの、事業所数がなかなか増加しません。このため2018年度改定では、サービス供給量増加の観点から、次のように「診療所からの参入を進める」見直しが行われています。これは有床診療所の経営基盤安定化にもつながるものです(関連記事はこちら)。
(1)看多機事業所が診療所である場合、当該看多機利用者へのサービス提供に支障がない場合には、診療所の病床について、宿泊室との兼用を認める
(2)法人でなくとも、医療法の許可を受けて診療所を開設している者も看多機の届け出を認める

新設されたADL維持等加算の概要
新設されたADL維持等加算の概要
 
このうち(1)について、今般の疑義解釈(その4)では、次のような点が明らかにされました。

▽看多機事業所が診療所で、病床を看多機の宿泊室として兼用する場合には、看多機事業所の管理業務に支障がない限り、事業所に併設する地域密着側型特養ホーム、介護療養(療養病床を有する診療所に限る)、介護医療院に配置された医師を管理者としてよい

▽看多機事業所が診療所で、病床を看多機の宿泊室として兼用する場合、当該看多機の「管理者」「代表者」は、保健師・看護師でなく医師でもよい。この場合、「かかりつけ医認知症対応力向上研修」等を受講していることが望ましい。
 
 

 

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