看護必要度II、投薬・注射・手術・麻酔の薬剤のみ評価対象―疑義解釈4【2018年度診療報酬改定】



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 2018年度の診療報酬改定で新たに設けられた、DPCデータのEF統合ファイルを用いる「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度II」について、手術や麻酔中に用いた薬剤もA項目の評価対象となったが、EF統合ファイルにおける「データ区分コードが▼20番台(投薬)▼30番台(注射)▼50番(手術)▼54番(麻酔)—の薬剤」に限り評価の対象とする―。

 厚生労働省は5月25日に「疑義解釈資料の送付について(その4)」を公表し、こういった点を明確にしました(厚労省のサイトは関連記事はこちら)(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

看護必要度IIにおけるA項目の対象薬剤を精緻化・明確化

 2018年度の診療報酬改定は、入院基本料等の再編・統合という歴史的大改定となりました。例えば、従前の7対1・10対1一般病棟入院基本料を、7種類の急性期一般病棟入院基本料(急性期一般病棟入院料1-7)に再編・統合し、従前の7対1(急性期一般1)から10対1(急性期一般2や3)へ移行しやすい環境を整備しています(関連記事はこちら)。

 あわせて急性期病棟において「どれほど重症の患者を受け入れているか」を評価する指標と言える「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)について、次のような大きな見直しを行っています(関連記事はこちらこちら)。

(1)看護必要度の定義を一部見直し、▼「A項目1点以上かつB項目3点以上」(現在は重症患者に非該当)のうち、「診療・療養上の指示が通じる」「危険行動」のいずれかに該当すれば、「重症患者に該当」と扱う▼C項目の開腹手術(現在は5日間)について、所定日数4日に短縮する―こととする
(2)従前からの看護必要度評価票に基づく重症患者割合の計算方法を「看護必要度I」、新たにDPCのEF統合ファイルに基づく計算方法を「看護必要度II」とし、それぞれで重症患者割合の基準値を設定する(例えば、【急性期一般1】では看護必要度Iで30%以上、看護必要度IIで25%以上)
(3)看護必要度I・看護必要度IIのいずれを用いた場合でも、重症患者割合は「3か月の平均」とし、これまでに「1割以内・3か月以内変動の救済ルール」は廃止する
改定説明会1の3 180305
 
このうち(2)の「看護必要度II」について、3月30日に公表された疑義解釈(その1)では、「看護必要度ⅡでA項目の評価を行う場合、『手術や麻酔中に用いた薬剤』も評価の対象となる」こととされていました(関連記事はこちら)。

この点について、今般の疑義解釈(その4)では「EF統合ファイルにおけるデータ区分コードが▼20番台(投薬)▼30番台(注射)▼50番(手術)▼54番(麻酔)—の薬剤に限り、評価の対象とする」との精緻化・明確化がなされました。

EF統合ファイルにおけるデータ区分コード。看護必要度IIでは、▼20番台(投薬)▼30番台(注射)▼50番(手術)▼54番(麻酔)—の薬剤に限り、評価の対象とする
EF統合ファイルにおけるデータ区分コード。看護必要度IIでは、▼20番台(投薬)▼30番台(注射)▼50番(手術)▼54番(麻酔)—の薬剤に限り、評価の対象とする
 

回復期リハや療養病棟等でもデータ提出が義務化、ただし経過措置もあり

 また2018年度改定では、DPCデータ提出の対象を▼新たな回復期リハビリテーション病棟入院料1-4▼許可病床200床以上の回復期リハビリテーション病棟入院料5・6▼許可病床200床以上の療養病棟入院基本料▼急性期一般病棟入院料2-7(10対1)—にも拡大するとともに、回復期リハビリ病棟や療養病棟にマッチしたデータ内容への見直しなども行われました(関連記事はこちら)。
2018年度診療報酬改定(データ提出の拡大) 180305
 
 この点について、今般の疑義解釈(その4)では、2018年3月31日時点で「改定前の、看護必要度加算を算定する場合を含めて10対1の▼一般病棟入院基本料▼特定機能病院入院基本料▼専門病院入院基本料—届出医療機関(一般病床200床未満)が、4月以降に急性期一般入院基本料の届け出を行う場合、データ提出加算の経過措置が適用され2019年3月31日まではデータ提出加算を届け出ていなくても、急性期一般入院基本料を届け出ることができる」ことを明確にしています。

 また、同様に2018年3月31日時点で「回復期リハビリテーション病棟入院料(または療養病棟入院基本料)の届出医療機関が、4月以降に異なる区分のデータ提出が必要な回復期リハビリーション病棟入院料(または療養病棟入院基本料)を届け出る場合には、データ提出加算の経過措置が適用され2019年3月31日まではデータ提出加算を届け出ていなくても、回復期リハビリテーション病棟入院料(または療養病棟入院基本料)を届け出ることができる」ことも明確にされました。

なお、新規に「許可病床数200床以上の医療機関を開設し、療養病棟入院基本料を届け出る場合」には、上述のようにデータ提出が義務付けられますが、当然、データ提出実績はありません。この場合について、「データ提出加算に係る様式40の5[データ提出開始届出書]を届け出ている場合に限り、当該データの提出の有無にかかわらず、当該様式を届け出た日の属する月から最大1年間、療養病棟入院基本料の他の施設基準を満たしていれば当該入院料を算定可能とする」ことが示されました。ただし「1年を超えて様式40の7[データ提出加算に係る届出書]の届け出がない場合には、他の入院料へ届け出変更が必要となる」点にご留意ください。データ提出が要件となる療養病棟入院基本料を新設するには、まず取得するには、▼様式40の5[データ提出開始届出書]を届け出る▼1年以内に様式40の7[データ提出加算に係る届出書]を届け出る―ことが必要となります。

様式40の5[データ提出開始届出書](施設基準の解釈通知より)
様式40の5[データ提出開始届出書](施設基準の解釈通知より)
様式40の7[データ提出加算に係る届出書]の例(施設基準の解釈通知より)
様式40の7[データ提出加算に係る届出書]の例(施設基準の解釈通知より)

 
 なお、今般の疑義解釈(その4)では、入院基本料等の施設基準における「平均在院日数を算出するに当たり対象となる入院患者」について、▼自費の患者▼労災保険など他制度による給付を受ける患者—など「医療保険給付の対象外患者」は、計算対象としなくてよいことが改めて示されています。

胃瘻・腸瘻からの栄養投与を受け訪問診療等を受ける患者、包括的支援加算の対象

 2018年度改定では、在宅医療の診療報酬も大きく見直されており、例えば(1)複数医療機関による訪問診療を正面から認める(在宅患者訪問診療料(I)の「在宅患者訪問診療料2」の新設)(2)隣接する介護施設等への訪問診療について低い点数を設定する(在宅患者訪問診療料(II)の新設)(3)通院がとくに困難な患者に対して、在宅医学総合管理料等に【包括的支援加算】を上乗せする―ことなどが目立ちます(関連記事はこちら)。

 このうち(3)の【包括的支援加算】について、施設基準では対象患者を次の要に限定しています。
▼要介護2以上の状態、またこれに準ずる状態
▼日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さのために、介護を必要とする認知症の状態
▼頻回の訪問看護を受けている状態
▼訪問診療・訪問看護において処置を受けている状態
▼特定施設等看護職員が配置された施設に入居し、医師の指示を受けた看護職員による処置を受けている状態
▼その他関係機関との調整等のために訪問診療を行う医師による特別な医学管理を必要とする状態
2018診療報酬改定(包括的支援加算) 180305
 
 この点、「訪問診療・訪問看護において処置を受けている状態」については、解釈通知において、より詳しく「訪問診療・訪問看護において、▼注射▼喀痰吸引▼経管栄養—等の処置(J000【創傷処置】、J001-7【爪甲除去】、J001-8【穿刺排膿後薬液注入】、J018-3【干渉低周波去痰器による喀痰排出】、J043-3【ストーマ処置】、J053【皮膚科軟膏処置】、J060【膀胱洗浄】、J060-2【後部尿道洗浄(ウルツマン)】、J063【留置カテーテル設置】、J064【導尿(尿道拡張を要するもの)】、J118【介達牽引】、J118-2【矯正固定】、J118-3【変形機械矯正術】、J119【消炎鎮痛等処置】、J119-2【腰部又は胸部固定帯固定】、J119-3【低出力レーザー照射】、J119-4【肛門処置】を除く)を受けている状態」とされています。今般の疑義解釈では、「胃瘻または腸瘻からの栄養投与」が、「訪問診療・訪問看護において処置を受けている状態」に該当することが明確とされました。

 
また、在宅医療について「往診」の適正性を確保するために、「患者等が保険医療機関等に直接往診を求め、医師が往診の必要性を認め、可及的速やかに患者宅等に赴き、診療を行った場合」に限り、C000【往診料】の算定が可能である旨が示されました。一部の高齢者施設等で、医療上の必要性がないにもかかわらず、施設側が不適切に往診を求めるケースが見られ、これらを是正するための見直しです。

 今般の疑義解釈(その4)では、「可及的速やか」とは、「依頼の詳細に応じて、医師の医学的判断による」ことが示されました。なお、2018年度改定を議論した中央社会保険医療協議会・総会では、厚労省保険局医療課の迫井正深課長から、不適切と思われる事例の1つとして「夜間に往診の依頼があり、翌日の午後に往診をした」ケースが紹介されています(関連記事はこちら)。

 
 
 このほか、今般の疑義解釈では、次のような点も明確にされました。

▽B001の27【糖尿病透析予防指導管理料】について、従前より「保険者(健保組合など)から保健指導の目的で情報提供等の協力の求めがある場合には、患者の同意を得て、必要な協力を行う」ことが算定医療機関に求められているが、「日本糖尿病協会の『糖尿病連携手帳』を活用した情報提供」も「必要な協力」に含まれる

▽K177【脳動脈瘤クリッピング】について、【ローフローバイパス術併用加算】(1万6060点)と【ハイフローバイパス術併用加算】(3万点)とは1回の手術において併算定できず、「主たるもの」のみ算定可能である

▽自家培養の再生医療等製品について、「培養不良などの医学的理由で、自家組織採取を再度実施することが必要」な場合には、自家組織の採取等に係る点数を改めて算定できる。ただし、再度採取が必要となった医学的理由について記載した症状詳記を添付することが必要である

▽日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会等が認定した施設で、コンドリアーゼ(販売名:ヘルコニア)を用いて後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニアに治療を行った場合は、K126【脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)】の2「その他のもの」(4510点)を準用して算定する。ただし、学会から認定された施設であることを証する文書の写しを添付することが必要。

▽A249【精神科急性期医師配置加算】、A311【精神科救急入院料】、A311-2【精神科急性期治療病棟入院料】、A311-3【精神科救急・合併症入院料】において、「当該入院料等に係る病棟以外の病棟」へ転棟後、当該保険医療機関への入院日から3か月以内に自宅等に退院した場合は、「自宅等へ移行した」ものとしてよい。なお、A103【精神病棟入院基本料】に係る「精神保健福祉士配置加算」、A312【精神療養病棟入院料】に係る「精神保健福祉士配置加算」、A318【地域移行機能強化病棟入院料】については、当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合は、「自宅等へ移行したもの」に該当しない
 
 

 

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